中高生と校舎の雰囲気を体験できる文化祭〜圧巻の鉄道研究部のジオラマ・「個性に合う」こだわり・活発な生物部の展示・「何かを成し遂げる」部活の醍醐味・原理を実演〜|2024武蔵中高記念祭紀行2・中学受験

前回は「「いつ文化祭に行くべきか」=「思い立ったらすぐ」〜久しぶりの武蔵中高記念祭訪問・2024年春の文化祭・仕口で組まれた力作「記念祭の世界」への入り口〜」の話でした。

目次

圧巻の鉄道研究部のジオラマ:「個性に合う」こだわり

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭を訪問しました。

武蔵卒の筆者は、記念祭(文化祭)は15年ぶりくらいです。

僕が在校していた頃から、大規模な増改築をおこなった校舎は「一部同じ」ですが全然違う雰囲気です。

当時の名残が残っている「光の廻廊」のような廊下を通って、鉄道研究部(鉄研)へ向かいました。

鉄研はエントランスに近かったこともありますが、エントランスに「改札口」があって、

あっ!
あれ行きたい!

子どもがその「改札口」に吸い込まれてゆきました。

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

切符を切るので、
そこから切符を取ってください!

中学校三年生くらいの「駅員さん」が威勢よく声を上げています。

あっ、そこに
切符があるから切ってもらいな。

えっ、これ?
これ、どうするの?

駅員さんに
渡してみな。

うん・・・
はい・・・

スマホ・スイカ世代の子どもは、「紙の切符」を使ったことがあっても「切ってもらう」経験はありません。

はいっ!
切符を切りますよ!

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

なんか、変な切り口が
あるけど・・・

昔はこうして切符を切って、
どこの駅かわかる様になってたんだよ。

ふ〜ん・・・
そうなんだ・・・

子どもは、いまいち腑に落ちない感じですが、

これ、
記念に持って帰る!

とても楽しそうでした。

このように「かつてあった経験」が「実際に体験できる」工夫は、とても好感が持てました。

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

鉄研のジオラマは、かなり大規模で精巧な模型で圧巻です。

これ、
すごいよ!

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

かつて使っていた模型もあるかもしれませんが、こういう機会に「大きな模型を作る」経験は大事です。

筆者の頃も、鉄研の部員は「一風変わったこだわりを持つ」人物が多かったのを思い出しました。

こういうものを実際に作ったりするうちに、「個性に合うこだわり」が生まれてくるのでしょう。

活発な生物部の展示:「何かを成し遂げる」部活の醍醐味

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

ほぼ全ての中学・高校にある生物部では、多くの生物たちが展示されていて、盛況でした。

麻布や栄光でも生物部は非常に人気が高かったのが、共通点です。

こうして改めて様々な生物が、水族館や博物館のように陳列されていて、動くのを見ていると、

ここに面白い
魚がいるよ!

子どもたちは、嬉しそうにじっくりと魚や昆虫たちを見つめています。

他の文化部と比較して、生物部は小さな子どもたちには「分かりやすい」イメージがあるのでしょう。

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

様々な展示が置かれた机と机の間が「部員専用の空間」で、部員たちは、

この石はですね、
〜から取れたもので、〜です!

一生懸命に声を出して説明しているのが、中高生らしくて、とても良いです。

こういう展示物を一生懸命作る際には、先輩・後輩で色々と考えて、

この展示は
こういう内容を書こうよ!

僕はさ、こういう石を
説明したいんだけど・・・

部員同士で様々な議論をした上で、相応の時間をかけて作っているのでしょう。

こうした経験は、授業で「先生に言われたことをする」のとは全然違うことです。

授業の課題でも、レポートなどで「ある程度オリジナリティが出せる」こともあります。

一方で、展示はほぼ全てが「部員たちのオリジナル」です。

顧問の先生と相談したり、教えてもらうことがあるにしても、こういう経験は貴重でしょう。

こういう学校の授業とは違う次元で「何かを成し遂げる」ことは、部活の醍醐味です。

中高生と校舎の雰囲気を体験できる文化祭:原理を実演

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

物理部では、様々な現象を実際に展示して説明していました。

自転車などの空気入れを使用して、空気を入れて、

これから少し
大きな音が出ます!

シュッポンッ!

こうして何かを「実際にやってみせて説明する」のは、面白いことです。

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2024年度 武蔵中学校・高校 記念祭(新教育紀行)

気象部では、実際の気象の渦が「どのようにして出来るか」を体験できました。

紅色で着色した油と水が混ざった筒の端を上げたり下げたりする過程で、

この部分が
このように動いてゆきます・・・

すると、
このように渦が出来てゆきます。

こういう「現象を再現する」キットを動画で見ることも可能ですが、やはり実際に見るのが良いです。

そして、こういう実験を実際に制作する姿勢は、とても良いことだと思いました。

一方で、物理部や気象部などの展示で見ていて思ったことは、

こうして、何かの現象などを
実際に見せたり展示するのも良いけど・・・

何か独自の研究とかは
やってないのかな・・・

筆者が在籍していた頃の物理部・化学部・気象部などでは、「独自研究」ばかりやっていました。

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武蔵中学・高校のかつての校舎・物理実験室(新教育紀行)

身の回りでちょっと気になったことがあると、

このことがちょっと
不思議だから、研究してみよう!

と、研究対象を班ごとに決定して、実験器具を作成して研究していました。

「研究」と言っても、中高生がやることなので大したことはないのですが、

この実験したら、
こんなことがわかったんだけど!

一生懸命実験して、様々な数値を記録してグラフを作成した記憶があります。

今なら、パソコンでグラフを作成することが多いかもしれませんが、当時は、

このグラフを
書いてみよう・・・

と紙の用紙に一生懸命、様々な実験結果をプロットしてゆき、

これは、こういう法則が
あるのではないか!

と、「勝手に法則を見つけた」気持ちになったものです。

もちろん、その「法則」は、ほとんどが単なる「勘違い」や「でっち上げ」なのですが、

なるほどね・・・
ちょっと強引だけど、そういう法則もあるかもね・・・

あるいは、

おいおい・・・
そんな結論はないだろう!

部員同士で「オリジナル理論」を議論していたものです。

そうした「オリジナル理論」を記念祭で発表するのが、筆者の頃の文化部でした。

この点では、「発表する内容が大きく異なる」ことを感じました。

間違いでもいいから、
何か自分でやってみると良いのだけど・・・

と、ちょっと思いましたが、それもまた時代の変化かもしれません。

いずれにしても、記念祭(文化祭)のような場で「何かを作って発表する」経験は大事です。

現役の中高生たちや校舎の雰囲気が、ありありと実感できるのが文化祭の最も良い点です。

最近、武蔵・麻布・栄光と続けて文化祭を訪問し、

やっぱり、
それぞれの学校の雰囲気は違うな・・・

それぞれの学生のカラーが、全然違うことを改めて感じました。

こうしたことは学校のHPや受験雑誌などを読むより、自分で体感することが大事です。

中学受験生と親の方は、ぜひ気になる中学の文化祭に早めに訪れてみましょう。

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