社会の入試問題の傾向〜上下水道への視線・極めて大事なインフラ・現代の下水と上水・身近な水・電気・食べ物・水と合戦・戦争〜|中学受験・社会

前回は「超直前の確認・記述対策 2〜少し考える〜」の話でした。

目次

上下水道への視線

左上から時計回りに、ゼレンスキー ウクライナ大統領、バイデン 米大統領、プーチン 露大統領、習近平 中国家主席(Wikipedia)

2023年の社会には、一つの傾向が見られました。

それは、ウクライナ戦争などの時事問題が取り上げられたことと、「身近なことへの視線」でした。

麻布中学と武蔵中学の社会で、「上下水道と河川」の話が出ました。

上下水道は、比較的地味な話かもしれません。

実は、上下水道は極めて大事なことなのです。

えっ、
そうなの?

あまり、
上下水道のことは考えたことがない・・・

上下水道がしっかりしていなかったら、どうなっているでしょうか。

すごく困る・・・

そういえば、昔うちの近くの
水道工事で、上下水道が止まったことがある・・・

数時間のことだったけど、
ものすごく困ったことがある・・・

極めて大事なインフラ:現代の下水と上水

東京23区の公共下水道(東京都水道局)

上下水道は現代社会・現代都市において、極めて貴重かつ重大なインフラなのです。

「最も大事なインフラ」と言っても良いでしょう。

下水道の普及が進んでいる日本。

「下水の存在」は、日常生活ではあまり気にしないかもしれません。

僕が小学生だった頃には、まだバキュームカーが街中を走っていました。

最近は、かなり少なくなり、見かけることも無くなりました。

バキュームカーって
何?

知らないわ・・・

最近の小中学生で、バキュームカーをご存知の方は少ないかもしれません。

バキュームカーとは、「し尿や汚泥を吸引し、運搬する車」です。

そう言う車が
あるんだね。

バキュームカーのことを「知らない」方が多いのは日本の下水道のインフラが整っているからなのです。

東京(新教育紀行)

いわゆる先進国と呼ばれている国々では、上下水道はかなりしっかり整備されています。

そして、上下水道などのインフラは、少しずつ整備されてきました。

それぞれの都市・街で非常に長い時間をかかって整備されています。

皆さんが、トイレでジャーッと流した後のことは、あまり考えたことがないかもしれません。

そうだね。

もし、「トイレで流したもの」が「流れずに、周囲に残っている」状況だったら、どうなりますか?

えっ、
ちょっとそれは・・・

かなり
厳しいかも・・・

それは、大変な事態なのです。

日本では、大抵の街の中心街となる場所には下水が整備されています。

そして、必ずしも中心街でない場所(市街化調整区域等)では、浄化槽によって下水処理・排水されています。

山奥のように「下水道整備が非常に大変」な地域も、しっかりと処理・排水されているのです。

それでは、上水を考えてみましょう。

「下水」と言う言葉は、小学生の方々も聞いたことがあるでしょう。

意外と「上水」と言う言葉は、聞かないかもしれません。

上水?
初めて聞いたよ。

生活排水の「水(げすい)」に対して、飲み水などは「水(じょうすい)」と呼びます。

下水道と共に、上水もまた極めて大事なインフラです。

電気がなくなっても困りますが、水がなくなるよりは遥かに良い状況でしょう。

飲み水がなくなったら、人間は途端に「生きてゆくのが困難」な極めて危険な状況となります。

身近な水・電気・食べ物:水と合戦・戦争

熊本城(新教育紀行)

戦国時代など、昔の時代において「城攻め」が日本中で行われました。

城攻めでは、合戦などの白兵戦も行われますが、多くの場合は、守る側は城に籠り(こもり)ます。

城にるので「籠城戦」と呼ばれます。

対して、攻撃する側は人間が相手ならば「戦い」になりますが、城が相手だと困ってしまいます。

そこで、「城を包囲して、持久戦に持ち込む」のです。

左上から時計回りに戦国大名 武田信玄、織田信長、毛利元就、上杉謙信(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

全ての戦国大名・小大名は「城攻め=持久戦」を経験しました。

「持久戦に持ち込んだ」時に、極めて大事なポイントとなるのが「飲み水の行方」です。

城の中で「水が湧く」ならば良いです。

実際には、そういう状況は非常に少ないです。

基本的には、城の近くの川に「水を取りに行く」などで「水を確保」します。

その時に「水を得る手段を断つ」事が、攻撃側の大事なポイントとなります。

籠城側は、仮に食料が少ないのは少しは我慢できます。

食べ物が少なくて、
ひもじい・・・

食べ物はまだしも、飲み水がないと、

飲み水が
ないのは、本当に辛い・・・

体調が
非常に悪い・・・

「水がなければ、終わり」なのです。

そして、多くの場合「水を得る手段を断ち切られて、開城・降伏」が多かったのです。

日本の小学生などの子どもにとっては、「あるのが当然」である水(上水)・電気・食べ物(食料)。

日本国内でも様々な問題や事件が発生しますが、「餓死する」ことは非常に少ないです。

対して、「水(上水)・電気・食べ物(食料)などが当然ある」環境ではない国々もあります。

ぜひ、身近なことにも興味を持って、勉強してみましょう。

新教育紀行

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