電気・電流・回路の問題 2〜並列・分かりやすい考え方〜|中学受験の理科

前回は「電気・電流・回路の問題 1〜並列・分かりやすい考え方〜」の話でした。

目次

問題 1(再掲載)

電流の全体の流れを考える

電池で電圧がかかり、回路に電流が流れてゆきます。

電線が別れているところは、原則として電流が別れますから、「流れる電流」を描いてゆきましょう。

「別れた電流」は、電線がつながるところで合流します。

上記のような流れは、電気・電流・回路をある程度理解していると「当たり前」に感じられます。

試験本番では、全部は描かなくても良いですが、勉強している時は描きましょう。

こういう「流れ」や「力」は、実際に矢印で描いてみると、イメージが湧きます。

そして、「電池・電球が各一つ」の基本的な回路に対して、「電圧を①、抵抗を1」と考えます。

回路の基本(新教育紀行)

そして、流れる電流も①となることを基本として考えましょう。

最初に「別れる前の電流」と最後に「全てが合流した電流」は同じです。

ですから、他の「別れた電流」よりも、これら「最初と最後」の電流は最も大きい電流です。

そこで、最も大きな電流が通る「キの電球」が最も明るくなります。

(1)の答え・・・(キ)です。

電流はどちらに流れるか

途中で電線が繋がっているウの電球には、図で上からと下から電流がきます。

「電流がぶつかる」イメージですが、実際には電流は「どちらかにのみ流れる」ので、向きがあります。

どちら向きに流れるでしょうか?

上の図のように、ウに対して下向きに流れるとして、考えてみましょう。

この時、ウの電流の周辺の電流を考え、上の図のA、Bにおける電圧の大きさ(電位)を考えます。

Aから「イを通ってBへ」流れる電流と、Aから「ウ→オ→カを通ってBへ」流れる電流を考えます。

この時、両方の経路において、電球があるので抵抗を受けて、電圧が下がります。

そして、その下がる電圧の大きさは同じです。

まずは、前の緑色の経路を考えてみましょう。

ここでは、イの電球による抵抗を受けて、電圧が下がります(電圧降下)。

今度は、後の水色の経路を考えてみましょう。

「ウ→オ→カを通ってBへ」流れる電流は、三つの電球による抵抗を受けて、電圧が下がります(電圧降下)。

緑色の経路、水色の経路における、電圧の下がる大きさ(電圧降下)は同じです。

緑色を流れる電流の大きさが、水色を流れる電流の大きさより、だいぶ大きければ成立します。

でも、この回路で、緑色と水色の電流の大きさは、それほど大きくは違わなそうです。

そこで、

これは、ちょっと
オカシイかな。

と感じましょう。

理科の物理分野は、基本的には日常生活と密接に繋がりがあります。

「計算しなければ分からない」ことも多いですが、「ちょっとオカシイ」と感じることは起こらないのです。

そこで、「ウを流れる電流が、図で下から上向き」と考えましょう。

そして、「ウを流れる電流」と「オ、カを流れる電流」を、それぞれ未知数を置いてみましょう。

未知数の置き方は、さまざまな考え方があります。

「全体から見る」考え方「部分から見る」考え方があります。

「どちらが良いか」は、問題にもより、そして個性にもよるでしょう。

電流の問題では、「全体の電流を未知数」として考えて、抵抗を考慮して全体像を見てゆくこともあります。

この回路はシンプルですが、電線の別れが多くて複雑なので、「別れた先の電流を未知数」として考えてみます。

ここからは、「電流の分かれ・合流」と、先ほど考えた「ある点から点で、下がる電圧が同じ」を考えましょう。

地道にしっかり考えてみましょう。

続きは、本日6:30に公開します。

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