前回は「思考を整理しよう 2〜総合力上げよう〜」の話でした。
「出来ること」に注目
中学受験〜大学受験の直前期が本格的になりました。
関西圏の中学受験は、あと一月ほどで本番となります。
当日、上手くできるか
不安・・・
あれもこれも、やらなきゃ
と感じてしまう・・・
「不安でない人」は、おそらくいないでしょう。
「みんな同じ」なのです。
そして、特に直前期は、「自分が苦手なこと・出来ないこと」に目がゆきがちです。
そうそう。
最近、特に苦手なところとか、多く気づく。
それは、むしろ「あなたの理解が進んだ・学力が上がった」証拠です。
「理解が進んだり、学力が上がった」から、「苦手な分野が見えてくる」のです。
理解が進んでないと、「苦手分野が多くて、クリアに見えてこない」のです。
ですから、苦手分野があっても、
僕は〜は、
結構得意!
私は〜なら、
大丈夫だわ。
とできるところにも目を向けましょう。
試験は、大体70%ほど取れれば、合格できます。
難易度によっては、もう少し少なくても合格できるでしょう。
「出来ないこと」を「出来るように」なりたいですが、「出来ること」をしっかり固める」ことも大事です。
解き方・考え方の「引き出し」
今回は、「解き方・考え方の引き出し」の話です。
「引き出し」って何?
ここでは、中学受験の算数の話をします。
大学受験の数学でも、中学受験の理科などでも、項目が違うだけで同様です。

中学受験の算数を学ぶ時、みなさんはこれまでに「様々な解き方」を学んできました。
上の図のように「旅人算、てんびん算、ニュートン算、つるかめ算、流水算・・・・・」実に様々です。
これらの「解き方・考え方」を一つの「引き出しを持っている」と考えましょう。
あなたの頭の「引き出し」の中に、解き方や考え方が詰まっているイメージをしてください。
なんとなく、
分かるかも。
これは受験に限ったことではなく、実社会の多くでそうです。
仕事をしている時も、過去に学んだことや経験が自分の頭の中に蓄積されています。
その蓄積を「引き出し」に例えて考えてみましょう。
何を持って「引き出し」と考えるかは、様々な考え方があります。
つるかめ算の「鶴と亀が合計30匹います。足の合計は100でした。・・・」も「一つの引き出し」と考えましょう。
これは「超基本」かもしれませんが、「ニュートン算」など、なんでも「超基本」が実は大事です。
持っているたくさんの「引き出し」

直前期まで一生懸命勉強してきた、みなさんはすでに「数多くの引き出し」を持っています。
うん。
解き方のパターンは、たくさん覚えた。
この「引き出し」を「パターン」と呼ぶかどうかはそれぞれですが、どちらかというと「考え方」に重きを置きましょう。
中学受験の中堅校志望者なら、この「算数の引き出し」は少なくとも50は欲しいでしょう。
難関校なら80位、最難関校なら100は欲しいと思います。
この数字は「だいたいの感覚」です。
図形問題ならば、「補助線」だけでいくつかの「引き出し」があり、面積・相似形・〜角形などでもあるでしょう。
私は、
100は持っていそう。
「100以上持っている感覚」があれば、自信持って良いでしょう。

この「引き出し」は試験当日まで、「もっともっと増やしたい」と考える方が多いです。
暗記問題も、上のような「引き出し」に例えられるでしょう。
「問題を解く」と「引き出し」

問題を解くとき、「どのように考えようかな?」とか「これは何だったかな?」と考えます。
それを「自分の脳の中の引き出しを使う」とイメージしてみましょう。

「解き方・考え方の引き出し」がたくさんあると、問題が解けるようになります。
一方で、「引き出し」がたくさんあり過ぎると、「どれを使えば良いのか?」が分かりにくいことがあります。
みなさんの机などの様々な引き出しに、ペンや道具をしまっていた時、「どこだっけ?」と思うことがあります。
うん。
よくあるよ。
大事なことはなんでしょう。
いつも、「もっと整理しよう」と
思うよ。
「引き出し」は整理しておくのが最も良いのです。
でも、なかなか出来ないことでもあります。

そこで、「引き出し」を整理して、問題をより解けるようにしましょう。
「引き出しを整理する」とは、今持っている「引き出し=学力・出来ること」を整理することです。
それは、「新しい解き方・パターンを学ぶ=新しい引き出しを増やす」とは反対のことです。
これまでやってきた様々な解き方・考え方、あるいは知識。
それらを最後に総まとめしてみましょう。
安心して過ごす大事さ
「新しく〜を学ぼう」と考えると、「出来ないこと」に視点が向きます。
すると、誰しも不安になって、やる気がなくなってきます。
うん。
そう感じる時がある。
「新しいこと」を学んでも、それが出ないかもしれません。
自分がすでに学んで「出来ている」ことを改めてしっかり学んでみましょう。
特に算数・数学は、この姿勢が最も大事です。
「新しい解き方・パターン」を覚えるよりも、「これまでに学んだ解き方・パターンを固める」方が断然効果的です。
過去の模試で「出来なかった問題」を、もう一度解いて、復習するのも良いでしょう。
落ち着いた精神で、しっかり固めてゆくことが、何よりも直前期は大事です。