前回は「おすすめ時事問題〜SDGs・気候変動の具体的対策・東日本大震災と原子力発電・気候非常事態宣言都市〜」でした。
陸の豊かさを守ろう

今回も15番目の「陸の豊かさを守ろう」を取り上げます。
米国などで大規模な森林火災が起きていますが、世界の森林は減少傾向にあります。

全世界において、陸地における「森林の面積」は約30%です。
森林の多い国は、順にロシア、ブラジル、カナダ、米国です。

森林が比較的多いと思われているアジアですが、世界的に見ると「平均15%」で低い方です。
森林大国・日本の森林率

その中、日本は約67%が森林面積と非常に高い森林率です。
上の図において、森林の増減が表現されています。
赤色=森林の減少が目立つ地域
青色=森林の増加が目立つ地域
緑色=森林にわずかな増減がある地域
日本は全国的に「森林にわずかな増減がある地域」であり、あまり変わっていない状況です。
良い面から見れば、「森林が適切にキープされている」状況とも言えます。
日本の林業:木造住宅と林・森

非常に森が豊かな日本で、SDGsのこともあり、林業に注目が集まっています。
石造建築の文化である欧米に対して、古来から木造建築の文化である日本。

現代でも、戸建住宅のほとんどは木造住宅です。
林業が発展してゆくには、「十分な需要」がなければ経済的に成り立ちません。
その中、「木造住宅中心の日本」は、林業発展において「先をゆく存在」のはずですが、そうではありません。
えっ、
なぜ?
お家を建てるのに、
木材をたくさん使ったら良いのに・・・
実は、建築・建設に使われる木材のほとんどは、輸入剤です。
なぜ、
国内にこんなに沢山あるのに?
どうして、
外国の木材を使うの?
それは、外国の木材の方が「はるかに安価」だからです。
安い外国産木材に押され続ける日本産木材:日本の林業の危機

今回は、戸建住宅の話を例にします。
建築をする際に、柱・梁などの構造の材料にかかる費用は、概ね15〜20%程度です。
そこで、この部分の費用が高いか安いかで、全体の費用に大きな影響が出ます。
海外の木材は、日本の木材と比較すると驚くほど安価です。
でもさ、
船とかで運んでくるの大変でしょ・・・
海外の木材は
運搬費もかかるから、日本の木材は有利なのでは?
実は、運搬費を入れても、日本の木材は一般的に「はるかに高い」のです。
そうなんだ・・・
そのため、最も需要が大きい「建築・建設業」で木材の需要が激減している日本の林業。
一生懸命木材を作っても、
大して売れない・・・
ことが、日本の林業を危うくしている大きな要素です。
森林は人間の生活にとっても、地球にとっても非常に大事です。

数字や国名を暗記する必要はないと思いますが、「日本の国土の2/3は森林」は知っておきましょう。