前回は「時間と距離の比を合わせて考えるコツ〜問題の視点を変える発想・「時間の起点」を変える・大事な「普通の」解き方・20(2)解法A〜」の話でした。
速さと比の出題が多い理由:作成しやすい「様々なシーン」
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算数実践の問20の問題は、「時間の起点を変える」発想が大事でした。
速さや比の問題は、中学受験の算数では超頻出です。
この「速さや比の問題」が多い理由は、下記が考えられます。
・「比の概念」が算数や数学の根幹の一つなので、算数の学力を測るために大事
・問題を作成するのが比較的容易
問題を作成する人は、数学科の教員が多いので「数学のプロ」です。
「数学のプロ」から見れば、「算数の問題を作成する」のは簡単そうですが、

今年は、どのような
問題を出題しようかな・・・



このテーマを
こんな感じで出題したら面白いかな・・・
算数の出題者たちは、「算数が好き」なので、問題の作成を楽しみながらも、



算数の発想で解けるように
したいから、ちょっとこうした方が良いかな・・・
かなりの時間とエネルギーを注いで、問題を作成していると思います。



やっぱり、比の問題は、
作成しやすいし、特徴を出しやすい・・・
「速さ・比の問題」は、何らかのシーンを考えれば特徴を出しやすいので、出題が多いのでしょう。
算数の学力を大幅アップする学び:「比の問題」と図形問題の類似


図形問題では、ほとんどの場合で「相似比」を考えて解きます。


相似比を考える際には、「まずは問題文の条件の図形を分析する」姿勢が大事です。
・問題の条件を全て描きこむ:同じ長さ・同じ角度など
・図形の性質などを描く過程で、条件を頭で整理するので解きやすくなる
すると「相似形が見えてくる」ことがあり、問題を解く鍵が見つかります。
この問題の(1)を解く考え方を、上記リンクでご紹介しています。


この問題のように「斜めの正方形」がある時は、「外部に正方形を作る」のが一つの定石的発想です。
それに対して、筆者は「図形を分解・分析して解く解き方」を、上記リンクでご紹介しています。
「斜めの正方形の時は、外部に正方形」は、確かに有効な発想ですが、



よしっ、斜めの正方形だから、
それを囲むように正方形を作る!
このように「パターン化」の発想で学ぶと、図形問題の本質が見えなくなる可能性があります。
図形問題の基本は、「対象とする図形を分析する」ことです。
その分析のプロセスで「相似や合同の図形を発見する・作る」姿勢が大事です。


合同図形を見つける話を、上記リンクでご紹介しています。



この考え方だと、
合同な図形が大事だね・・・
「図形問題は相似形」と言っても良いほど、「相似比が決定的に重要」である図形問題。
その一方で、時々「合同図形が登場する」ことがあります。



相似形と合同図形と
どっちを考えたら良いのかな?



やっぱり、
相似形のほうが多いから・・・



合同図形は、
あまり考えなくても良いのかな・・・
相似形では比が大事ですが、合同図形は「同じ」です。
・合同図形は「「相似比1:1」の相似形
・図形問題は同じ角度を探して、相似形を探す
合同図形は「「相似比1:1」の特殊な相似形です。
この視点から考えると、合同図形を探すのは「相似形を探す」ことと同じことになります。
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「比を考える」発想の観点から考えると、図形問題と速さなどの比の問題は似ている面があります。
算数を学ぶ際には、旅人算・ニュートン算・和差算・図形・・・など各単元で学ぶことが多いです。
中学受験の場合、小学6年生の10月頃〜直前期は、「複合的に考える」視点を持つと良いです。
すると、応用問題を解く力がアップするでしょう。
次回は上記リンクです。