前回は「正しい言葉」に直すポイント〜「種子島」などの漢字を正しく書く・問題演習と歴史の流れの整理・守護大名と戦国大名〜」の話でした。
最難関校の良問に取り組む学び:分かる範囲で歴史を整理
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今回は、今年2025年に出題された開成中学の社会の問題を解く話です。
この問題はとても良い出題で、歴史を横断的に、総合的に学ぶためにお薦めしたいと思います。
最難関中学の開成の出題に対しては、中堅〜難関中学を目標とする人にとっては、

開成の問題は難しそうだから、
無理だよ・・・
このように考える人が多いかもしれません。
ここで、社会に限らずどの科目でも、レベルが高い良問に取り組む姿勢が大事です。
「全て理解」しなくても良いので、良い問題はどんどんやってみましょう。
本問は、原題の問5の代わりに問10と問16を拡充して、ご紹介します。
拡充した理由は、歴史の「一つの側面」をご紹介したいことと、今後の「出題の可能性」を考えました。
源平時代から現代を俯瞰:「語句」を書いてまとめる
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このように、何らかの話題に対して、歴史を横断的に俯瞰する姿勢は非常に大事です。
今回は、開成中学の近くである上中里駅の平塚神社をもとに、歴史を考えています。
歴史の学習には馴染みが少ない「豊島氏」が登場するので、



豊島氏って、
学んだことないけど・・・
東京の豊島区は、日本人ならば誰でも知っていますが、「豊島氏」は知りません。
現在の地名は、大抵は「昔の名残」を残しています。
そこで、このような「知らない人」や「知らない出来事」などが登場しても、



多分、豊島区に
関係する人だね・・・
このように「歴史の流れ」を推測しながら、読み進める姿勢が大事です。
・「知らない」ことを気にしないで、まずは読んでみる
・「歴史の流れ」を推測しながら、読み進める
そして、上の例のように、問題文のキーワード等にチェックマークを入れて読むと良いでしょう。
この問題は、平安時代後期の源平時代から現代を俯瞰している点が非常に良いです。
「平塚神社」「豊島氏の根拠地」の切り口から、一気に1000年以上の歴史が語られています。
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早速、問1の答えを見てみましょう。
筆者は、「無地に近いノート」の方が、学ぶには良いと考えています。



出来るだけ罫線などの
制約がないノートで、自由に書いてみましょう。
今回は、ドットによる簡潔なノートをもとに、実際に書いて問題を解きます。
この問題は、選択肢ではなく「当てはまる語句」を答えます。
「人名」「地名」「出来事」が満遍なく出題されていて、易しい問題から難しい問題まであります。
こういう問題を解く時、



これは、徳川吉宗だから
当然分かる!



分かるから、
書かなくてもいいや!
このように「分かるから書かない」姿勢ではなく、必ず「書く」姿勢が大事です。
出題者は、問題文から答えが分かる・類推出来ることに加えて、



あなたは、徳川吉宗や
徳川慶喜を、きちんと書けますか?
このように尋ねているのです。
後ろの問題と異なり、この問1では「漢字で」とは書いていません。



ということは、慶喜は
「よしのぶ」でも◯なのかな?
「漢字で」と書いていない以上、「よしのぶ」でも◯になるかもしれません。
小学校教育課程を明確に外れる「難しい漢字」は別として、人名は基本的に漢字で書けるようにしましょう。
特に、このように「語句で答える」問題を学ぶ際は、きちんと「全て語句で答える」ようにしましょう。
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この問題では、8問の中に、将軍が2名も登場しました。


徳川吉宗と徳川慶喜は、中学受験生ならば「常識」ですが、ここで著名な将軍を復習しましょう。
普通は徳川慶喜は「とくがわ よしのぶ」と読みますが、実は「とくがわ けいき」も正しいです。
徳川慶喜の読み方に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
このように、ある程度勉強が進んだ後に過去問を解くときは、「周辺の知識も確認」すると良いです。
「ただ問題を解く」姿勢ではなく、歴史に関する知識を総合的にまとめると良いでしょう。
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このように、実際に「語句を答える」ときは、ノートに色々とまとめると良いです。



確かに、吉宗って、
ちょうど徳川将軍の中間だね・・・



8代とか、15代とか、
代を丸暗記していたけど・・・



8代が「中間に位置する」と考えると
面白いね!
このように、気づいたことも自分なりに書いてみるのも良いでしょう。
そのような気持ちで学ぶと、歴史に対する様々な理解が深まり、学力が上がるでしょう。
次回は、問1の考え方をご紹介します。