前回は「最難関校の良問に取り組む学び〜源平時代から現代を俯瞰・分かる範囲で歴史を整理・「語句」を書いてまとめる〜」の話でした。
分からない知識・暗記問題は「気持ちを切り替えて次」
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開成中で今年2025年に出題された、社会(歴史)の問題の考え方をご紹介します。
とても良い問題なので、最難関中を目指す方だけでなく、全ての受験生に取り組んで欲しいです。
原題を一部改題してご紹介しますが、ほぼ原題と同一です。
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問1の答えと、徳川将軍に関するメモが上記です。
この問1は、選択肢ではなく「語句を答える」点で、歴史の学びとして、とても良いです。
この回答を見るだけでも、幅広い視点から歴史が俯瞰されている点が良いと考えます。
問1は、おそらく「(1)が最も難しい」と考えます。
そして、前半の「紀伊・土佐・武蔵」の旧地名と現代の地名も点差が分かれそうです。
後半の「徳川吉宗」「参勤交代」などは、大勢の受験生が答えられるでしょう。
このような問題で(1)が難しいと、

いきなり(1)が
分からない・・・



困ったな・・・
う〜ん、何だろう・・・
(1)が分からないと、テンションが下がってしまう人が多いですが、ここで、気持ちを切り替えて、



もういいや!
(1)は分からないから、次!
歴史の人名や出来事は、「考えても分からない」ことがあるので、次に進むと良いでしょう。
この問1(1)の「源義家」を答えられる人は、少数派かもしれません。
歴史を学んで、騒動や戦いは「大化の改新」「壬申の乱」などがあり、「大化の改新」は分かりやすいです。
その一方で、「前九年の役」「後三年の役」は、ちょっと解りにくい面があり、



「前九年」と「後三年」って
よく分からない・・・
多くの受験生にとって、穴場になりやすいです。
今回は「前九年の役」「後三年の役」を、ざっとまとめて理解しましょう。
出来事や人物をざっとノートにまとめて理解:前九年と後三年
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そこで、「前九年の役」「後三年の役」をノートに書いて、まとめてみましょう。
筆者は「無地のノート」が望ましいと思いますが、「ある程度のガイド」があった方が整理できます。
今回も、前回に引き続き「罫線のないノート」で自由な発想で書いてみます。
1051年「前九年の役」は、勢力が強くなった陸奥の安部氏を倒すことが目的でした。
ここで、安倍氏は「阿部ではなく、安倍」であることに注意しましょう。
その「安倍を倒す」プロセスで、源頼義と出羽・清原氏がタッグを組みました。
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歴史では「ありがち」なことですが、安倍を倒したら「勝利した清原氏が巨大化」してしまいました。
そのため、中央政府としては、巨大化して態度が大きくなった清原氏を叩き潰す必要が出てきました。





清原征伐なら、
私にお任せください!
ここで登場したのが、源義家でした。
そして、1083年「後三年の役」が勃発しました。



私が、清原を
倒して参りました!
清原氏を倒すことに、大きな功績があった源義家。
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実は、源義家は源頼義の長男です。



前九年と後三年って、
源氏の親子二代の戦いなんだね。
上の「前九年と後三年のまとめ」は、非常に大雑把な感じで、細かいことは書いていません。
歴史は、どんどん広く、深く知ってゆくところに楽しい点がありますが、「大雑把な理解」も大事です。



こんな感じで、
自分でまとめられたらいいね・・・



でも、それって
難しそう・・・
「ノートにまとめる」ことに対して、「難しい」と感じる人もいるでしょう。
あるいは、「ノートはきれいに」と考える人もいると思います。
ここで、ノートは「自分なりに、自分が分かれば良い」という姿勢が大事です。
・「自分なりに、自分が分かれば良い」姿勢
・歴史の出来事などを大雑把に、ノートに書いてみる
他の時代のことも、ノートに大雑把に書いてみると理解が深まり、総復習になります。
歴史は、参考書や問題集を「見て理解」する傾向が強いです。
ところが、「見て理解」するのは、ある程度限界があり、「自分なりに理解」する姿勢が大事です。
その際に、「ノートにちょっと、大雑把に書いてみる」と良いでしょう。
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「前九年と後三年」には、あまり関係ありませんが、源氏に関して補足です。





私が、三男の
源義光です。
源義家には、源義光という優れた弟がいました。



お兄ちゃんの義光は、
八幡太郎(はちまん たろう)と名乗ったけど・・・



僕は新羅三郎(しんら さぶろう)と
名乗りました!
新羅三郎・源義光は、後に様々な人々の先祖となります。





我が武田家は、
新羅三郎・源義光の流れ!



つまり、我が武田は
超名門なのだ!
戦国大名として有名な武田信玄は、甲斐守護の名門であり、源義光の子孫にあたります。



歴史って、色々な
ところにつながるね・・・
こういうことも知っておくと、歴史に対する興味が深まるでしょう。
そして、「ちょっと歴史は楽しいかも」という気持ちで学ぶと良いでしょう。