前回は「ヘンリー・スティムソン 13〜米国とアインシュタイン〜」の話でした。

アインシュタインからの手紙
スティムソン陸軍長官を呼び出した、ルーズベルト大統領。

大変な兵器と
関係・・・



強力な新兵器
ですか?
険しい表情でルーズベルト大統領を見つめるスティムソン長官。





うむ。
まあ、これを読んでくれ。





拝見します。
ルーズベルトから「アインシュタイン博士からの手紙」を渡された手紙を読むスティムソン長官。



これは・・・
唇を噛み締めて、非常に険しい表情となりました。



ウランによる
連鎖反応・・・



うむ。
まあ、よくは分からんのだが・・・



とにかく、その連鎖反応で、
猛烈な爆弾が理論上製造可能のようだ・・・



「理論上」ですか・・・



ということは、
まだ「実現の見込みはない」と・・・



そうだ。
手紙の経緯
アインシュタインがルーズベルト大統領に出した、恐るべき内容の手紙。


実はアインシュタイン博士が、



ルーズベルト大統領に
手紙を出そう!
と考えたのではありませんでした。
ここで、一人の物理学者が登場します。


オーストリア=ハンガリー帝国出身の物理学者レオ・シラードです。
物理学と生物学の能力に優れたシラードは、数多くの発明を行い特許を得ていました。
そして、1905年にアインシュタイン博士が発表した特殊相対性理論。
続いて、1916年には一般相対性理論を発表したアインシュタイン。
「質量とエネルギーが等価である」という極めて衝撃的な方程式でした。
エネルギーと質量


数多くの優れた物理学者は、この方程式に驚愕しました。
エネルギーと質量が
等価・・・
ほんの僅かな質量が、
莫大なエネルギーに転化する・・・
そして、一部の優れた物理学者たちは気づきました。
極めて
画期的な方程式だが・・・
・・・・・
これが悪用されると
大変なことになるのでは・・・
当時のオーストリア=ハンガリー帝国は物騒であり、若きレオはブダペストを脱出します。
行き先は、ベルリンでした。
そしてベルリン工科大学へ入学したレオ。
当時のベルリン工科大学は、欧州物理学のメッカでした。
アインシュタインやマックス・プランクなどが在籍しており、「世界の物理学のメッカ」とも言える存在でした。
ナチスの台頭
大変なことに気づいた物理学者たち。
その一人がレオ博士でした。



この原理を
応用して・・・



次々と
連鎖反応が起こすことが出来れば・・・



とてつもない爆弾が
生まれることになる・・・
そして、この原理を応用することを考えたのです。
「物理学のメッカ」であり、物理学者にとっては究極の地でもあったベルリン。


ヒトラーが正式に権力を握ると、俄に危険な雰囲気が蔓延してきました。



欧州を
我が手に!



これは、
危険すぎる・・・
そしてレオはベルリンを脱出して、英国へ向かいました。
優れた能力を持つレオは、英国で最も優れたオックスフォード大学で研究職を得ます。
出張先の米国滞在中に、英国への帰国を断念してそのまま米国に亡命したレオ博士。





この原理を
応用すれば・・・



一つの都市を
一発の爆弾で吹き飛ばすことも可能ではないか・・・
そして、なんとナチスが「その究極兵器の研究をしているらしい」という情報を得ます。



!!!!!



ナチスが!!!
そして、ナチスから大勢の物理学者が亡命したとは言え、もともと「物理学のメッカ」がベルリンです。



ナチスに協力している
優れた物理学者もいる・・・



この危険極まりない
究極兵器をナチスが手に入れたら・・・



世界は
終わる・・・
アインシュタインへの依頼
「人類の危機」を感じたレオ博士は、



究極兵器を
ナチスが製造する可能性あります!



極めて危険です!
米国で様々なツテを頼って、この究極兵器の危険に警鐘を鳴らします。
しかし、亡命者に過ぎず、それほど名声が高くないレオ博士の話に耳を貸す人は少ない。



有名な
物理学者に警鐘を鳴らして貰えば・・・



・・・・・



そうだ!



アインシュタインへ博士へ
依頼しよう!
こうして、ルーズベルト大統領への手紙の作成者としてアインシュタイン博士に依頼することを決めたのでした。