前回は「日本で最も細長い半島は?〜日本最大の半島は?・「陸地から突き出た形状」の半島と大きな半島〜」の話でした。
「最も半島らしい」半島:海の間に「割って入っている」ような独特な形

とても複雑な地形をしており、多数の半島を持つ日本列島。
「半島とは何か?」に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

数ある日本の半島の中でも、「最も細長い半島」が愛媛県の佐田岬半島です。
回答例A.3方位が水(海・湖・川など)に接している陸地。
回答例B.周囲のほとんどが海・湖に囲まれている陸の土地。
「半島とは何か?」は、学術的には上のAの回答が適していると考えます。
日本語「半島」:半分島
英語「半島=peninsula」:「pæne=ほとんど」+「insula=島」
半島は英語ではpeninsulaと言いますが、「ほとんど島」というニュアンスです。
「半分島」を意味する日本語の半島は、日本語のニュアンスでは「ほとんど島」という感じは少ないです。
日本語の「半島」は、「日本列島から大きく突き出した陸地」という印象があります。

そして「最も細長い半島」である佐田岬半島は、ある意味で、「最も半島らしい」半島です。
「大きく突き出した陸地」というよりも「ニョキっと突き出した」感じの半島が佐田岬半島です。

能登半島と形状を比較すると、佐田岬半島が「とても」というより「異常に細長い」のが良く分かります。
ニョキっと突き出している佐田岬半島は、まるで海の間に「割って入っている」ような形状です。
ちょうど、太平洋から瀬戸内海に変わる地域で、「橋」のようにも見える佐田岬半島。
これまでに、筆者は四国は訪問したことがありますが、佐田岬半島は訪問したことがありませんでした。
歴史が好きな筆者が、安土城趾を訪問した話を上記リンクでご紹介しています。
筆者は、佐田岬半島に対して、「ぜひ行ってみたい」と思いました。
そこで、この「ニョキっとした半島」を、子どもと一緒の四国の旅の際に訪問することにしました。
日本で最も細長い半島「佐田岬半島」訪問

今回は、高知県と愛媛県を主に訪問する旅で旅程を組みました。
愛媛県川辺町の「昔の小学校」に宿泊した話を、上記リンクでご紹介しています。
どこかに旅に行く際は、ネットで良いので地図を見ながら「スケール感」をつかむと良いです。
「日本列島の大きな島・四天王」のうち、最も小さな島である四国。
四国は、概ね「半径100kmの円に入る」スケールです。

車で愛媛県の内陸部から、佐田岬半島を進みました。
上の写真は、佐田岬半島を半分ほど進んだ地点です。
上の写真で右に見えるのは、佐田岬半島の骨格となる島から、周囲に突き出している島部です。
上の写真で、右側が東で愛媛県内陸側、左側が西で佐田岬半島の先端側です。
海の向こうに、うっすらと対岸の島がいくつか見えます。

上の国土地理院の地図を見てみると、うっすら見える北の島は、防予諸島の島々です。
上の地図から、平群島、諏訪大島、八島などの島と思われます。

先ほどの写真の付近から、近くをアップして撮影した写真が上の写真です。
この海は、伊予灘・瀬戸内海の海で、とても青々していて綺麗です。
対岸にうっすら見える島々は、50km程度の距離で「近い」と言えば近いです。
この日は快晴で視界も良好でしたが、海上は少しモヤが掛かるのか、うっすらと見える感じでした。
「防予諸島」という島々の名称の「防予」には由来があります。

昔は、山口県南部を周防(すおう)、愛媛県を伊予(いよ)と読んでいました。
防予諸島は島々を囲む位置にあった国の名称・周防と伊予の両方から一字ずつを取って防予となりました。
このように、現代の地名やある地域の名称は、昔の国名が由来であることが多いです。
次回は、佐田岬半島の先端の灯台を訪問した話です。