過去問に取り組む姿勢〜早めに出題傾向を知る・出題問題の傾向・「取り組むべき相手」を知ること・過去問から学ぶ姿勢・「総合力を鍛える」学び方〜|中学受験

前回は「模試を最大限活用する姿勢〜気になる模試の判定・合不合判定テストの結果・合格判定と試験結果・一喜一憂しすぎない姿勢・合格判定は「一つの指標」・本番に活かす姿勢〜」の話でした。

目次

過去問に取り組む姿勢〜早めに出題傾向を知る〜

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

今回は「過去問」の話です。

中学受験において、早めに志望校の「過去問を繰り返し解く」ことは、とても良いことです。

僕の志望校は、
こういう問題を出題するんだ・・・

それは学力増進と共に「志望校の出題傾向をつかみ、理解する」につながります。

「出題される内容」は、出題者によって変わることがあります。

一方で、「問題の方向性」は学校によっては、非常に明確な方向性があることが多いです。

学校によっては、試験問題は「受験生本人の学力」以外の能力を測ろうと試みています。

志望者が、我が校の校風・カラーに
適合するか、どうか・・・

あるいは、

将来伸びる思考性の
志願者に入学して欲しい・・・

と考えて、問題を作成しているのでしょう。

志望校の出題者の方々が、「何を考えて問題を作成しているのか」を理解することも大事です。

出題者の先生が「何を考えているか」を
考えるのは、難しそう・・・

小学生にとって、「大人」である志望校の先生方の思考を理解するのは困難です。

一方で、「どういうことが出題されるのか」を知ることは、大事な視点です。

難しく考えず、過去問から「フィーリング」を感じるようにしましょう。

出題問題の傾向:「取り組むべき相手」を知ること

種子島の海(新教育紀行)

有名校の出題は、出題傾向・強いカラーがある場合が多いです。

数多くの入試問題をご存知の方ならば、「問題を初めて見た」時に、

これは〜中学校の問題では
ないか?

と類推できるでしょう。

「問題を見て、出題校が分かる」というのは、

ワインの
テイスティングをしたら・・・

ワインの
産地や年が分かる。

という名ソムリエみたいな感じです。

「問題を見て、出題校が分かる」こと自体には、大きな意味はないかもしれません。

一方で、「問題が、どの学校の校風・カラーを体現しているか」は、一定の意味があるでしょう。

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孫子の著者 孫武(Wikipedia)

「戦争の上手な戦い方」をまとめた、中国の古典「孫子」。

諸外国でも広く読まれ、戦争のみならず、ビジネスなどにも「応用が効く」とされています。

「孫子」の中で最も有名な言葉が、

敵を知り、己を知らば、
百戦危うからず!

であり、多くの方が知っています。

「知っている」のですが、この言葉は非常に深い内容を含んでおり、実行するのは難しいです。

「敵を知る」のと「己を知る」のでは、意外と「己を知る」のが難しいと思います。

「敵」ではなく「自分の未来」である「自分の志望校」。

受験という面で考えると、

この問題は、
解けますか?

あるいは、

この問題を、
あなたはどう解きますか?

と、受験生たちに問いかけてくる「取り組むべき相手」になります。

「敵」ではありませんが、「取り組むべき相手」である「自分の志望校」。

この時、孫子の言葉は受験向けに少し変えると、

「取り組むべき相手」を知り、己を知らば、
志望校合格は間違いなし!

となるでしょう。

「取り組むべき相手が何を尋ねてくるのか?」に合わせて学ぶ姿勢も、一つの学び方です。

「どこまで合わせるか」は、その志望校が「第一なのか、第二〜なのか」によります。

過去問から学ぶ姿勢:「総合力を鍛える」学び方

富嶽三十六景:葛飾北斎(Wikipedia)

「主題傾向をつかむ」ことももちろん大事なことです。

過去問を時ながら、「学び・思考力を深める」のが最も良い学習の仕方でしょう。

算数ならば、図形問題・整数問題等で「別の視点」を考えてみるのも良いでしょう。

似た補助線でも、似た視点でも良いでしょう。

解答にない解き方を自分で作ってみることは、「自分で解く力」を養成します。

受験生の方は、既に志望校の過去問に取り組んでいるでしょう。

以前解いた問題は、「解法を覚えてしまっている」かもしれません。

確かに、僕の志望校のA中学の
算数は、答え・解き方を覚えちゃった問題もある・・・

覚えている解法を繰り返すだけではなく、「初めて解く」気持ちで臨んでみましょう。

また違ったように感じられ、異なる新鮮な視点が得られる可能性があります。

文章題でしたら、数字だけを変えても良いでしょう。

同じ問題で数字だけ異なることは、本質的には「全く変わらない」ことです。

「答え」を覚えてしまっている可能性があるので、計算する過程で「考え方」を見直しましょう。

計算式を立式し計算する過程で、解く経緯で考え方を再検証することにもつながるでしょう。

社会の歴史・地理の問題では、「問題に関すること」を復習しながら学ぶと良いでしょう。

「過去問を解く」のは、単に「志望校の過去の出題問題を解いてみる」だけにしないようにしましょう。

「過去問から学ぶ姿勢」で、学ぶと「総合力を鍛える」学び方になるでしょう。

過去問に改めて挑んでみて、「考える力」を鍛える本質的学び方を深めてみましょう。

新教育紀行

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