前回は「試験本番で大事なこと〜算数は一生懸命考えた痕跡を表現して、合格へ近づこう〜」の話でした。
今回は「合格する可能性」に関する話です。
11月に多くの模試があり、その結果が返送されてきている頃だと思います。
誰しも自分の成績は気になりますし、合格判定はとても気になります。
お陰様で、この教育紀行は大勢の方にお読み頂いており、大変嬉しく思います。
多くのアクセスを頂いておりますので、教育紀行をよくお読み頂いている方は100人くらいはいらっしゃると思います。
その全ての方々に第一志望校に合格して欲しいと、僕は心から思うのです。
そのお役に少しでも立てるのであれば、嬉しく思います。
そこで、「合格の可能性」に関してです。
仮に100人の読者の方々のお子様が、第一志望校に合格する可能性が99%とします。
99%は流石に「高すぎる可能性」です。
では、「第一志望校に99%の可能性で合格するお子様が実際に100人全員合格する可能性」を考えてみましょう。

数学的な確率は、0.99の100乗ですから、計算してみますと・・・・・
なんと、約0.366=約36%です。
これは掛け算、指数関数のすごいところです。
人間的な感覚ですと
99%は、
ほぼ100%みたいなものだから・・・
100人全員合格する確率は、
70〜80%くらいかな。
と感じてしまいますね。
計算上はこれが正しいのです。
全員の方が「99%の合格率」としましたが、これは流石にかなり高いです。
仮に「全員が90%の合格率」で100人全員が合格する可能性は・・・・・
0.9の100乗=0.000026=約0.002%です!
もはや感覚的には0%です。

上記は数学的な確率上の計算であり、数学・統計学的には正しい事です。
合格判定がどうであろうと、入試本番では様々なことが起こりうるし、実際毎年起こっているのです。
一方で、上記の内容はあくまで「数学的な計算」でしかないのも実情です。
「単なる計算」でしかないのです。
この過程では大事な大前提があります。
1.合格可能性が十分に確からしい。
2.入試の内容が合格可能性を出した模試とほぼ同一である。
さらに大事な前提があります。
3.受験者である子ども・他の生徒の「模試と入試の時の学力が同一」
4.模試と入試が同様な出来である。
「合格可能性が十分に確からしく」は「ある程度正しい」でしょう。
「入試の内容が合格可能性を出した模試とほぼ同一である」は、各塾で一生懸命模試を作成していると思います。
採点方法等含めて「同一」は不可能です。
また、子ども達の「模試と入試の時の学力が同一」「受験者の模試と入試における得点が同様である」は、あり得ないです。
この2ヶ月で学力は様々変わり、入試当日の得意・不得意の科目・分野にもよります。
直前期の一生懸命総まとめを行いながら、合格の可能性は自分で引き上げて考えてしまいましょう。
合格判定が60~80%のお子様でしたら、「直前期の今頑張っているから+20%して、80~100%だから、大丈夫!」と。
ちょっと強引かもしれませんが、ネガティブになるよりもポジティブな方が全体的に良い方向になるでしょう。
合格への扉を開くのはお子様自身であり、親御様も一緒になって扉を開くのを手伝ってあげましょう。
扉の開き方は「スッと開く」のでも良いですし、「こじ開ける」でも良いのです。
お子様と親御様で気持ちポジティブに、直前期を健康的に乗り切って、大いに合格可能性を引き上げましょう。
入試当日を迎えて合格することを、心より願っております。