前回は「『志望校に登校すること』をイメージ〜合格へのお守り〜」でした。
御三家と武蔵中学・高校:似ている教育理念

今回は、武蔵中高の校風・カラーに関する話です。
僕は武蔵高校・中学校卒です。
僕は武蔵が大好きで、武蔵の学校・カラーに大きな影響を受けています。
最近は新型コロナのことがあり、同窓会・OB会がかなり減りましたが、昔は武蔵のOB会などの集まりによく参加しました。
武蔵中高というと、まずは「御三家の一角」です。
御三家同士で競っていて、
三校で仲が良くないのでは・・・
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
基本的には「三校で仲は良い」と思います。
僕は、開成も麻布も好きです。
特に開成は好きで、開成卒の親友もおり、彼らの良い意味で真面目で質実剛健な感じが好きです。
麻布も、独特で面白い人物が多いです。
卒業してだいぶ経って感じることですが、意外と「御三家」は双方で親和性が高いです。
教育に対する手法は、だいぶ異なっても「理念・考え方は似ている」と感じます。
武蔵中学校・高校と大学進学実績

写真は、10年ほど前に行った際の武蔵の校庭と校舎です。
中学受験するご家庭は、子どもの志望校に関して、様々調べて、
うちの子には、
この学校に行かせたい!
と考える母親がいらっしゃったり、
僕は、
この学校に行きたい!
と考える小学校6年生の子どももいらっしゃるでしょう。
学校を選ぶ際には、学校の校風・カラーと子ども本人の個性の相性を第一に考えたいです。
その上で、「子どもの学力・偏差値」と「志望校の偏差値」を見比べて、
うちの子は、
この学校に合格するかしら・・・
と考えるのが良いと思います。
最も大事な、学校の校風・カラー・教育理念。
現実には、中学校・高校の「出口」である大学進学実績は、大事なポイントになるでしょう。
僕が武蔵高校を卒業した頃と大きく状況が違うのは、多くの方がご存知の通り、大学進学実績の大きな低下です。
僕が卒業した直後から、グッと実績が落ち始めました。
これは
ちょっと・・・
一体、
武蔵に何があったんだ?
これは卒業生の立場からすると、「衝撃的」とも言える落ち方でした。
大学進学実績よりも教育理念・校風の方が、子どもの将来にとっては大事だと思っております。
武蔵には独自の理念・校風を堅持しつつ、大学実績も高めていただくよう願っております。
武蔵中学に向いてる子:考えることが好きな子

僕は武蔵のことは、よく知っています。
1996年に卒業して以来、武蔵中高のキャンパスにも良く行っていますし、学校の先生方も知っています。
物理部という文化部に所属していた僕。
小学校の頃から、理科や実験が好きだったので、中学1年から高校3年の春まで物理部に所属しました。
武蔵中学に「向いている子」は、どういう子でしょうか。
僕が考える武蔵中学に向いてる子は、「考えることが好きな子」です。
あるいは、「何か特定のことが好きで、それに集中してしまう」変わった子も合うでしょう。
・とにかく「考えること」が大好きな子
・趣味や好きなことに集中して、没頭してしまう子
・何か自分で勝手に考えることが好きな子
昔から有名ですが、武蔵中高はレポート課題を課すことが多いです。
また、「記述」の比重が非常に多い中学受験と同様に、学校の定期試験も「ほぼ記述式」です。
そして、「考えること」が好きで個性的な武蔵生。
個性的でありすぎるがゆえに、「選択式」の問題が苦手です。
「苦手」というよりも、選択式問題は「嫌い」です。

僕も「選択式」の試験とは、「相性が非常に悪かった」です。
得意な数学や物理でも、選択式の試験だと成績が思わしくなかったのを覚えています。
武蔵生は選択式の問題を見ると、
答えを
「この中から選びなさい」ではなくて・・・
僕が作る答え(記述)を
判断・採点して欲しいんだけど・・・
と思ってしまいます。
選択式が「大の苦手」の武蔵生にとって、大学入学共通テスト(センター試験)は、やりずらいです。
国立大学の二次試験は多くは記述式ですが、「答えのみ」や「選択式」は武蔵卒業生は苦手になる傾向があります。
1990年代後半からの「武蔵高校の大学進学実績の急落」は、このあたりにも一つの理由があると考えます。
武蔵中学に向いていないかもしれない子
一方で、下記のような子は、あまり「武蔵には向いていない」かも知れません。
・とにかく大学受験を見据えて、試験で良い点数を取りたい子
・自分で何かを表現することが好きではない、苦手な子
・レポートなど「書いてみる・描いてみる」のが、それほど好きではない子
僕たち武蔵中学・高校卒業生は、
レポートなど
「書いてみる・描いてみる」が大好き!
です。
武蔵生の頃、物理のレポートなどで、
僕は今回
30枚書いたぞ!
俺は、
40枚書いたぜ!
ええっ!
そんなに書いたの?
俺の
勝ちだ!
レポートで大事なことは内容であり、枚数はどうでも良いかもしれません。
一方で、「多くの枚数を書く」努力をすることは、学ぶプロセスで大事なことだと思います。
こういう姿勢が「合う」か「合わない」かは、子どもたちの個性によるので、良し悪しはないと考えます。
僕は、
レポートとかは、あまりやりたくない・・・
方は、武蔵中学・高校はやめた方が良いかもしれません。
また、大学進学実績を第一に考える方は、武蔵の教育理念・方法は「合わない」と考えます。
本質的考え方を重視:しっかりとした基礎
武蔵中学校志望の方は、新教育紀行をお読みいただければ、合格する可能性が大きく上がるでしょう。
また、教育理念に共通点がある中学校志望の方にも、大いに参考になるでしょう。
全ての中学校志望者の方の学力増進・合格へのご参考になればと思います。
「本質的教育から考えた中学受験」という視点から、中学受験の試験内容に留まらない論理的思考の話です。
記述式問題の多い学校志望の方は、大変役に立つでしょう。
答えのみ・選択式問題が多い中学校に対しては、基本的・本質的考え方を重視する内容です。
そして、応用力アップ・得点力アップを目指します。
最後の最後まで、子どもと親が一緒に合格を信じて、焦らずに着実に進んで行かれることを心より願っております。
「算数実践」で問題を出題しているのは、「本質的考え方」の具体的手法をご提示するためです。
図形・整数等は、基本的視点・考え方で大きく点差が出るので、重視してご紹介します。
これらで養った視点は、代数学的なニュートン算等、応用範囲が広いと考えます。
理科では、基本的なイメージや考え方の話をご紹介します。
問題を
たくさん解かなければ・・・
と考えがちな受験生。
実際、受験生たちは、非常に広い範囲の勉強をしなければならず、とても大変です。

算数・理科では、基本的な考え方・イメージは、「建物の土台・基礎」と一緒で非常に大事です。

全ての建物・建築にある鉄筋コンクリートの基礎。
この基礎が、あまりしっかりしていなかったら、上部の柱・梁をいかに頑丈に作っても大問題が発生する可能性があります。
「学びの基礎」も同様で、「しっかりとした基礎」があれば「上にどんどん積み上げて、学力をあげる」ことができます。
中学受験の早い時期に、しっかりとした基礎を作りましょう。
すると、夏休み以降秋にかけて、学力がグーッと増進するでしょう。