歴史の選択問題を解くコツ〜正しくない答えをサッと除外・現代生活と過去の生活をイメージ・「典雅な京文化」の室町時代〜|女子学院中2024年社会4・中学受験

前回は「歴史の事柄や出来事を考えるコツ〜記述の模範解答例への考え方・飲料水と都市の地形・平城京から平安京への流れと「幻の長岡京」・遷都の大きな理由〜」の話でした。

目次

歴史の選択問題を解くコツ:正しくない答えをサッと除外

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女子学院中学 入試問題:2024年 社会(新教育紀行)
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女子学院中学 入試問題:2024年 社会(新教育紀行)

続けて、室町時代に関する状況・事柄を選ぶ問題です。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

それぞれ「2つ選ぶ」問題で、こういう問題は、

これが
答えだ!

と「答えが分かる」のが望ましいですが、それほどハッキリ分からないこともあります。

この選択肢で、少し迷うように
作ろう・・・

このように、問題作成者は「適切な点差がつく」様にうまく問題を作っています。

こういう問題は、「確実に正答に至る」よりも「正しくない答えを除外する」方針が良いでしょう。

ア:備中ぐわ・千歯こきは江戸時代の農具で、新田開発が進んだのは江戸時代なので、X(バツ)です。

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戦国大名 伊達政宗(Wikipedia)

私は合戦で強かっただけでなく、
内政にも尽力したのだ!

仙台藩62万石の雄藩だった伊達家は、初代・政宗の頃から、新田開発を熱心に行ったことで有名です。

仙台平野に位置した伊達家は地形にも恵まれており、伊達家は「実高100万石以上」と言われました。

室町時代は典雅な京文化が発展しましたが、新田開発など農業や商業の発展は戦国期・江戸期以降です。

イ:農民たちが「自分たちの手で村を治めた」は室町〜戦国期の中世で、ありそうなので○です。

ウ:「戸籍に登録された」農民とありますが、さすがに室町時代に「戸籍」はないのでXです。

エ:室町時代にも飢饉はありましたが、組織的な百姓一揆は江戸時代なのでXです。

オ:「武士と農民が(結託して)大名の軍を引き上げさせた」のは、応仁の乱を思い起こさせます。

農民が軍を?
武士と結託したら出来るかな?

このように考えると、オは△です。

以上から、「室町時代にあてはまる」答えはイとオです。

この問題は、はっきりと、

室町時代だから、
イとオだ!

と、直接正答に至る方は、かなり歴史に詳しい方でしょう。

「あてはまる」は時代背景等の解釈があるので、「あてはまらない」ものをサッと除外すると良いでしょう。

「典雅な京文化」の室町時代

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

ア:雪舟と水墨画は、時代背景的に合ってそうで○です。

イ:西まわり航路と東まわり航路は江戸時代のことなので、X(バツ)です。

江戸時代:東廻り航路と西廻り航路(神宗)

現代のようにトラック・電車・飛行機がない時代、物流は海が中心でした。

何か物を運ぶことを考えると、「船が最も適していた」のが昔の時代です。

そのため、中世頃から現在考えるよりも遥かに太平洋側・日本海側で水運が盛んでした。

それでも、「東まわり航路・西まわり航路」が整備されるのは、江戸時代を待つ必要があります。

ウ:有馬焼・薩摩焼などの陶器が盛んになったのは、江戸時代頃なのでXです。

エ:「水の流れを表現する石庭」は枯山水で、これはまさに室町文化で○です。

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延暦寺:浄土院(新教育紀行)

オ:阿弥陀堂などは平等院鳳凰堂と同時期なので、室町時代よりずっと前の時代です。

 「貴族が皇族が熊野もうで」も少し古風な感じがするので、Xです。

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平等院鳳凰堂(新教育紀行)

室町時代は応仁の乱の印象も強いですが、全体的には「京都の文化」が花開いた時代です。

室町時代に対しては「典雅な京文化」の印象を持っておくと良いでしょう。

「○と考えられる」時も自信がない時は、「○にチョット?」みたいな記号を書いておくと良いです。

答えはアとエです。

現代生活と過去の生活をイメージ

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女子学院中学 入試問題:2024年 社会(新教育紀行)

次は「都市における、し尿」に関する」問題です。

問4で飲料水(上水)に関して考えましたが、今回は排泄物を含む下水の話です。

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有明水再生センター(新教育紀行)

現代都市においても、下水はインフラの中で筆頭に上がるほど超重要な事柄です。

トイレで水をジャーッと流すと、「排泄物はどこかへ消えてゆく」イメージがあるかもしれません。

実際には「消える」はずはなく、排泄物等を含んだ下水は「水再生センター」等で再生されます。

そして、「再生されてきれいになった水」は川や海に流されて、それがまた雨になって降ってきます。

この、「川や海の水が雨となって降る」のは地理的な話でもあり、理科的話でもあります。

この問題は社会の問題ですが、

トイレの水の話だけど、
自然の循環の理科っぽい話もある・・・

と、現代と室町時代の生活の実態を想像しながら学ぶと良いでしょう。

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女子学院中学 2024年 社会:考え方(新教育紀行)

トイレの話で、「いつ頃、どのような背景」で「ふさわしいもの一つ」を考えます。

ア:平安時代に「し尿の処理の規則」はなさそうなので、Xです。

イ:陶器が広がるのは江戸時代で「し尿を大きな壺に溜める」は、ちょっと不自然な気がします。

確信持ってXではなさそうなので、△です。

ウ:「し尿が農業の肥料として使われ、捨てずに活用」は、まさに日本の農業の本質ですから○。

江戸時代も「し尿は農業の重要な肥料」であり、「し尿なくして農業は成立しない」状況でした。

この「し尿を肥料」が室町時代から始まっていたかは「?」の面があるかもしれませんが、

江戸時代にはやっていたはずで、
ならば、中世には始まっていた感じかな?

何事も「一気に始まる・広まる」ことは非常に少ないので、何らかの慣習は徐々に浸透します。

「農業におけるし尿・肥料」は「室町時代頃から広まっていった」と考えましょう。

こういうことは、「知識として知っているか」ではなく、時代背景・流れから推測しましょう。

エ:「江戸時代に人口が城下町に集中」は正しいですが、「公衆便所設置」は難しそうです。

現代のように下水が完備していれば良いですが、

江戸時代に公衆便所って
維持できるのかな?

公衆便所を設置して維持管理するのは、相当ハードルが高いことで大変困難ですからXです。

以上から、答えはウです。

女子学院中2024年の第一問は、あと二問ありますが、この問6までとします。

この問題は、全体的な水・飲み水(上水)・し尿(下水)を扱っていて、とても良い問題です。

合格するためには入試で、これらの問題を「7割程度確保」する必要がありそうです。

結構難しいけど、
7割取れるかな・・・

早い時期に過去問にドンドン取り組んで、解答の説明はしっかり理解しましょう。

そして、「過去問から学ぶ」姿勢で少しずつ理解と知識を増やしてゆくと良いでしょう。

主に知識を問う過去問

・「過去問から学ぶ」姿勢で少しずつ理解と知識増強

・解答を読んで、出来れば周辺の時代背景や事柄を理解して、知識を立体化

次回は下記リンクです。

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