前回は「電気・電流のわかりやすい考え方・コツ 2〜直列電池・矢印・電圧・抵抗・N個の直列〜」の話でした。
電流の流れ・電池の役割:〜ボルトの電池

電池は「電流をエイッと持ち上げる」役目をしている話でした。
その時に、電流を持ち上げる高さを矢印で表現しました。
・長さ:電流を持ち上げる高さ(起電力)
この時、持ち上げる高さを「〜ボルト」と表現します。
単三電池は
「1.5ボルト」とかって言うね!
この「〜ボルト」が「持ち上げる高さ」の大きさ・長さになります。
基本的には、全部共通で同じと思ってください。
問題によっては、「持ち上げる高さ=電圧」が異なる電池が出るかもしれません。
この「持ち上げる高さ=電圧」などを変えるために、「直列・並列を考える」のです。
矢印を考えたら、「N個の直列=N個分の高さ(電圧)が上がる」ことが分かりました。
そのため、1.5ボルトの電池を10個直列につないだ場合は、どうなるでしょうか?
1.5×10=15ボルトの
持ち上げる高さ=電圧!
そう考えると、
電池の役割がよく分かる・・・
このように、「電池の直列は〜」と丸暗記しても良いですが、意味や役割を知ると楽しくなるでしょう。
そして、その「理科への楽しさ」は成績アップにつながるでしょう。

今回は、並列電池を考えましょう。
直列電池の時と同じように、流れる電流を描きましょう。
電池の並列つなぎ

電流が流れてきて、並列電池のところにやってきます。
すると、線が分かれているから、電流も分かれます。
直列の時と同じで、「まずは、電池がエイッと電流を流す」のです。

同じように電池が「電流を持ち上げる高さ」を矢印で描いてみましょう。
そして、それぞれの電流が、それぞれの電池によって、エイッと持ち上げられます。

電池に持ち上げられた電流は、また流れることが出来るようになります。

電流が持ち上がる高さを、水色の矢印で描きました。
直列の時と大きく違うのは、「それぞれの電流が電池一個分(矢印一つ分)持ち上げられる」ことです。

そして、この場合は、「矢印一つ分=電池一つ分が電圧」になります。
これで、「並列電池は電圧は電池一つ分」が分かりました。
・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる
対称性を考える
もう少し考えてみましょう。
並列電池のところで、電流が分かれましたが、分かれた先が同じ(対称性)です。

「同じ」なので、分かれる電流は半分になります。

すると、電池にゆく電流は半分になります。
電流を持ち上げる電池にとっては、電流が半分だと「持ち上げるのが楽」ですね。
荷物を運ぶときのことをイメージしてみましょう。

持ち上げる電流が1/2になって、電池が楽になるので、電池は2倍長持ちします。
これで、電池の直列つなぎ・並列つなぎで、もう一つ大事な性質が出てきました。
・電流は、「電池の個数分の高さ=電圧」持ち上げられる
・電池の持ちは変わらない(流れる電流が同じ)
・電流は、「電池1個分の高さ=電圧」持ち上げられる
・電池の持ちは、並列電池の個数分長くなる(流れる電流が減少する)
基本と応用・算数と理科
直列・並列ともに、それぞれ特徴があります。
こうして電流を描いて、
電池の矢印描くと、分かりやすいね。
応用問題も「基本の積み重ね」です。
算数・理科は、「基本をしっかり」すれば応用問題も出来るようになります。
応用問題は、「基本を積み重ねたり、組み合わせる」考え方でやってみましょう。
今まで、電流を描かないで、
直列・並列を公式に当てはめていた・・・
こうして、電流の流れを考えると、
イメージしやすい!
ぜひ、電流の流れ・電池の矢印を描いて、イメージしてみましょう。
また、今回「対称性」の話をしました。
対称性は、
算数の図形だけだと思っていたよ・・・
理科で
出てくるとは思わなかった・・・
正三角形で対称性の話をしました。



正三角形には3本の対称となる軸があります。
対称性は図形だけではなく、様々なところにも出てきます。

「正三角形の対称性」から「グラフの対称性」の話をご紹介しました。
このように「折り返しても同じ」という対称性の性質は、算数・理科では非常に大事です。
対称性って
見つけたら、楽しそう・・・
中学受験では少ないかもしれませんが、数式などでも「対称性」が大事な場合もあります。
このように、算数と理科を横断的に見る視点は楽しく、発展的です。
こういう考え方も知りながら、楽しく学力アップしてゆきましょう。
次回は抵抗の話をします。