エリートコースへ進んだアインシュタイン〜ギムナジウムへ進学・父の意向で大学進学目指す・軍隊のような学校生活・帝国主義のドイツ〜|アインシュタイン8・成績・中学生

前回は「アインシュタインの愛読書・通俗自然科学読本〜困難な子どもの能力判断・アインシュタインの脳の分析と成長環境・子どもの個性と好み〜」の話でした。

科学者 アルバート・アインシュタイン(Wikipedia)
目次

エリートコースへ進んだアインシュタイン

通俗自然科学読本(1873年刊)(週間100人 No.3アインシュタイン ディアゴスティーニ)

小学校で「のろま」と教師に言われたアインシュタイン少年。

周囲には、

アインシュタインは、
見どころがある。

と評価してくれる人もおり、サイエンスの本を読んで、スクスク育ちます。

アインシュタインが10歳の頃、よく遊びにきていた医学生タルムートは、

これ、良かったら
読んでみな。

とアインシュタイン少年に「通俗自然科学読本」を手渡しました。

この本が、アインシュタインの個性と能力にピッタリとはまり、

この「通俗自然科学読本」は、
とっても面白いよ!

アインシュタイン少年は、熱烈にこの本を読み続けました。

子ども向けに描かれていた「通俗自然科学読本」ですが、易しい内容ではなさそうです。

このように「子ども向けの理科・科学の本」は沢山ありますが、

この本、とっても
面白い!

と自発的に読み続ける子どもは、そうそういません。

多くの子どもたちは、親から、

これ、面白いから
読んでみな・・・

と「子ども向けの理科・科学の本」を手渡れても、

うん、
とりあえず読んでみるよ・・・

この辺は面白いけど、
なんだか難しそうだな・・・

となるでしょう。

人と接することは得意ではなかった、アインシュタイン少年。

本を読むのが好きなのが、
悪いの?

とびきり優秀ではありませんでしたが、大好きだった理科や算数が得意な少年でした。

ギムナジウムへ進学:父の意向で大学進学目指す

米国・ドイツの教育制度(武蔵中学 2022年社会)

アインシュタインの父・ヘルマンは、若い頃に数学が得意で、一種の才能を持っていました。

ところが、大きな財産のないユダヤ人であったヘルマンにとって、大学は遠い道だったのです。

アルバートには、
大学へ進んで欲しい。

と考えた両親は、アインシュタインをギムナジウムへ入れます。

当時のドイツの学校制度は、現代の日本とは大きく異なりました。

小学校の次に進む学校は、進む道によって大きく分かれていたのです。

中でも、ギムナジウムは「大学を目指すための学校」であり、エリートコースでした。

短大を含めると、日本の大学進学率は、現在男女共に58%程度です。

現代では「普通」である大学進学。

当時のドイツ・日本においては、「大学へ行くこと自体がエリート」でした。

軍隊のような学校生活:帝国主義のドイツ

14歳のアインシュタイン(図説 アインシュタイン 監修:金子務 文:千葉透 河出書房新書)

14歳のアインシュタイン。

小さな頃と似た可愛らしい少年です。

のちに大天才となるも、この頃は「少し優秀な、どこにでもいる」少年だったアインシュタイン。

ギムナジウムで、アインシュタインは青春を謳歌するはずでした。

よしっ!
中学校だ!

好きなサイエンスを
どんどん学ぶぞ!

ハイテンションでギムナジウムに入学したアインシュタイン。

でも、アインシュタインが考えていた雰囲気とは、だいぶ違いました。

生徒は教師を
尊敬しなければならない!

えっ?

威圧的な教師が多く、アインシュタインは戸惑います。

ドイツ宰相オットー・フォン・ビスマルク(Wikipedia)

ビスマルクが主導した帝国主義が濃厚なドイツの国情を反映し、軍隊のような学校だったのです。

学校では、
集団行動第一!

えっ?

どちらかというと内向的なアインシュタインは、集団行動が苦手です。

これとこれを
覚えなさい!

えっ?

さらに、「ひたすら暗記」のような教育に、アインシュタイン少年は困り果ててしまいます。

こんな
はずじゃ・・・

なんか、何かが
違うよ・・・

夢に溢れていたアインシュタイン少年は、ギムナジウム・中学校入学した途端に絶望的になりました。

新教育紀行

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