前回は「とても好ましい「小学生が描ける絵」の解答例〜描いて理解する学び・「大豆の種にはどんな部分がある?」・生物の基本+根幹の問題〜」の話でした。
回答手法が「受験生に委ねられていた」戦前の中学入試


戦前、昭和10年の1935年の中学受験の理科の入試問題です。
筆者が所有する書籍の解答例では、「絵を描いて答える」例が記載されていました。
現代の中学入試から大学入試の試験では、「絵を描くか、描かないか」は指定されていることが多いです。
出題者(戦前)大豆の種と、柿の種とを比べると、
どこが違いますか。
このように「大豆の種と柿の種の違い」を尋ねた、戦前の理科の問題。
現代の試験であれば、ほとんどの場合で「選択肢」が想定されます。
そして、現代ならば、



違いを絵を描いて
説明しなさい。
このように「絵を描いて説明」と明確に書いていない限り、



これは、文章で
答えればいいんだね。
回答者である中学受験生〜大学受験生は、文章で答え、「絵は登場しない」のが前提です。
この点では、戦前は、回答手法が「受験生に委ねられていた」点で、とても好ましいと考えます。
上の問題は、文章で答えても勿論OKと思われますが、絵の方が様々な事実を説明できるのが良いです。


理科の次の問題を見てみましょう。
かたつむり・いか・くらげ、などが登場して、それらの生き物の生態に関する問題です。



冬は地中に隠れていて、春になって
暖かくなると出てくるものはなんですか。
この問題は、現代の中学入試でも出題されそうですが、あまり見ないタイプの問題です。
生き物の生態の基本的な性質であり、とても良い問題と考えます。
現代ならば、全て(ア)(イ)などの選択肢が振られて、「選択肢で答える」形式がほとんどです。
それに対して、戦前は「言葉で答える」形式が多かったようです。
「学びの大事な姿勢」が垣間見える問題:「書いて」きちんと理解


この問題の解答例が、上です。
選択肢の問題ですが、「ア、ウ」などで答えるのではなく、「回答自体を答える」形式でした。
筆者は、「名称等を答える」場合、選択肢ではなく、このように「名称自体を答える」方が良いと考えます。
選択肢が「文章で長い」場合は、「選択肢を答える」形式で良いと考えます。


水溶液でも、電気の回路でも、ほとんどの現代の入試問題は「選択肢を回答」です。
水溶液の性質に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
例えば、「水酸化ナトリウム」が答えである場合を考えます。
この場合、「水酸化ナトリウム」と答えることは、ほとんどありません。
ほとんどの場合、「水酸化ナトリウムを指す選択肢を答える」形式です。
生き物、水溶液、などの何かの名称は、きちんと明確に覚えるには「書くこと」が大事です。
すると、試験の手法も「受験生に名称を書いて答えてもらう」形式ならば、



きちんと、
漢字も書けるようにしよう。
このように、受験生たちは「きちんと名称を書く」姿勢が身につくので良いと考えます。


「選択肢」の場合、「水酸化ナトリウム」は「すいさんかナトリウム」の理解でも良いことになります。
「水酸化」は、簡単な漢字で、ほとんどの小学六年生ならば「書ける」はずです。
その一方で、「水酸化ナトリウム」は「『水酸化』した『ナトリウム』」であることが大事です。
これは、言われてみれば「当たり前」のことですが、きちんと理解することが大事です。
大学受験で「共通一次」が始まって以降大きく流行して、いまや標準化した「選択肢問題」。
日頃の学びでは「選択肢」ではなく、「生き物や水溶液の名称を書く」を心がけましょう。



水酸化ナトリウムは、
ナトリウムが「水酸化」したんだね。
すると、理解が進み、暗記もはかどると考えます。
戦前の中学入試問題を見ると、「学びの大事な姿勢」が垣間見える、と筆者は考えます。
次回は上記リンクです。



