前回は「フェノールフタレインと色の変化〜いつも「優しいアルカリ性」・優しい女性のイメージ・コンクリートの中性化調査〜」の話でした。
においがする水溶液のイメージ:大人が飲むビールやワインのにおい
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「色の変化三冠王」リトマス紙、BTB液、フェノールフタレインを上のようにまとめました。
・酸性=危険なイメージ、アルカリ性=優しいイメージ
「危険な酸性、優しいアルカリ性」のイメージです。
今回は、「においがする水溶液」をまとめます。
今回も、罫線がないノートで自由に書いてみましょう。
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においがする水溶液に対しては、丸暗記よりも実生活をイメージしましょう。
まずは、酢酸水溶液は「お酢」なので、特有のにおいがするのは多くの人が知っているでしょう。
そして、アンモニアは日常生活で嗅ぐことは少ないですが、理科実験で嗅いだことがある人は、

アンモニアは
とっても臭かったよ!
アンモニアは物凄い臭いがするので、一度嗅いだら忘れられません。
実際に嗅いだことがなくても、「アンモニアは臭い」とイメージしておきましょう。
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そして、アルコールと塩酸もにおいがします。





お父さんがワインとか
ビール飲むと、少しにおうね・・・
大人がワイン、ビールなどのアルコールを飲んだ後は、「ちょっとにおう」経験を持つ人もいるでしょう。
このように「アルコールはにおう」イメージを持っておきましょう。
最後に、塩酸は日常生活でお目にかかることはありませんが、キツイ臭いがします。
濃度によりますが、一定の濃度を超えると、かなりの臭いです。
「劇物」指定の塩化水素とアンモニア:危険な塩酸とアンモニア水


アルコールと酢酸は、一般的な食事の席に登場し、日常生活に馴染みがあります。
それに対して、アンモニアと塩酸は、日常生活に馴染みがないので「覚えるしかない」です。



塩酸とアンモニアが
におうのは、覚える必要があるね・・・
ここで、塩酸とアンモニアは「臭いがする」だけではない話をご紹介します。
塩酸は、主に塩化水素から出来ている水溶液です。
実は、塩化水素とアンモニアは日本の法令で「劇物(げきぶつ)」指定です。
日本の法令では、危険な薬物は「毒物(どくぶつ)」と「劇物」に指定されています。



「毒物」は「毒がある」って
分かりやすいね・・・



「劇物」って、あまり
聞かないけど、危険そうだね・・・
・大人が誤飲した場合の致死量が、2 g程度以下のもの。
・法別表で27品目、毒物及び劇物指定令で106品目
毒物は、「ほんの少し飲んだら死ぬ」大変危険な物です。
・大人が誤飲した場合の致死量が、2 – 20 g程度のもの。
・法別表93品目、毒物及び劇物指定令で338品目
劇物は、毒物ほど危険ではないものの、「少し飲んでしまったら死ぬ可能性がある」危険な物です。



劇物は、20g飲んだら死
ぬ可能性があるんだ・・・



劇物って
とっても危険だね・・・
日本の法令では、93品目が劇物指定されており、塩化水素とアンモニア(濃度による)も該当します。
・塩化水素
・アンモニア
・過酸化水素
・水酸化ナトリウム
・硫酸
濃度によりますが、劇物の例が上の表です。


綺麗な白い個体の水酸化ナトリウムも、劇物の一つです。
劇物の薬品名は完全に中学受験範囲外なので、一切覚える必要はありません。
「塩酸の原料である塩化水素とアンモニアは劇物」は、知っておくと良いです。
そして、塩酸とアンモニア水は「臭う」というよりも「キツイ刺激臭がある」です。
塩酸とアンモニア水は「臭う」だけではなく、濃度によっては「具合が悪くなる」危険な水溶液です。


危険な塩酸は、酸性の赤信号のイメージそのものです。
そして、アンモニアは優しい青色のアルカリ性ですが、「におい」に関しては完全に赤信号です。
「塩酸とアンモニアは、とても危険な赤信号」のイメージを持つと良いでしょう。



塩酸とアンモニア水は
「臭う」だけでなく、有毒なんだね・・・



劇物から出来ている
塩酸とアンモニアは臭う、って覚えた!
劇物の話も簡単に知っておくと、水溶液の理解が深まり、覚えやすいと思います。
・酢酸水溶液(お酢の酸っぱいイメージ)
・アルコール(お酒のイメージ)
・アンモニア(怖い「劇物」で、刺激臭のイメージ)
・塩酸(怖い「劇物」の塩化水素から出来ていて、刺激臭のイメージ)
次回は「電気を通さない水溶液」 のまとめです。
次回は上記リンクです。