前回は「回答手法が「受験生に委ねられていた」戦前の中学入試〜「学びの大事な姿勢」が垣間見える問題・「書いて」きちんと理解〜」の話でした。
理科の「物・物質の性質」を問う入試問題:「時計のふりこ」の働き

戦前の理科の入試問題では、選択肢問題は、「回答自体を答える」形式が多いことが特徴です。
筆者は、戦前の中学入試〜大学入試を多数所有していますが、「選択肢を答える」問題は極めて少ないです。
「選択肢の単語を答える」形式は少数ながらありますが、「あ」や「イ」などで答える問題はほぼ見かけません。
「選択肢を答える」問題は極めて少ない、というよりも、「ない」に近いです。
ここで「ない」と断定することは非常に困難ですが、現時点で「見たことがない」です。

続けて、理科の第三問を見てみましょう。
出題者(戦前)「時計のふりこ」は
どんな働きをしますか?



「電話の送話器の炭素の粒」は
どんな働きをしますか?
「時計のふりこ」などの「働き」を説明する問題です。



「時計のふりこ」って
何?
現代の小学生は、「時計のふりこ」は知らないかも知れません。
昔の時計には「必ず必要だった」振り子。
現代では、ほとんどがデジタルとなったため、時計には「ふりこがない」ことがほとんどです。
「電話の送話器の炭素の粒」は、筆者の世代も「??」となってしまいそうです。
筆者が小学生の頃まで、「ダイヤル式電話機」は一般的でした。
「固定電話」自体が消えつつある現代ですが、現代の固定電話は全て「プッシュボタン式」です。
そのため、この問題は「現代の入試問題にはなりにくい」問題です。
その一方で、理科の「物・物質の性質」を問う問題は、とても良いと考えます。
「なんらかの性質や働きが根幹」の理科:「働き」を学ぶ姿勢


上の写真が、同問題集に記載された解答例です。
「ふりこのある時計」は、現代の小学校〜高校には置いてあるのでしょうか。


「学校にもよる」と思いますが、学校に一つくらいは「ふりこのある時計」が欲しいと考えます。



一つのふりこが振動する時、
周期(一回行って戻る時間)は常に一定なので、



「ゼンマイ」が戻って、歯車が回転する
速さを一定にする働き。
解答例を現代風に書くと、このような解答例となります。
「振り子の問題」は、現代の中学入試でも「頻出問題」の一つです。


「振り子」は、「てこ」より出題頻度は低いですが、実験問題などが多いです。
「太さが一様ではない棒」に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
現代の理科は、「振り子」「てこ」「電気」など登場しますが、「なぜ登場するか」が不明が多いです。
とにかく、「ある状況が設定」のもと、「問題を解く」ことが多い理科の問題。
ところが、理科は、そもそも「なんらかの性質や働きが根幹」です。
この点から、この問題のように「なんらかの機械等における働き」を問う問題は非常に良いです。
「時計のふりこ」は、現代ならば、「写真などを出して出題」の可能性はあると考えます。
あるいは、「知らない」「見たことがない」小学生向けに、写真と機構を説明の上、



それでは、この「時計のふりこ」は
どのような働きをしているでしょうか?
このような出題は「あり得る」と考えます。
現代でも一般的な機械、器械、機構において、「ものの働き」は多数存在します。
これらの題材を学ぶのは難しい面もありますが、「ものの働き」を意識して学ぶ姿勢は大事です。
ぜひ、「ある状況」の問題を解くときは、「ものの働き」を少し意識してみましょう。
すると、理科の学びが楽しくなり、より理解が進むと考えます。


