前回は「学校で習うことを実生活で体験〜ジャガイモとタマネギの成長を観察・植物の成長を計測〜」の話でした。
「歩く速さ」と「走る速さ」の具体的なイメージ
今回は身近な「速さ」の話です。
高校生から大人の方が歩いたり、走ったりする速さを考えてみましょう。
歩くのは、
みんな大体同じだけど・・・
すごく早く
走る人がいるよ!
小学校高学年になると、学年に一人か二人くらいは「異常に早く走る」方が出てきます。
僕が小学校5、6年生の時は、いつも走ると早い同級生のT君がいました。
なぜ、いつも
T君があんなに早く走れるんだろう・・・
同じ人間なのに、
こんなに違うんだ・・・
子ども心に、いつも不思議に思っていました。
水泳でも小学校高学年になると地区大会に出るような方は、すごいスピードです。
小学校の時に、一つ学年が下の地区大会出場のI君のクロールを見て、衝撃を受けました。
何、
この速さ?
「ものすごいスピード」だったのです。
すい〜、すい〜
・・・・・
もう「スイスイと進む」というより「スイスイと突き進む」感じでした。
25mプールをす〜っとクロールで泳ぐと、あっという間に、もうリターンしていました。
どうやったら、
こんなスピードが出るんだろう?
歩く速さも個人差があり、走る速さは大きく異なります。
「大人の平均的な速さ」を考えてみましょう。
歩いたり走る時速はどのくらいか、具体的に考えてみましょう。
一般的には、だいたい歩く速さ=約4km/h(時間)、走る速さ=約8km/h(時間)です。
走る速さは
歩く速さの2倍くらいなのね・・・
確かに、
それくらいかも!
「走る速さ=歩く速さの約2倍」というイメージを持つと良いでしょう。
「電車の速さ」と比較
それでは、「電車の速さ」と「人が歩く・走る速さ」を比較してみましょう。
電車は一般的な街を走っている在来線で、最高速度を考えてみましょう。
在来線の一番前に行って、「運転手さんと同じ視線」で電車が走るのを見てみましょう。
普通、電車に乗ると「側面の風景が横に流れる」光景です。
それに対して、「運転手さんの視線」は「前面に広がる風景が後に流れる」光景です。
この二つの光景は全然違うので、大人が見ても面白いです。
未就学児〜小学校低学年くらいの子どもは、ぜひ大人と見てみましょう。
僕、パパと
一番前の車両から見たことがある。
なんか、
全然違う、と感じた。
「同じように電車に乗っているのに、光景が全然違う」という体験は大事です。
「何が違うのか?」を考えてみるのも良いでしょう。
上の図では、速さを「矢印の大きさ」で表現しています。
「走る速さ=歩く速さx2」なので、矢印の長さも2倍になっています。
それならば、
電車の速さの矢印が短いのではないかな?
もっと、グ〜っと
長くなるはずだね!
電車の速さは「かなり早い」ので、矢印がすごく長くなります。
「同じ人の走る・歩く」に対して「矢印の長さ」を相応に変えて、電車はイメージしてください。
大きめの白い紙などに「思い切り長い矢印を描いてみる」のも良いでしょう。
電車の動きを観察:「だいたい」が大事な理科の現象のイメージ
電車は止まっていると、時速0km/h(時間)です。
そして、駅から動き出すと徐々に速さが増してゆきます。
最前線の車両で運転手さん越しに光景を眺める時、運転手さんの前にある速度計も眺めてみましょう。
速度計がグーっと動いて、どんどん速さが早くなります。
この時、運転手さんが速さを上げるために「レバーをグーっと前に動かす」動作をします。
ある程度速さ(スピード)が出ると運転手さんはそのレバーを止めて、最高の速さを保ちます。
その時、速度計も一定の速さになります。
在来線の駅と駅の間の距離によりますが、東京都内だと3分程度が多いです。
すると、最高の速さで走るのは1分程度が多いでしょう。
この時、最高の速さは80〜85km/h(時間)くらいになります。
ここでは、在来線の電車の「最高の速さを約80km/h(時間)」として考えてみましょう。
やっぱり、
電車って速いね!
時速80kmって
結構速い!
「速い!」と感じることも大事ですが、「具体的にどのくらい速いのか?」を考えましょう。
電車の最高の速さは、大体「歩く速さの20倍、走る速さの10倍」です。
10倍、20倍という
のは分かりやすいね・・・
人の速さと
電車の速さは、こんなに違うんだね!
このように、具体的な数字を考えるとき、「何倍くらいかな?」と考えると良いでしょう。
その時、厳密に割り算しても良いですが、「大体の計算」でも良いでしょう。
「大体何倍くらい」という尺度を持つと、色々なイメージが湧いくるのが実感されます。
「電車の動き」は日常生活の中でよくみる光景で、踏切などで電車が横切るのをみることも多いです。
このように「身近な日常生活」で観察してみると、面白いことが多いです。
そして、「観察する力」も増強されるでしょう。
小学校高学年・中学受験の理科では、天体を習います。
天体の問題は、なかなか難しいので「点差が開きやすい分野」です。
ぜひ、絵を描いて理解するようにしましょう。
そして、天体など「ものすごく大きなもの」をイメージする時には、「だいたい」が大事です。
理科の現象を学ぶときは、
だいたい、
このくらいかな・・・
このイメージは、
大体〜倍くらい、と考えよう・・・
と考えるとイメージがつかめます。
すると問題も解けるようになり、好奇心が湧いてきて、ますます問題が出来るようになるでしょう。