前回は「桐野や篠原を説諭した西郷隆盛〜「決起の同意を迫った」弟子たち・「私学校」薩摩軍団が運営した鹿児島・「水と石」だった西郷隆盛と島津久光〜」の話でした。
「雲隠れ」した西郷隆盛:西郷の説得拒否した愛弟子たち

1877年に勃発した、「大内戦」西南戦争の報道が、上の東京日日新聞(1877年2月10日)です。
東京日々新聞以前より、右の
暴徒は西郷氏に迫り・・・



是非とも同意致されよと
切迫に激論したけれども・・・



同氏(西郷)は一向に
同意せられず・・・



却て色々と
説諭されたけれども・・・



暴徒の勢も亦
止まるべからずと察せられしや・・・
「西郷の弟子たち」であった、薩摩・私学校の生徒たち。



決起などしては
ならぬ!



おはんら!
おいどんの言うことが聞けんのか!
西郷は、暴徒となった私学校生徒たちを「説得」に奔走しました。
ところが、かつての愛弟子たちは「聞く耳をもたない」ようになっていました。



西郷先生!
もはや、やるしかありません!



西郷先生!
大久保たちを倒しましょう!



おいどんの言うことを
聞かなくなってしまった・・・
1828年生まれの西郷隆盛は、1877年当時、49歳になる年齢でした。
対して、篠原は9歳年下の40歳、桐野は11歳年下の38歳になる年齢でした。



・・・・・



どこへと跡を
匿されたりと・・・
どうしても「説得に応じない」桐野や篠原に対して、西郷は「雲隠れした」ことを伝えています。



おいどんが、いなければ
決起には踏み切れんだろう・・・
決起するには、大義名分と「神輿」が必要です。
この「神輿」に西郷がならない限り、桐野や篠原がいくら強かろうと「あっという間に鎮圧」でした。
幕末維新で、策謀の限りを尽くした西郷隆盛は、当時「戦争の本質」を最も理解した人物でした。
暴徒と一線画した「薩摩王」島津久光:裏切った愛弟子・大久保一蔵


1871年の廃藩置県から6年経過し、既に「薩摩王」又は「薩摩の帝王」ではなくなっていた島津久光。



あの明治維新というのは
一体なんだったのだ?



そもそも、私は別に幕府を倒すことを
望んでいたのではなかった・・・



しかも、大嫌いな西郷はともかく、
一蔵(大久保)まで、私を裏切りおった・・・


幕末、確かに、「討幕の密勅」を受けて、西郷や大久保に「薩軍の指揮権」を委任した久光。



おのれ・・・
西郷と一蔵めが・・・
ところが、明治維新後「異様なまでに急速に欧化」する明治政府に対して、怒りをぶつけ続けていました。



奴等は、我が国の伝統文化を
なんと心得ておるのだ?



洋服なんぞ、
着られるか・・・
そして、久光の「愛弟子」であった大久保一蔵は、大久保利通と名を変えて、久光の上になりました。
討幕の密勅に関する話を、上記リンクでご紹介しています。



なぜ、一蔵が、
この私の「上」なのだ?



冗談では
ないわ!!!
明治維新以来、怒り心頭だった久光は、廃藩置県で怒りを爆発させました。
まだまだ隠然たる勢力を持っていた旧藩主・島津久光に対しては、



久光様・・・
左大臣にご就任下さい・・・
政府の極官である「左大臣」の地位を与えるなど、明治政府は懸命に「懐柔」を試みていました。



左大臣など、
笑止千万・・・
そして、一応「懐柔されて」左大臣に就任した久光でしたが、すぐに辞任してしまいました。
兄・島津斉彬と比較され、「暴君」「暗君」と表現されることが多い島津久光。
筆者は、島津久光は、相応の教養と能力を有した「第一級の人物」と考えます。



大体、あの「討幕の密勅」は、
本物だったのか?



天子様が、討幕を本当に
望んでいたのであろうか・・・
おそらく、当時、島津久光は「討幕の密勅」の秘密に気づいていたでしょう。



また島津久光公も今度の
暴挙に敢えて興せられず・・・
そして、島津久光の勢力に対しては、きちんと報道がなされています。



明治政府は大嫌いだが、
暴徒と一緒、になどなるか!



そもそも、この私が
「西郷と一緒」になるはずがないだろう!



西郷とかつての
藩士どもが暴挙、か・・・



一体何がどうなって、
こんな事態になった、というのだ・・・



只同県の過激の徒は
不平に任せて斯る挙動に及びたるまでなりと・・・



昨日該県(鹿児島県)より出京の
官吏何某の確報を得たれば・・・



本日、新聞の附録として
速に報道す・・・
どうやら、「該県より出京=鹿児島から東京へ」の何者かが、確報を新聞社に伝えたようです。
そして、「新聞の附録」というのが、現在における「号外的扱い」なのかもしれません。
とにかく、日本中が鹿児島の動向を注目していたことを、当時の新聞が明らかにしています。


特に「薩摩の暴徒」と「説得する西郷」の動向、を。


