「大化の改新は何年前?」と尋ねる戦前中学入試〜歴史と現代の視点・大化の改新の「真の意味」・「何が変わったか?」の理解が大事な歴史〜|昭和初期の中学入試問題12・昔の中学受験

前回は「理科の「物・物質の性質」を問う入試問題〜「時計のふりこ」の働き・「なんらかの性質や働きが根幹」の理科・「働き」を学ぶ姿勢〜」の話でした。

目次

「大化の改新は何年前?」と尋ねる戦前中学入試:歴史と現代の視点

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1935年度 大阪府立住吉中学校入学試験問題:算数(全国入学試験問題 受験研究社、新教育紀行)
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1935年度 大阪府立住吉中学校入学試験問題:理科(全国入学試験問題 受験研究社、新教育紀行)

戦前の昭和10年度(1935年度)の大阪府立住吉中学校の入学試験の算数、理科をご紹介しました。

現代の視点から見れば、算数は極めて易しい問題で、理科はかなりハイレベルな問題でした。

出題者(戦前)

「時計のふりこ」は
どんな働きをしますか?

特に、理科の問題において「どんな働きをするか?」を記述で回答を求める問題は良いです。

こういう出題は、現代の中学入試では、あまり見かけないように感じます。

筆者は1990年に中学入試を受験した世代ですが、1990年頃も「あまりなかった」と感じます。

携帯、スマホが登場し、AIが隆盛を極めているようにも見える現代。

どんどん「デジタル化」が進んでいますが、「リアルな世界」は絶対に消えません。

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松本市時計博物館(新教育紀行)

現代は、「振り子時計」にピンとこない小学生〜高校生もいらっしゃるかもしれません。

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1935年度 大阪府立住吉中学校入学試験問題:理科解答例(全国入学試験問題 受験研究社、新教育紀行)
女子小学生

理科で勉強した
「振り子」を使っているんだね!

昔の時計など、「機械の仕組」は全て理科の原理が関わっています。

身近な機械、現象などに興味を持つことは、学習への意欲を高めます。

ただ、「身近な機械、現象などに興味を持つ」と、「すぐに成績が上がる」事には、なかなかなりません。

男子小学生

成績が上がらないなら、
そういう余裕はないかも・・・

小学生である中学受験生は、「身近な機械、現象などに興味を持つ」余裕はないかもしれません。

ぜひ、中学に入った後は、「身近な機械、現象などに興味を持つ」姿勢を少し持ってみましょう。

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1935年度 大阪府立住吉中学校入学試験問題:社会(全国入学試験問題 受験研究社、新教育紀行)

今回は続いて、社会(歴史)の出題を見てみましょう。

出題者(戦前)

大化の新政について、
次の問に答えなさい。

現代、一般的には「大化の改新」と呼ぶ「大化の新政」に関する問題です。

出題者(戦前)

何天皇の御代に
行われましたか。

出題者(戦前)

また、それは今から
約何年前ですか。

冒頭から、「大化の改新の時の天皇と、起きたのは何年前?」と尋ねました。

「何年前?」と尋ねる姿勢は、面白いと感じます。

それは、「いつ?」よりも、「歴史と現代の関連性」を考えるきっかけになるからです。

大化の改新の「真の意味」:「何が変わったか?」の理解が大事な歴史

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蘇我入鹿を倒す中大兄皇子(国史画帖大和櫻、新教育紀行)

歴史の出題では、

出題者

下記の四つの出来事を
古い出来事から順に並び替えて下さい。

このように「並び替えしてください。」という出題が多いです。

歴史の「並び替え問題」に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

「並び替え問題」は、「何年?」と考えるよりも「歴史の流れ」を考える姿勢が良いです。

出題者(戦前)

新政にて、手柄のあった
方々の名を挙げなさい。

「手柄のあった方々」を答える出題も、現代では少ないです。

現代ならば、

出題者

大化の改新で、天皇側で
大きな貢献をした人物は誰ですか?

このような出題は、比較的よく見かけます。

中臣鎌足は、「中臣鎌子」という名前でもあった話を上記リンクでご紹介しています。

出題者(戦前)

どんなに
改められましたか。

最後は、大化の改新の結果「どのように変わったか」を問うています。

「どのように変わったか」は、ある程度答えに幅が考えられます。

現代の視点から見て、前半の「事実を答える」出題は、平均的レベルです。

後半の「どのように改められたか」を記述で答えるのは、かなりハイレベルと考えます。

読者の皆さんが中学受験生ならば、ここで一息止まって「大化の改新の成果」を考えてみましょう。

出来れば、記述で「大化の改新の成果」を3〜4ほど、書いてみましょう。

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1935年度 大阪府立住吉中学校入学試験問題:社会解答例(全国入学試験問題 受験研究社、新教育紀行)

書籍に記載されていた解答例をご紹介します。

上記回答を現代風に改めると、下記の通りになります。

1935年度 大阪府立住吉中学校入学試験問題:解答例

イ:孝徳天皇の時代 約1380年前(年数は、2026年現在から)

ロ:中大兄皇子、中臣鎌足

ハ:1.豪族たちが自由にしていた面があった、土地と人(人民)を朝廷の支配下とした。

2.初めて年号を定め、「大化」とした。

  3.租税・納税を定め、朝廷の運営がしやすいようにした。

  4.中国(支那)の制度を元に、様々な制度を改めた。

ロは「藤原鎌足」でも良いかもしれませんが、藤原になったのは「改新後」なので、「中臣」の方が良いです。

大化の改新で、最も大事な点は、上の答えの「ハの1」です。

大化の改新に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

「大化の改新とは何か」解答例

解答例A:中大兄皇子が蘇我氏を滅亡させ、豪族中心の政治から天皇中心の政治とした事件。

解答例B:中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅亡させ、豪族たちが好き勝手にやっていた状況を、朝廷中心にした事件。

模範解答例:中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅亡させ、豪族たちによって分散していた政治権力を天皇及び朝廷中心の権力に集約し、時代を転換させた事件(出来事)。

歴史の学習で、「何年?」を学ぶ出来事の中で、最も大事件とも言える大化の改新。

そして、現代は「令和」である年号を「初めて定めた」のが「大化」でした。

年号開始年天皇
大化645孝徳天皇
白雉650孝徳天皇
朱鳥686天武天皇
初期の年号と天皇

つまり、「大化」は「日本の最初の年号」です。

試験では出題されないかもしれませんが、「大化は最初の年号」と知っておくと良いでしょう。

上の表で、「白雉」の後に「年号が不在だった時代がある」説が有力です。(諸説あり)

大化の改新に関して、内容をきちんと理解しておきましょう。

男子小学生

大化の改新は
645年!

このように「出来事と年を丸暗記」だけではなく、歴史は「出来事の流れ」が大事です。

ただ「出来事と年を丸暗記」ではなく、「何が起きて、何が変わったか?」を理解すると良いでしょう。

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