前回は「米国から急遽帰国した岩倉使節団大幹部は誰?〜稚拙な政府だった明治新政府・外交の常識「全権委任状」不備〜」の話でした。
大化の改新とは何か?:中大兄皇子と飛鳥時代

今回は、大昔の歴史の復習です。
歴史の学習を始めると、縄文時代、弥生時代と続きます。
そして、人名が急に増えるのが飛鳥時代です。
「中大兄皇子」という人物が登場し、予備知識がない人は、この人の名前を読むのは困難です。
「なかのおおえのおうじ」という名称の人物に対して、少し不思議な感覚を持つ人も多いでしょう。
小学生の頃、「歴史大好き」だった筆者も、
小学生の筆者なんだか不思議な
名前だな・・・
「中大兄皇子」の読み方に対して、「不思議な名前」と感じたのを覚えています。



大化の改新では、
鎌子(鎌足)と政道を正した!
歴史では、様々な年号を覚える必要がありますが、「大化の改新=645年」は必須の知識です。
現在2025年から見ると、1380年前のことであり、まさに「大昔」の出来事でした。
大化の改新とは、どのような出来事ですか。
当時の時代背景も踏まえて、簡潔に説明して下さい。
今回は、「大化の改新とは何か?」を具体的に考えてみましょう。
歴史の出来事と意義を考える姿勢:「改新」の本質


中大兄皇子と共に、大化の改新を成し遂げた中臣鎌足。



実は、私は昔は
「中臣鎌子」という名前でした・・・
細かな知識ですが、中臣鎌足は「中臣鎌子」と名乗っていた時代もありました。



大化の改新に
大いに協力してくれた鎌足・・・



鎌足には、「藤原」の姓を
与えよう!



はっ、
有難き幸せ!



今日から、私は
藤原鎌足と名乗ります!
そして、飛鳥時代から平安時代にかけて「最強公家」となり、現代にも続く藤原氏が誕生しました。
大化の改新は誰でも知っている基礎知識ですが、「時代背景も踏まえて」が大事です。
そもそも「改新」という言葉がついている、この大事件。
単なる出来事を超え、「改新=改まり、新しくなったこと」があるはずです。


A.朝廷側が蘇我氏を滅亡させた出来事。(1点)
B.中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我えみし(蝦夷)と蘇我入鹿を倒した事件。(1点)
C.中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅亡させ、権力を握った事件。(2点)
D.中大兄皇子が蘇我氏を滅亡させ、豪族中心の政治から天皇中心の政治とした事件。(3点)
E.中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅亡させ、豪族たちが好き勝手にやっていた状況を、朝廷中心にした事件。(3点)
模範解答例:中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を滅亡させ、豪族たちによって分散していた政治権力を天皇及び朝廷中心の権力に集約し、時代を転換させた事件(出来事)。
Aは、大化の改新の内容を示していますが、時代背景に全く触れていないので1点か✖️です。
Bは、個人名が記載され、より具体的ですが、「蘇我氏滅亡」が大事であり「倒した」は中途半端です。
歴史では「倒した=殺した」、または「倒した=政治的に抹殺した」です。
大化の改新では、文字通り蘇我蝦夷と蘇我入鹿が殺されているので「倒した」は曖昧です。
歴史の個人名は、「原則として漢字が望ましい」ですが、「蝦夷」は難しいので「えみし」で良いでしょう。
Cは、時代背景に触れていますが、「権力を握った」ことの具体的内容が欲しいので2点です。
Dは、具体的内容が記載され、時代背景が記載されているので3点です。
Eは、「好き勝手に」という記載に賛否両論ありますが、分かりやすいので3点です。



この「好き勝手」は
分かりやすいけど・・・



もう少しちゃんとした
書き方の方が良いのでは?
この「好き勝手に」という表現に対して、採点者がどのような姿勢を取るかは、採点者次第です。



文章としては、
少し平易だが・・・



「好き勝手に」は、
本質的表現でもある・・・
大学受験以降では、「もう少しきちんとした表現」が良いですが、中学受験〜高校受験はOKと考えます。



ここは、こういうことだけど、
どう書こうかな・・・
「書きたいこと」が分かっていても、表現が難しいと思う時があります。
そういう時は、「まずは書いてみる」のが良いでしょう。
模範解答例は少し文章が長く、多数の内容が盛り込まれています。
そのため、あくまで「模範」であり、中学受験ではここまで書かなくて良いです。
天智天皇、藤原鎌足に関する問題は、上記リンクも参考にして下さい。


