推測と推理を楽しむ経験〜「出来る」と「実際にやってみる」こと・手を動かす大事さ・好奇心や興味のきっかけ・武田信玄の貝殻数え・大量の貝殻と軍略〜 |朝顔の種4・未就学児・小学生・理科の教育

前回は「子どもと朝顔の種を数える体験〜 グループに分けて数える・「かたまり」をつくる・「動画を見る」ことと「実体験から得られる」こと・子どもの好奇心育成〜」の話でした。

目次

「出来る」と「実際にやってみる」こと:手を動かす大事さ

朝顔の種を数える(新教育紀行)

バルコニーで枯れていた朝顔から大量の種を収穫しました。

朝顔の種(新教育紀行)

元々は僕が「処分する寸前」で、僕にとっては「ゴミの山」でしたが「宝の山」になりました。

これは処分して
良いのかな?

これは
朝顔の種だよ!

朝顔の種(新教育紀行)

そして、せっかくなので朝顔の種を一つ一つ丁寧に収穫しました。

朝顔の種を数える(新教育紀行)

そして、子どもと一緒に223個ある朝顔の種を地道に数えてみました。

小学校低学年以上の方ならば、この数の種を「数える能力」を持っているでしょう。

「能力」はあっても、「実際にやってみる」ことは「なかなかない」のが多いのが現実です。

この種の数が、500個、あるいは1000個であっても、少し忍耐があれば、

数が
多くても出来るよ!

実際に
やるかどうかは別だけど・・・

たくさんの種の数を数えたところで学力が上がるわけでも、テストの点数が上がるわけでもありません。

その意味では、「なんの意味もないこと」かもしれません。

一方で、

やれば、
出来る!

ことを、

必要がないから、
やらないだけ・・・

では、一生懸命学んでいることも「机上の空論」になってしまうこともあります。

算数の問題でも理科の実験でも、動画などをみて「分かったつもり」ではなく「実際にやってみる」が大事です。

実行が非常に難しい、お金がかかる、などの実験は「動画を見てイメージする」のも大事です。

武田信玄の貝殻数え:大量の貝殻と軍略

戦国大名 武田信玄(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

戦国大名 武田信玄(当時は晴信)がまだ十代くらいの若き頃、「貝殻の逸話」があります。

ある日、信玄(晴信)のもとに、たくさんの貝殻が贈られてきました。

たくさんの
貝殻だな・・・

おい、
この貝殻の数を数えよ!

本来ならば「自分で数えれば良い」のですが、信玄は甲斐の国主の長男です。

いわば「殿様」であるため、「そういうことは、家臣(小姓)にやらせる」のでした。

はっ!
数えます!

信玄の小姓(側で控え、身の回りの世話をする家臣)は、一生懸命数えます。

これで、
1,000個・・・

ふう〜
結構大変だな・・・

おい、
ちょっと手伝ってくれ!

いいぜ!

あまりの数の多さに、小姓は他の小姓を呼んで、一緒に数えます。

これで、
2,000個だな。

まだまだ
あるな・・・

若殿(信玄)は、
なんでこんなこと、俺らにやらせるんだ?

さあな・・・

そして、やっと数え終わりました。

3,784個だな。

疲れたな・・・

とりあえず、若殿に
報告してくるよ・・・

数えたか?

はっ!
3,784個です。

分かった。
よくやった!

下がってよし・・・

ここで、数えて満足した信玄でしたが、

いや・・・
ちょっと待て!

はっ!
なんでございましょうか!

ちょっと
侍大将たちを呼んでこい!

はっ!
すぐに!

推測と推理を楽しむ経験:好奇心や興味のきっかけ

武田四天王:左上から時計回りに山県昌景、高坂昌信(春日虎綱)、内藤昌豊、馬場信春 (歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

当時の戦国大名の侍大将とは、実際に合戦の際に前線で指揮する非常に重要な家臣です。

第二次世界大戦の日本海軍における「司令官相当」と考えて良いでしょう。

信玄はまだ若かったので、上記の「武田四天王」はまだ未形成です。

そして、父親である信虎が国主であり、当時の信玄(晴信)にはまだ大した権限がありません。

そして、甘利虎泰・板垣信方の二強もまだ健在です。

ここでは、仮に「彼らのような重臣・重役が呼ばれた」と考えてみます。

大量の貝殻を侍大将たちに見せた信玄。

おい、この貝殻の数は
どのくらいあると考える?

侍大将たちは、

別に貝殻の数など、
どうでも良いが・・・

若殿(信玄)の
命令だ・・・

「どうでも良いこと」と考えながらも、侍大将は考えます。

「信玄の問い」に過ぎませんが、若殿といえども当時の世界では「命令」です。

さて・・・・

非常に
たくさんありますな・・・

10,000個
くらいでしょうか・・・

いや、15,000個
くらいあるのでは・・・

これを聞いた信玄。

はっはっはっ・・・

実は、3,700個
余りだ・・・

3,700・・・

全然
違いましたな・・・

ここで、若き信玄は、

合戦でも
同じかもしれんな。

3,700の軍勢を
出陣させれば・・・

敵は10,000とも
15,000とも考えるかもしれぬ・・・

まあ、軍略・采配次第
だが・・・

「若き信玄の聡明さ」を示す逸話です。

この話は「後世の作り話」の可能性が高いですが、興味深い話です。

そもそも、山国の甲斐で「貝殻が大量にある」のも不自然ではあります。

このように「数を数えること」でも、推理・推測が加わると変わります。

見方によっては「面白い」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

私、武田信玄のことは、
よく知らないけど・・・

この話は
面白いと思った・・・

ざっと「推理してみる」「推測してみる」姿勢を算数や理科で持つと興味が湧くでしょう。

そして、

こういうことかな?
違うかな?

と考えることは、好奇心や興味につながり「本当の学ぶ力」につながってゆくでしょう。

社会や国語でも、そういう「推理・推測」で視界が開けることがあるでしょう。

新教育紀行
岩倉使節団に関するオリジナル問題(新教育紀行)

上の写真の「A,B,Cの人物を答えよ」という問題を考えましょう。

これは「知らないと出来ない」タイプの「暗記問題」と考えられがちです。

理科や社会で大量の知識を学ぶ小学生や中学受験生。

あっ、これは
知らないから出来ない!

「知らない問題」に対しては、「知らないから出来ない」と考えてしまいがちです。

知らなくても「考えれば解ける」知識を問う問題もあるので、「考える姿勢」を身につけると良いでしょう。

新教育紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次