前回は「化石とは何か?〜「何かが変化した石」?・巨大な化石がたくさんある三笠市立博物館・化石発掘が少ない日本〜」の話でした。
具体的な性質を「理科的にイメージ」して理解:沢山ある理科の暗記

理科は、本来は「何らかの現象を理解する」学問と筆者は考えます。
中学受験で、かなり頻出の天体の問題は、難しい問題も多いです。
天体の分野は、暗記項目は比較的少ないですが、星の名前や星座などを覚える必要があります。

酸性・アルカリ性・中性に関する、様々な性質も頭に入れておく必要があります。
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リトマス紙、フェノールフタレイン、BTB溶液などは「暗記必須」ですが、イメージも大事です。
上の例のように、フェノールフタレインの「ピンク色(紫色)」は、アルカリの優しいイメージが良いです。
フェノールフタレインの反応に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

上の写真は、フェノールフタレインをコンクリートに掛けて「中性化調査」した際の写真です。
中学受験では「フェノールフタレインは、アルカリ性に対しては赤色」という説明が多いです。
筆者は、上の写真から「フェノールフタレインは、アルカリ性に対しては紫またはピンク」と考えます。
「机の上の実験」の実験問題が多い中、この「中性化反応」のような話題も今後登場するかもしれません。
A.ろうそくの炎を水素のビンに入れたら消え、酸素のビンに入れたらよく燃えて、二酸化炭素のビンに入れたら消える。(1〜2点)
B.ろうそくの炎を水素に入れたら消えて水素が燃え、酸素のビンに入れたら盛んに燃えて、二酸化炭素のビンに入れた直ちに消える。(2〜3点)
C.ろうそくの炎を水素のビンに入れたら消えて、水素が燃えるがビンから取り出すと再度点火し、酸素のビンに入れたら盛んに燃えて、二酸化炭素のビンに入れた直ちに消える。(3点)
模範解答例:ろうそくの炎を水素のビンに入れたら消えて、水素は無色透明に近い色で燃えてビンから取り出すと水素の炎から点火して再び燃え、酸素のビンに入れたら赤く盛んに燃えて、二酸化炭素のビンに入れた直ちに消える。
以前、水素・酸素・二酸化炭素の性質を復習しました。
色々な性質は「丸暗記」も良いですが、具体的な性質を「理科的にイメージ」して理解すると良いです。
気体とは、どのようなものですか。文章で簡潔に説明し、実例を挙げてください。
今回は、ちょっと基本的な問題を考えてみましょう。
気体とは、どのようなものか?:性質を「どのように説明する」のが良いか?

一般的に「物体の三態」と呼ばれる気体・固体・液体。
どれも身近な存在ですが、最も身近な存在は気体かもしれません。
人間も動物も植物も、水分が栄養よりも遥かに重要であり、水分が欠乏すると人間はたちまち衰えます。
師管と道管の役割と、植物における水分と栄養分の話を、上記リンクでご紹介しています。
人体にとって、水分は極めて大事ですが、空気はさらに大事です。
空気がなくなってしまっては、人間はほんの短い時間しか生存できません。
この非常に大事な空気という存在は、「気体の一部」です。
A.空気が実例で、空気のようなもの。(1点)
B.大気中にある空気が実例で、形が変わりやすいもの。(2点)
C.決まった形がなく、体積が変わりやすいもので、空気などがある。(3点)
模範解答例:定まった形状がなく、形状や体積が変化しやすいものであり、例として空気、酸素、二酸化炭素などがある。
Aは、「実例が空気」で「空気のような」では、性質を答えていないので1点。
Bは、大体良さそうですが、「形が変わりやすい」に加えて「体積が変わりやすい」が欲しいです。
「形」は定量化しずらい面がありますが、体積は定量化しやすいので、理科の対象として考えやすいです。
Cは、ほぼ模範解答に近く、「形状と体積が変わりやすい」点が良いです。
模範解答例は、「定まった形状がなく」と「形状が変わりやすい」は似ていますが、少し意味が異なります。
そして、「形状や体積が変化しやすい」と具体的である点が良いです。
出題者実例を
挙げてください。
このように「実例を挙げてください」というのは、「一つ挙げれば良い」です。
「一つで良い」ですが、2,3挙げれば点数が上がる可能性があるので、ぜひ積極的に書きましょう。
今回は、かなり基本的な問題でしたが、意外と「基本的なことほど答えづらい」面があります。
直前期は基本事項の整理を、きちんとすると総合力がアップするでしょう。



