化石とは何か?〜「何かが変化した石」?・巨大な化石がたくさんある三笠市立博物館・化石発掘が少ない日本〜|2025理科応用力増強9・中学受験

前回は「水素・酸素・二酸化炭素にろうそくを入れたら、炎はどうなるか?〜小学校の理科で最も大事な「ものの性質」・アルコールランプと炎〜」の話でした。

目次

巨大な化石がたくさんある三笠市立博物館:化石発掘が少ない日本

New Educational Voyage
三笠市立博物館(新教育紀行)

多くの子ども、中学生・高校生は博物館に行くのが好きと思います。

理科に興味がある人はもちろん、理科がそれほど好きでなくても、

女子小学生

〜って、こういうこと
なんだ・・・

身の回りのことを知ると、楽しい気持ちになります。

上の写真は、北海道三笠市にある三笠市立博物館にある巨大な化石です。

様々な大陸と比較すると、化石が少ない日本。

その日本において、「化石がたくさん発掘される場所」の一つが北海道三笠市です。

New Educational Voyage
三笠市立博物館(新教育紀行)

この三笠市立博物館には、小学校中学年の子どもの身長ほどの巨大な化石が多数あります。

ロケーションがそれほど良くないため、お盆の時期でも観光客は少ないです。

筆者は、札幌から旭川に自動車で向かう途中、三笠市に寄りました。

少し閑散としていて寂しいくらいですが、じっくり化石を見ることが出来ます。

北海道を訪問する人は、ぜひ三笠市立博物館を訪問候補に入れてください。

2025理科直前期の問9

化石とは何か、文章で簡潔に説明してください。

今回は、化石とは何か?を考えてみましょう。

化石とは何か?:「何かが変化した石」?

New Educational Voyage
三笠市立博物館(新教育紀行)

化石、というと誰しも上のような石を思い浮かべます。

早速、化石とは何か?の記述の解答例を見てみましょう。

2025理科直前期の問9:「化石とは何か?」解答例

A.昔の生き物が固まった石。(1点)

B.太古の昔に生きていた生物が、地層中に残って固まった石。(2点)

C.太古の昔に生きていた生物が、死骸となって地層中に残って固まったもの。(3点)

模範解答例:およそ1万年前から古い地層の中で発見された、生き物の死骸または生き物が生きていた痕跡。

Aは、化石の基本としては「ある程度正しい」ですが、後述の通り「化石の一部の性質」なので1点。

Bは、「太古の昔」と少し曖昧ですが、「地層中に残って固まった」が良いです。

ここで、Bはだいたい正しいはずですが、AとBでは重大な視点があります。

それは、実は、「化石は石である必要ではないこと」です。

実は、化石は「石である必要はなく、生物(生き物)の死骸または痕跡」です。

New Educational Voyage
三笠市立博物館(新教育紀行)

上の説明文に「化石の定義」が書いてあり、「石になった」ではないことが明記されています。

この説明文にある通り、化石とは「石になっている必要はない」のです。

例えば、「数年前の冷凍マンモス」は「石」ではないですが、化石です。

Cは、「生物が死骸となって」と「固まったもの」という表現が良いので、小学生〜中学生では満点です。

後述の通り、化石は「死骸または痕跡」なので、高校生以上では、多少減点かもしれません。

ここで、化石は実は「もの」に限定されず「痕跡」も含みますが、「もの」は対象が広いので良いです。

模範解答例は、化石の定義であり、化石は「生き物の死骸または生きていた痕跡」です。

A〜Cと模範解答例で異なる視点は、対象に対する「生物」と「生き物」という記載の仕方です。

この二つは日本語として同じ、または類似性がありますが、少しニュアンスが異なります。

「生物」は、大昔のマンモスやアンモナイトなど、動物や魚などを指す印象が強いです。

それに対して、「生き物」は生物よりも範囲が広く、植物なども含みます。

化石はアンモナイトなどの生物に限らず、植物などの生き物も含む「生き物の死骸や痕跡」も化石です。

New Educational Voyage
三笠市立博物館(新教育紀行)

そもそも、「化石」という言葉が、あまり良くない学術用語かも知れません。

英語では”Fossil”と呼びますが、語源はラテン語の「掘り出されたもの」です。

この言葉ならば、上の「化石の定義」がしっくりきます。

日本語の化というと「石」である必要がある気がしてしまいます。

栃木県塩原にある、葉の化石がたくさんある木の葉化石園の話を、上記リンクでご紹介しています。

化石に関しては、中学受験では出題されないかも知れませんが、知っておくと良いでしょう。

また、小学生〜高校生は、ぜひ「化石の定義」を知っておくと良いでしょう。

New Educational Voyage

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次