前回は「水素・酸素・二酸化炭素にろうそくを入れたら、炎はどうなるか?〜小学校の理科で最も大事な「ものの性質」・アルコールランプと炎〜」の話でした。
巨大な化石がたくさんある三笠市立博物館:化石発掘が少ない日本

多くの子ども、中学生・高校生は博物館に行くのが好きと思います。
理科に興味がある人はもちろん、理科がそれほど好きでなくても、
女子小学生〜って、こういうこと
なんだ・・・
身の回りのことを知ると、楽しい気持ちになります。
上の写真は、北海道三笠市にある三笠市立博物館にある巨大な化石です。
様々な大陸と比較すると、化石が少ない日本。
その日本において、「化石がたくさん発掘される場所」の一つが北海道三笠市です。


この三笠市立博物館には、小学校中学年の子どもの身長ほどの巨大な化石が多数あります。
ロケーションがそれほど良くないため、お盆の時期でも観光客は少ないです。
筆者は、札幌から旭川に自動車で向かう途中、三笠市に寄りました。
少し閑散としていて寂しいくらいですが、じっくり化石を見ることが出来ます。
北海道を訪問する人は、ぜひ三笠市立博物館を訪問候補に入れてください。
化石とは何か、文章で簡潔に説明してください。
今回は、化石とは何か?を考えてみましょう。
化石とは何か?:「何かが変化した石」?


化石、というと誰しも上のような石を思い浮かべます。
早速、化石とは何か?の記述の解答例を見てみましょう。
A.昔の生き物が固まった石。(1点)
B.太古の昔に生きていた生物が、地層中に残って固まった石。(2点)
C.太古の昔に生きていた生物が、死骸となって地層中に残って固まったもの。(3点)
模範解答例:およそ1万年前から古い地層の中で発見された、生き物の死骸または生き物が生きていた痕跡。
Aは、化石の基本としては「ある程度正しい」ですが、後述の通り「化石の一部の性質」なので1点。
Bは、「太古の昔」と少し曖昧ですが、「地層中に残って固まった」が良いです。
ここで、Bはだいたい正しいはずですが、AとBでは重大な視点があります。
それは、実は、「化石は石である必要ではないこと」です。
実は、化石は「石である必要はなく、生物(生き物)の死骸または痕跡」です。


上の説明文に「化石の定義」が書いてあり、「石になった」ではないことが明記されています。
この説明文にある通り、化石とは「石になっている必要はない」のです。
例えば、「数年前の冷凍マンモス」は「石」ではないですが、化石です。
Cは、「生物が死骸となって」と「固まったもの」という表現が良いので、小学生〜中学生では満点です。
後述の通り、化石は「死骸または痕跡」なので、高校生以上では、多少減点かもしれません。
ここで、化石は実は「もの」に限定されず「痕跡」も含みますが、「もの」は対象が広いので良いです。
模範解答例は、化石の定義であり、化石は「生き物の死骸または生きていた痕跡」です。
A〜Cと模範解答例で異なる視点は、対象に対する「生物」と「生き物」という記載の仕方です。
この二つは日本語として同じ、または類似性がありますが、少しニュアンスが異なります。
「生物」は、大昔のマンモスやアンモナイトなど、動物や魚などを指す印象が強いです。
それに対して、「生き物」は生物よりも範囲が広く、植物なども含みます。
化石はアンモナイトなどの生物に限らず、植物などの生き物も含む「生き物の死骸や痕跡」も化石です。


そもそも、「化石」という言葉が、あまり良くない学術用語かも知れません。
英語では”Fossil”と呼びますが、語源はラテン語の「掘り出されたもの」です。
この言葉ならば、上の「化石の定義」がしっくりきます。
日本語の化石というと「石」である必要がある気がしてしまいます。
栃木県塩原にある、葉の化石がたくさんある木の葉化石園の話を、上記リンクでご紹介しています。
化石に関しては、中学受験では出題されないかも知れませんが、知っておくと良いでしょう。
また、小学生〜高校生は、ぜひ「化石の定義」を知っておくと良いでしょう。


