植物の成長に大事な水と栄養分とは何か?〜師管と道管の役割・植物の栄養分と水分の通り道〜|2025理科応用力増強5・中学受験

前回は「なぜ「師管」という名称なのか?〜師匠を意味する師・師管の「師」の意味・篩(ふるい)のような形状と簡略化〜」の話でした。

目次

師管と道管の役割:植物の栄養分と水分の通り道

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コップの中の小さな畑:127日後(新教育紀行)

前回は、師管という名称に関して、考えてみました。

2025理科直前期の問5

下記の問いに対して、簡潔に文章で答えて下さい。

(1)師管と道管の役割を、それぞれ説明して下さい。

(2)師管と道管は、どちらも植物の成長に欠かせない存在です。ここで、仮に「師管と道管のどちらかがなくなる」ことを架空に考えた時、どちらがなくなる方が、植物の成長に「先に大きな影響がある」と考えられますか。

(1)は、理科の基本的知識を問う問題です。

これは、知らなければ分からないことですが、復習しておきましょう。

2025理科直前期の問5(1):師管と道管の役割

師管:葉で光合成によって作られた栄養分を運ぶ管

道管:根から吸い上げた水や養分を運ぶ水道管のような管

上のように、師管と道管には、ハッキリとした「役割の違い」があります。

道管には、「水道管のような」はなくても良いですが、このように理解すると良いでしょう。

師管と道管の写真や図を復習して、その位置なども理解しておきましょう。

また、出来れば、簡単に図を描いてみると良いでしょう。

男子小学生

図を上手く描くのは
難しいけど・・・

図などは「上手く描ける」のが望ましいですが、上手である必要はありません。

「学ぶ」視点においては、図が「上手か下手か」は、どうでも良いことです。

一度、図を描いてみると、

男子小学生

ここは、こうなって
いたんだ・・・

男子小学生

図を描くまで
気づかなかった・・・

「描いて初めて気づく」ことがあるので、「図を描いてみる」をお勧めします。

植物の成長に大事な水と栄養分とは何か?

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冬にグングン成長する「そら豆」:59日後(新教育紀行)

(1)に関しては、「知識の問題」ですが、(2)は「考える問題」です。

このように「仮にどちらかがなくなる」という問題設定は、入試では出題されないかも知れません。

役割分担をしている状況に対して「両方大事だけど、どっちがより大事か」の視点は大事です。

2025理科直前期の問5(2):師管と道管の重要性

A.道管がなくなる方が先に大きな影響がある。(1点)

B.植物にとって、栄養分より水分の方が大事なので、道管がなくなる方が先に大きな影響がある。(2点)

C.栄養分が不足しても短期間は問題なく、水分の方が植物にとって重要なので、道管がなくなる方が先に大きな影響がある。(3点)

模範解答例:短期間は光合成以外にも栄養分の確保は可能であり、水分の不足は植物の生命力に直結するため、道管がなくなる方が先に大きな影響がある。

Aは、正しいですが「結論のみ」なので1点です。

理科では、「理由も書きなさい」と書かれていなくても、理由を書くスタンスが大事です。

Bは大体良く、見方によっては満点でも良いでしょう。

Cは「短期間ならば」と期間を明示した上で、水の方が大事という視点が良いです。

これが長期間ならば、師管と道管のどちらでもなくなってしまえば、植物にとって致命的影響となります。

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水分不足状態の植物(新教育紀行)

筆者がバルコニーで育てている植物に、水をあげるのを怠ったら、すぐに植物は元気がなくなりました。

葉っぱが萎んでしまい、いかにも元気がなさそうです。

朝に気づいて、慌てて水をあげました。

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水分が充足した状態の植物(新教育紀行)

そして、翌日朝に確認したら、萎んでいた植物は一気に元気を取り戻しました。

植物も生物も「水分は生命に直結する」大事な存在です。

栄養分も勿論大事ですが、人間は「食事しなくても数日はなんとかなる」と言われています。

その一方で、水分を一切止められた場合は、「1〜2日で重大な事態になる」と言われています。

水分の重要性を再確認して、植物や人間の生態を理解すると良いでしょう。

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