おすすめ時事問題〜SDGs・陸の豊かさを守ろう・森林大国・日本の森林率・明治の「御雇外国人」の驚き・衰退続ける日本の林業・木造住宅と外国産木材〜|中学受験・社会

前回は「おすすめ時事問題〜SDGs・気候変動の具体的対策・東日本大震災と原子力発電・気候非常事態宣言都市〜」でした。

目次

SDGs:陸の豊かさを守ろう

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SDGs 環境白書2016(環境省)

今回は、SDGs15番目の「陸の豊かさを守ろう」を取り上げます。

米国などで大規模な森林火災が起きていますが、世界の森林は減少傾向にあります。

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世界の森林分布(森林・林業学習館)

全世界において、陸地における「森林の面積」は約30%です。

森林の多い国は、順にロシア、ブラジル、カナダ、米国です。

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世界の森林率(森林・林業学習館)

森林が比較的多いと思われているアジアですが、世界的に見ると「平均15%」で低い方です。

森林大国・日本の森林率:明治の「御雇外国人」の驚き

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世界の森林の減少速度(森林・林業学習館)

その中、日本は約67%が森林面積と非常に高い森林率です。

上の図において、森林の増減が表現されています。

森林の増減の地域

赤色=森林の減少が目立つ地域

青色=森林の増加が目立つ地域

緑色=森林にわずかな増減がある地域

日本は全国的に「森林にわずかな増減がある地域」であり、あまり変わっていない状況です。

良い面から見れば、「森林が適切にキープされている」状況とも言えます。

New Educatiolnal Voyage
日本の衛星画像(Wikipedia)

衛生写真を見ると、日本が緑色の樹木に覆われている「自然豊かな国」であることが分かります。

新教育紀行
明治維新の立役者たち:左上から時計回りに木戸孝允、岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛(国立国会図書館)

幕末維新期に「一気に西洋化・欧米化」を推進した明治新政府。

とにかく、
欧米に追いつくのだ!

そして、英国・米国などから「御雇外国人」として外国人を多数呼び寄せて、

技術力の高い外国人から
直接学ぶのだ!

先生になってもらいました。

給料は高く支払うから、
どんどん来てもらうのだ!

貨幣価値の換算方法によりますが、多額の報酬を「御雇外国人」に支払った明治政府。

現代の6000万円〜7000万円ほどの年俸(給料)を、彼らに支払いました。

OK!
私が、Japaneseの若者を教育しましょう!

私が最新の
鉄道技術を教えましょう!

「御雇外国人」で最も多数だったのは英国人でした。

それは、当時英国(大英帝国)が世界最強であったことと、「薩摩と英国の関係」がありました。

日本よりも緯度が高い「寒い地域」の英国からきた英国人たちは、

なんと・・・
Japanは樹木が至る所にあるな・・・

春から秋にかけて温暖な地域だから、
樹木がどんどん成長するんだろうが・・・

これだけの樹木が自然に成長する
環境は羨ましいことだな・・・

欧州と比較すると温暖な日本では、樹木が非常に豊かです。

この事実に対して、「御雇外国人」たちは、

極東の端だから、
どんなところかと思ったら・・・

自然豊かで、なかなか
良い国ではないか・・・

「後進国・日本」に対して、自然や文化に大いに驚きました。

Japanの技術は、まだまだ低いが、
彼らは非常に真面目で積極的だ・・・

そして、なかなか理解力も
高い若者が多い・・・

国土も良い感じで、将来Japanは
成長するかもな・・・

と感じた外国人も多数いました。

衰退続ける日本の林業:木造住宅と外国産木材

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森林の役割(EduTown SDGs)

非常に森が豊かな日本で、SDGsのこともあり、林業に注目が集まっています。

石造建築の文化である欧米に対して、古来から木造建築の文化である日本。

木造戸建住宅の上棟・建前(新教育紀行)

現代でも、戸建住宅のほとんどは木造住宅です。

林業が発展してゆくには、「十分な需要」がなければ経済的に成り立ちません。

その中、「木造住宅中心の日本」は、林業発展において「先をゆく存在」のはずです。

ところが、現実はそうではなく、日本の林業は衰退し続けています。

えっ、
なぜ?

お家を建てるのに、
木材にたくさん使ったら良いのに・・・

どうして、たくさん木材使いそうなのに、
林業が衰退するの?

実は、建築・建設に使われる木材のほとんどは、輸入材です。

なぜ、
国内にこんなに沢山あるのに?

どうして、
外国の木材を使うの?

それは、外国の木材の方が「はるかに安価」だからです。

木造戸建住宅の上棟・建前(新教育紀行)

今回は、戸建住宅の話を例にします。

建築をする際に、柱・梁などの構造の材料にかかる費用は概ね15〜20%程度です。

そこで、この部分の費用が高いか安いかで、全体の費用に大きな影響が出ます。

例えば、全体の15〜20%程度の「構造材料の費用」が10%変化すると、

0.15~0.20 x 0.1 = 0.015~0.02

となり、工事費全体の1.5%から2%程度の影響が出ます。

個人邸の全体工事費が仮に4,000万円とすると、60~80万円ほどの差が出てしまいます。

海外の木材は、日本の木材と比較すると驚くほど安価であるため、この差が出てしまいます。

そして、「コスト削減」のために、「国産材ではなく輸入材が選ばれる」状況が続いています。

でもさ、外国の木材は
船とかで運んでくるの大変でしょ・・・

海外の木材は
運搬費もかかるから、日本の木材は有利なのでは?

実は運搬費を入れても、日本の木材は一般的に「はるかに高い」のです。

あっ、
そうなんだ・・・

そのため、最も需要が大きい「建築・建設業」で木材の需要が激減している日本の林業。

一生懸命木材を作っても、
大して売れない・・・

ことが、日本の林業を危うくしている大きな要素です。

困った・・・
どうしたら売れるんだろうか・・・

New Educational Voyage
豊島の家(新教育紀行)

筆者は家を建てる際は、内装などで出来るだけ国産の桧や杉を使用します。

ところが、構造材は、どうしても価格面から外国産材となることが多いです。

森林は人間の生活にとっても、地球にとっても非常に大事です。

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森林の循環(EduTown SDGs)

数字や国名を暗記する必要はないと思いますが、「日本の国土の2/3は森林」は知っておきましょう。

新教育紀行

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