懸命に勉強続ける中高生の山崎直子と「夢の島」の子どもたち~バブルの宴の最中・マネーゲームとリクルート事件・光GENJIの登場・パラダイス銀河と飛鳥涼のコンセプト〜|山崎直子17・高校生

前回は「宴の中で冷静に未来を見た山崎直子〜飛躍から宴のバブル景気へ・強力となりすぎた通貨円とプラザ合意・踊る日本・狂乱する土地の価値〜」の話でした。

宇宙飛行士 山崎 直子(Wikipedia)
目次

バブルの宴の最中:マネーゲームとリクルート事件

日経平均株価の推移(IG證券)

後の世から見れば「異常な世界」だった、バブル時代の日本。

1985年〜1989年の日経平均の株価を見れば、普通の人ならば

こんな急速な上昇が
続くはずがない。

100%下落するに
決まっている!

と感じます。

「後から考えれば」「後から見れば」わかることは、多いです。

一方で、その状況が進む中、当事者にとっては「分からないこと」もまた意外と多いのです。

この異常な日経平均の上昇を見て、

これは
日経平均5万円に行くのでは!

ひょっとしたら、
もっと上も目指せるかもな。

とにかく
株に全財産注ぎ込むんだ!

多くの方が、株式投資のマネーゲームに走りました。

国中で「マネーが唸っている」異常な状況となった日本。

この頃を象徴する事件が勃発しました。

リクルート事件です。

なにそれ?

知らないわ。

今の小学校〜高校生くらいの方は、全く知らないでしょう。

リクルート事件に関与した政治家:中曽根康弘 元総理大臣、竹下登 総理大臣、渡辺美智雄 政調会長、宮澤喜一 副総理・蔵相(Wikipedia)

この「リクルート事件」は、「未公開株であったリクルートコスモス株」の大規模な贈収賄事件でした。

当時の大物政治家たちに、リクルート社がリクルートコスモスの未公開株を大量に贈ったのです。

もちろん「賄賂として」です。

政治家の贈収賄事件は、国内外これまでに沢山あります。

中には「氷山の一角」であったり、「表沙汰にならなかった」事件もあるでしょう。

あるいは、「バレなかった・発覚しなかった」事件もあるでしょう。

いずれにしても、必ず多額のマネーが動く贈収賄事件。

この「リクルート事件」の大きな問題であり、「当時の日本を象徴する」こと。

それは、「賄賂が未公開株であった」ことです。

日経平均が急上昇していた、1985年頃。

リクルートコスモスの
未公開株は、必ず急上昇します!

なるほど。
貰っておこう・・・

現金なら「分かりやすい」ですが、「まだ未上場の株」ということは「まだ値段が決まっていない」株となります。

それが上昇するのか、下落するのかは未来にならないと分かりません。

つまり、この「急上昇するであろう未公開株」を渡した方は、

キャッシュ(現金)を
渡すよりも負担が少ない・・・

貰う側は、

キャッシュでもらうより
「未公開株」は嬉しいかも・・・

思いのほか値段が上がって、
将来は、1億円くらいになるかも・・・

いやいや、もっともっと上がって
2億円くらいになるかも・・・

こういう感じで、いかにも当時の「踊っていた日本」を象徴する出来事でした。

この意味において「世界中に大恥を晒した」だけの非常に低レベルな事件だったのです。

光GENJIの登場:パラダイス銀河と飛鳥涼のコンセプト

新教育紀行
東京(新教育紀行)

この「うなるような好景気」の日本。

1987年には、象徴的な社会現象が起こります。

光GENJIの登場です。

この時、高校2年生の山崎少女もきっと明白に覚えている事でしょう。

小学校4年生だった僕も強烈に覚えています。

あのローラースケートで動き回りながら歌う、ハンサムな10代の少年たち。

ようこそ、
ここへ!

遊ぼうよ、
パラダイス!

この歌詞から始まる鮮烈な歌「パラダイス銀河」。

「一世を風靡した歌」に留まらない「社会現象の歌」でした。

国中が光り続けて、まさに「この世のパラダイスであった」かのような日本。

当時の「踊り狂っていた」日本。

その日本だからこそ、この「パラダイス銀河」の歌詞がピッタリとフィットしたのでした。

続く歌詞もまた印象的です。

大人は見えない
しゃかりきコロンブス!

夢の島までは
探せない!

もう何だか歌詞もメロディも全てが爆発して、躍動しているかのようなパワーがあります。

そして、「踊る歌」と共にローラースケートを履いて、実際に「踊っていた」光GENJIの少年たち。

まさに、その全てが具現化していました。

「バブル日本」の「まばゆいばかりの輝き」と「猛烈な勢い」を。

この歌を作詞作曲したのは、1990年代一世を風靡した「チャゲ&飛鳥」の飛鳥涼。

1977年生まれですが、僕と同世代の方は「絶対に歌を耳にしたことがある」アーティストです。

特にチャゲアス・飛鳥のファンではありませんが、”LOVE SONG”など大好きです。

“YAH YAH YAH”とかも勿論良いですが、”LOVE SONG”のメロディと「飛鳥涼しか出せない歌声」を聴く時。

なんだか「崇高な気持ち」になります。

「好き」「好きではない」は別として、誰が聞いても、

素晴らしい
歌声だ・・・

どこから、
この声量が出るのだろう・・・

と、ため息が出そうになるほど「歌が極めて上手」で「歌の達人」とも言えるアーティスト・歌手たち。

そういう方たちが、昭和から平成、そして令和になった今、少し少なくなったような気がします。

それは、「昭和世代の一面的見方」かも知れません。

アーティスト・歌手たち:左上から時計回りに飛鳥涼、小田和正、財津和夫、松山千春

話が少しそれましたので、戻ります。

飛鳥は「しゃかりきコロンブス」に関して、自身でコメントしています。

飛鳥涼によると、

しゃかりきになって
探したって・・・

コロンブスさえも
発見することができない夢の島(子どもの場所)・・・

というコンセプトでした。

実に、実に夢がある歌詞です。

懸命に勉強続ける中高生の山崎直子と「夢の島」の子どもたち

新教育紀行
ニューヨーク(Wikipedia)

日本中が、輝きを放っているかのような錯覚すら覚える勢いを持っていたJapan。

東京の中心部が「ニューヨークのように超高層ビルが林立する」ようになる雰囲気でした。

この踊るような雰囲気の中、中学生から高校生になった山崎直子は一生懸命勉強しました。

物理と数学が
大好きだから、もっと勉強したい!

頭脳明晰だった山崎少女は、おそらく数学と物理は抜群の成績だったでしょう。

理科一類における女子率(%)
20198.1
202010.0
20219.6
20228.4
20238.3
東京大学合格者の理科一類における女子率(Y-Sapix)

現代の日本においても、「異常に女子が少ない」東京大学理科一類を目指しました。

東大に進んで、
もっともっと勉強したい!

できれば、宇宙に関わる
仕事につきたいな!

バブルの中、日本中がおかしくなり、日本人の考え方にも大きな変化があったでしょう。

マネーゲームが唸りを上げ、不動産が暴騰する中、マネーと不動産が大人気でした。

その中でも、しっかり軸を持っていた山崎直子は、着実に学ぶ姿勢を貫きました。

コロンブスさえも
発見することができない夢の島!

クリストファー・コロンブス(Wikipedia)

今の日本では、到底イメージすることができない「しゃかりきコロンブスの夢の島」。

その島は、
どこにあるんだろう?

その島は、一体どこにあるのでしょうか。

そして、今の日本で子どもたちは持てるのでしょうか。

「しゃかりきコロンブスの夢の島」を探す気持ちを。

新教育紀行

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