思考力をアップして記述の得点アップする学び〜「鳴かぬなら・・・」を色々考えてみる姿勢・「鳴かぬなら・・・」のイメージ・「年号」よりも「歴史の流れ」・歴史の重大な出来事・事件を具体的にイメージ・薩長同盟から「鳴かぬなら・・・」を考える姿勢と解答例〜|中学受験・社会

前回は「思考力を問う問題・「鳴かぬなら・・・」を考えてみる姿勢〜信長・秀吉・家康以外の人物に対する「鳴かぬなら・・・」・歴史上の人物・誰を選ぶか?・自由な発想と歴史を深く考える姿勢・歴史を得意に〜」の話でした。

目次

「鳴かぬなら・・・」のイメージ:「年号」よりも「歴史の流れ」

歴史の人物「鳴かぬなら・・・・」

1800年頃に作成された本に、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康を例える句があります。

「鳴かぬなら・・・」から始まる句です。

織田信長は、「鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす」

豊臣秀吉は、「鳴かぬなら 鳴かせてみよう ほととぎす」

徳川家康は、「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす」

中の句が、三人の特徴を表していると言われています。

「五・七・五」のリズムも大事で、中の句が七文字となっています。

日本史から、あなたの好きな人物一名を選び、中の句を作成し、その理由を書いて下さい。

中の句は七文字である必要はなく、七〜十文字程度で作成して下さい。

こういう問題が出たら、「年号」よりも「歴史の流れ」をイメージしましょう。

年号は「事件・出来事の順番」であり大事ですが、もっと大事なのは「流れ」です。

脱藩者(元土佐藩士)坂本 龍馬(Wikipedia)

坂本龍馬を選んだとしましょう。

「坂本龍馬」と聞いたら、何をイメージしますか。

薩長同盟!

海援隊!

幕末で「最も優れた自由人」と描かれることが多い坂本龍馬。

日本をいま一度、
せんたくいたし申し候!

思い切って「土佐藩という世界」から脱出(脱藩)した龍馬。

「無国籍」となったからこそ、「土佐の世界」から脱して「世界の中の日本」が見えた龍馬。

土佐なんか、藩なんか
どうでも良い!

日本を、日本を
なんとかしなければならない!

世界を股に掛ける発想と、抜群の行動力を持っていた龍馬。

その実態像は不明な点が多いのが現実ですが、幕末で「最も人気がある人物」と言って良いでしょう。

歴史の重大な出来事・事件を具体的にイメージ

左上から時計回りに木戸孝允、坂本龍馬、西郷隆盛、中岡慎太郎(Wikipedia)

幕末の大きな原動力となった薩長同盟。

「坂本龍馬が西郷隆盛・桂小五郎(木戸孝允)の間を取りなして、同盟へ」という流れです。

私が
橋渡しするぜよ。

実際、坂本龍馬が「どのように関わったか?」は不明瞭な点もあります。

様々な見方がありますが、彼が「薩長同盟締結」の一つの力になったことは事実でしょう。

また、薩長同盟の実態は「薩摩と長州の対等同盟」ではありませんでした。

実態としては「薩摩が長州を保護する」要素が大きいです。

それほど「薩摩と長州には力の差があった」イメージは大事です。

長州藩士 桂小五郎(木戸孝允)(国立国会図書館)

当時、ゆとりのあった薩摩藩に対して、かなり切羽詰まった状況にあった長州藩。

「勝てば官軍」の「薩長中心の歴史観」から考えると、「主役であった」長州。

実際の長州の当時の状況は、

我が長州藩が、
この世から消えるかもしれん・・・

かなり追い詰められていた長州藩。

西郷め!

薩賊会奸は
絶対許さんぞ!

摩がであり、津は賊であるという意味の「薩賊会奸(さつぞくかいかん)」という言葉、

当時の長州藩士たちの憎悪が込められている言葉です。

薩摩藩の奴に出会ったら、
殺してやる!

会津も
絶対に許さん!

幕末に揉めに揉めて、こじれにこじれた関係であった強大な藩(国)であった薩摩と長州。

そして、薩摩藩や西郷たちを憎んでいた桂(木戸)たち長州藩士。

薩摩と長州は、もはや「どうにもならない間柄」でした。

中でも、顔つきからして非常に神経質な桂。

西郷と
会うのか・・・・

その桂を「西郷と同席させるだけでも大変な仕事」でした。

桂どん。
よろしく頼むごわす。

どうも、
こちらこそ・・・

穏やかな表情をしながらも、

おのれ!
西郷っ!

内心「怒り心頭」の桂。

「怒りと安心」が混在する、ひきつったような複雑な表情をする桂。

対等同盟というよりも「長州を薩摩が保護する」ような薩長同盟。

・・・・・

「薩摩・西郷に対する怒り」と「長州藩存続の安堵」の気持ちから、

まあ良かったのだが、
本当に「良かった」のか?

「薩長同盟」の立役者・坂本龍馬。

ふー・・・

まさに「犬猿の仲」
だったが・・・

なんとか
同盟にこぎつけた・・・

薩長同盟から「鳴かぬなら・・・」を考える姿勢と解答例

新教育紀行
ほととぎす(Wikipedia)

「鳴かぬなら・・・」の中の句は、どのようなことが考えられますか。

「薩長同盟」は字数が
多いから・・・

続きが
書けないよ・・・

短く表現するって、
難しい・・・

「長く書く」のも大変ですが、「短く表現する」のは案外難しいのです。

どうしよう・・・

あまり難しく考えずに、「だいたい」考えてみましょう。

龍馬がやったことは、本質的には何でしょう。

同盟だから・・・

薩摩と長州が
「仲間になった」かな?

「友達になった」も
よいかしら・・・

歴史の舞台をイメージしてみましょう。

近くに坂本龍馬・桂小五郎(木戸孝允)・西郷隆盛がいるイメージです。

難しいよ・・・

好きなアニメなら、「主人公になった気持ち」になれるでしょう。

それと同じ感じで、「自分が龍馬だったら・・・」と考えてみましょう。

仲良く
するぜよ!

日本の
ために・・・

そういうイメージで、「鳴かぬなら・・・」を表現すると、下記のような解答例があります。

鳴かぬなら 仲間になろう
ほととぎす・・・

鳴かぬなら 仲良くしよう
ほととぎす・・・

鳴かぬなら 友達になろう
ほととぎす・・・

「ほととぎすを相手にしている」イメージを持ちましょう。

ほととぎすに
話しかけている感じかな?

ペットに
話しかけるイメージかな・・・

あるいは、桂(木戸)サイドへの「薩摩への恨みを忘れて・・・」という観点から、

鳴かぬなら 忘れてしまおう
ほととぎす

も良いでしょう。

鳴かぬなら 薩長一緒に
ほととぎす

「薩長一緒に」では、少し字余りになるかもしれませんが「具体的で良い」でしょう。

こういうことを考えたり、イメージすると楽しくなりませんか。

ちょっと
楽しいかも・・・

ただ「年号・事実」だと、歴史はつまらなくなるので、流れを楽しみましょう。

「記述式」が出る学校志望者は、こういう問題にも対処できるようにしましょう。

新教育紀行

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