後藤新平 19〜牢獄へ〜|相馬事件

前回は「後藤新平 18〜ドイツ留学〜」の話でした。

後藤 新平(Wikipedia)
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相馬事件

明治維新となって新しい世の中が始まって、20年経過した1887年に大きな事件が起きます。

旧相馬中村藩主であった、相馬誠胤周辺で起きた事件で、一昔前ならば「御家騒動」と言われる状況でした。

混乱の中、相馬誠胤は精神病患者と診断され、誠胤を保護する元臣下の錦織剛清。

錦織は、紹介状を持って後藤に会いにゆきます。

後藤さん、
助けてください。

なんだ?

内務省勤務の後藤は、紹介状のこともあり、錦織に会います。

これは、相馬家の相馬中村藩が、自分の出身の仙台藩と共に奥羽列藩同盟に加わったことも大きな理由でした。

精神病?

そんなに簡単に精神病と
診断しては、可哀想だろう。

と考え、相馬誠胤に実際に会います。

このくらいで、
精神病とは言えんだろう。

医師として自己の能力に矜持を持つ、後藤。

これは陰謀です。

後藤は擁護したものの、精神病院に強引に入れられた相馬誠胤。

その後、錦織と共に精神病院を脱出して、後藤のところに逃げ込みます。

匿ってください!

良いだろう。

男気の強い後藤は匿いますが、これは犯罪とも見られかねない事態でした。

何が悪い?

堂々とした姿勢の後藤に対して、人権問題の大スキャンダルとして政府も対応を迫られます。

折しも、欧米との不平等条約改正のために、こういうことが公になると

日本は
法治国家ではない。

と欧米に誤解されかねません。

後の外務大臣 陸奥宗光(Wikipedia)

後藤の性格だと、
逮捕すると、何を言い出すかわからん・・・

政治的判断で、「あわや逮捕」を免れた後藤。

そのまま、後藤はドイツへ留学しました。

法廷闘争へ

これ以降、この相馬事件に触れなければ、後藤は無事でした。

後藤がドイツ留学中に、相馬誠胤は死去します。

この事態に大いに疑問を持った、元臣下の錦織は、

毒殺されたのだ!

と大騒ぎします。

そして、帰国して内務省厚生局長となった後藤に泣きつきます。

誠胤公は、
殺されたんです。

まあ、泣くな。

こんなことが、新しい明治の世で
許されて良いのでしょうか!

確かにそうだ!

なんとか
なりませんか?

しかし、既に半年前に死去した相馬誠胤を見聞しても、「毒殺の証拠」は出てきません。

気持ちはわかるが、
証拠がないだろう。

私は絶対に
許せないのです!

そして、ついに錦織は、相馬家を訴えます。

相馬家が、誠胤公を
毒殺したんです。

華族となっていた相馬家は、政府に顔が効きます。

訴えられ、反撃を考えた相馬家。

相馬家は、当時の衆議院議長の星亨に弁護を依頼します。

弁護士 星亨(Wikipedia)

私に任せなさい。

大英帝国に留学し、日本の弁護士第一号でもある星亨。

星は当時の日本の「ザ・弁護士」という存在です。

私が弁護すれば、
絶対勝てますよ。

結局、再度、相馬誠胤の検分を行いますが、証拠となる毒は出てきません。

そもそも、「毒殺されたのかどうか」も不透明です。

さらに星のような、かなりの大物も登場し、一大スキャンダルとなります。

牢獄へ

錦織の言っていることは、
証拠がなく、全くのでっち上げです。

日本でまだ弁護士が少ない中、「ザ・弁護士」であり衆議院議長という政府の重要人物の星亨。

その圧倒的力の前に、「証拠がない」錦織は一気に劣勢となります。

負けそうです!

気持ちはわかるが・・・

なんとかして
やりたいが・・・

困る後藤。

もう少し、お金があれば、
反撃できるのですが・・・

ふむう・・・

普通の人間なら、ここで手を引く事態。

しかし、男気が強すぎ、義侠心の固まりの後藤は、この泥沼に自ら乗り込む決意をします。

私が連帯保証人になって
やろう!

「親戚であっても連帯保証人になっては絶対ダメ」と言われます。

それは、借金を当事者が返済できない場合、大変なことになります。

そして、連帯保証人が「代わりに責任を持つ」法的義務が発生するからです。

それなのに、親戚でもない錦織の連帯保証人となった後藤。

しかも、その保証人となった金額は、現在の数千万円〜一億程度と言われます。

有難う
ございます!

頑張れよ!

これで、世の中が
良くなればよし!

こう考えた後藤でしたが、そうは問屋が卸してくれませんでした。

後藤、
逮捕だ!

はっ?!

なんで?!

なんと、借金の連帯保証人となった後藤は、「犯罪に関わった」という理由で、逮捕されてしまいました。

現在の厚生省事務次官に相当する重役にまで上り詰め、かなり順風満帆だった後藤の人生。

俺が、
牢獄だと?!

逮捕され、牢獄へと行かされることになります。

後藤の人生が、一気に暗転しました。

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