前回は「得意な科目・分野を得点源に〜合格へ〜」の話でした。
試験への姿勢:答案は他人に評価してもらう作品

12月に入り、いよいよ直前期です。
中学受験生の多くは、残すところあと2月ほどです。
体調万全にして、着実に総合力をつけてゆきましょう。
時間切れになってしまっても、
なんとしても、
合格するんだ!
必死に取り組んでいる姿勢、努力している姿勢を明確に示すことを話しました。
採点する数学の教師は、長年の経験から小学生が「何を考えているのか」くらいは、一瞬で分かります。
問題は「きちんと回答する」ことが理想です。
現実には、制限時間もあり試験当日どのような状況になるのかは分かりません。
自分が勘違いをしてしまったり、
あれ?
難しい・・・
難問に手間取ってしまって時間が大幅に取られてしまったり、色々な可能性があります。
試験答案は「他人である採点者に見てもらう」ものです。
さらに、「他人に評価してもらう自分の作品」と考えましょう。
「他人に分かってもらう」姿勢

答えを選んだり、答えを記入するだけの問題ならば、
答えは「ア」かな?
「ウ」かな?
答えのみであれば「答えを書く」しかありませんので、「数値・記号の羅列」となります。
対して、特に「少しでも記述がある」試験の場合は、大きく異なります。
記述式では「自分はわかる」ような答案は避けましょう。
「他人(採点者)に分かって頂く」ような内容が望ましいです。
小学校6年生の方は、これまでにご自身や塾で、そういう訓練をしてきているでしょう。
「他人にわかってもらう」は、
分かるけど、具体的にどうしたら良いの?
自分が書いた記述などで、「採点され、返却されて」きた答案などがあるでしょう。
それらは、先生方による「採点や評価」がなされていますが、もう一度自分で読んでみましょう。
すると、
ここは、こういうつもりで書いたけど、
ちょっと分かりにくいな・・・
「過去の自分」よりも「今の自分」の方が成長していることもあり、様々な気づきがあるでしょう。
これから入試までは、さらに「自分の中で考え方を整理して、表現する」ことを明確にしましょう。
「自分の作品」を作る気持ち:図形問題の補助線を少しでも描く

この問題が、試験当日の問題だったとします。
他の問題を優先し、残り時間も僅かとなったとします。
試行錯誤して、
この補助線が、
良さそうだ。
と気付いたり、
面積比は、
少し分かりそう。
と思ったら、それはどんどん記載して表現しましょう。

これでは、もっとも大事なポイントである「長方形ACEFの面積の半分」には至ってはいないです。
しかし、なにか解答に至りそうな気配を感じます。
大事なことは、辺の長さ以外に、面積比を記入していることです。
こんな走り書きを見ると、採点者は
ああ、一生懸命解こうとして、
その端緒にはたどり着いているな・・・
と分かります。
「時間がもうない!」という場合になったとしても、
僕は、
ここまではわかっているよ!
と答案にアピールしましょう。
採点者の立場からすると、「何も書かれていない白紙答案」は、
白紙では0点にするしか、
考えようがない・・・
バツにして「0点をつける」しか方法はないのです。
答案になんらかの「一生懸命考えている痕跡」があれば、プロである採点者は
よし、
ここまではわかってるんだね!
と読み取ってくれます。
場合によっては、深読みしてくれて、思ったよりも良い点を与えてくれるかもしれません。
それは学校の教育理念や校風にもよるでしょう。
採点者に「思考の痕跡は読み取ってもらうように努力する」ことは重要です。
入学試験では僕・私をはっきりアピールするように心がけましょう。
そのことも念頭に入れた上で、本番までの時間を過ごしましょう。
「自分の作品」を作る気持ちが、合格へ近づいてゆくでしょう。