中学受験生と小学校 3〜中学受験生への理解・子どもと「合わない」先生(教師・担任)がいる時・先生・教員の「持つべき節度」・中学受験生の親の姿勢・先生の「教育に対する信念」〜|中学受験

前回は「中学受験生と小学校 2〜「行きたくない」と感じる時〜」でした。

目次

小学校の様々な先生とその考え方:子どもの「問題」の内容と程度

武蔵中学・高校のかつての校舎・物理実験室(新教育紀行)

小学校には、実に様々な先生方がいらっしゃいます。

それぞれの方が、「自己の教育理念」をお持ちです。

中学受験をする場合、子どもの担任の先生が「中学受験に大きな理解がある」方であれば、とても良いです。

〜君は、
中学受験するんだね。

頑張って、
勉強してね。

現実としては、

中学受験するのは、
自由。

くらいな方が多いと思います。

同学年別クラスのU先生に、睨まれ続けた僕。

このU先生は、当時比較的年配だったこともあり、先生方の間でも大きな顔をしていました。

中学受験生には、
問題児が多い!

〜君(僕のこと)、
ダメじゃないの!

こんなことだから、
中学受験なんか、しない方が良い!

こう考えているU先生。

確かに「問題を起こす」僕が「悪い」のですが、そもそも「子どもは問題をおこす存在」ではないでしょうか。

その「問題」にも程度があり、「大きく道を踏み外している」行為は、先生方が強く矯正すべきでしょう。

通っていた小学校同級生が、「万引き」事件を起こして補導された記憶があります。

ちょっとワルな感じのS君でしたが、当時同じクラスだった僕は、一緒に遊んだこともありました。

そのS君は数名のグループで、当時大流行していた「シール付きのチョコ菓子」を

よしっ!
欲しいチョコだから、取っちゃえ!

大量万引きして捕まったのです。

これには、小学校側も衝撃を受けたらしく、

なんということ!
我が小学校から!

当時大きく騒がれたのを記憶しています。

今でも、「強い印象を持って、覚えている」理由があります。

それは、当時、補導されたS君たちを「監察する」ために、ある機関から担当者が派遣されたからです。

いつも通り、授業していると「知らないおじさん」が後ろに立って、じっと見ています。

誰?
あのおじさん?

誰だろうね?
知らないおじさんだね・・・

「知らないおじさん」が、後ろでじっと見ていること。

これは、小学校の子どもにとっては、かなり衝撃的なことです。

なんか
怖いね・・・

少し不気味で、怖いくらいです。

この体験があるので、今でも「万引き事件」は覚えています。

この「万引き」のように「犯罪・犯罪に準ずる行為」を子どもがした時は、

こういうことは、
絶対にやってはダメ!

と教育する必要があるでしょう。

子どもの個性:矯正・是正すべきか否か

後藤 新平(Wikipedia)

ところが、「中学受験生が起こす問題」というのは、「授業中に騒ぐ」くらいのことです。

「周囲に迷惑」ではありますが、「犯罪・犯罪に準ずる行為」ではありません。

子どもたちが「騒ぐ」のは、「矯正すべきこと」かもしれません。

一方で、ある程度は「仕方ない」という姿勢も必要でしょう。

ある意味、そうした「騒ぐ」ところも、その子の個性かもしれません。

のちに「大風呂敷」と呼ばれ、剛腕を振るった政治家・後藤新平。

俺は
逆賊なんかではない!

ふざけんな〜!

小さな頃から、「暴れ者」だった後藤に対しては、現代の小学校教員の多くは、

ちょっと、
この子は問題が多すぎる・・・

〜君、
そういう態度はダメ!

となるでしょう。

当時の日本の教育は、私塾・藩校から明治新政府による学校制度の「過渡期」でした。

そのため、体系化された教育ではなかったこともあり「子どもに対する許容」は地域性があったでしょう。

この「暴れん坊の問題児」後藤に対して、出会った人物が良かったのでした。

安場保和 胆沢県大惨事(副知事)(Wikipedia)

・・・・・

しばらく、後藤少年を観察していた安場。

この子は、
気性が荒いな・・・

後藤くんの性格を、
あまり矯正しようとはするな!

そして、考えた安場。

・・・・・

そのままの性格で、
育ててやるのが良いだろう・・・

下手に矯正したら、
あの子の個性が失われる・・・

あの子の個性がなくなることは、
あの子の「最も大事なもの」がなくなることだ!

非常に優れ、開明的であった安場保和との出会いが、後藤の運命を変えました。

もし、この時、後藤の保護者格であった安場が、

後藤の性格は、
問題がありすぎる・・・

ちょっと彼は
矯正して、もっと「普通」にしなければ!

と考えて、後藤を「普通」という名の鋳型に入れ込んでいたら。

その時、後世の後藤新平は、存在しなかったかもしれません。

中学受験反対派の先生・担任・教員の姿勢

新教育紀行
運動会(新教育紀行)

6年生の前半の委員会の時は、そのU先生と、僕が3〜4年生の時の担任のK先生が「委員会担当」でした。

そして、委員長に立候補して、委員長になった僕。

頑張るぞ!
〜という風に変えるのは、どうかな?

僕が何をやっても、

ちょっと、〜君(僕のこと)、
何やってるの!

委員長ながら、大変な気苦労ばかりでした。

誰しも「否定される」のは嫌なことです。

だから、
あなたはダメなのよ!

こういうことを言われると、子どもは本当に嫌になります。

ちぇ・・・
なんで怒られてばっかなんだろう・・・

そして、「精神年齢が幼い」小学生の子どもにとっては、大変な苦痛です。

幸い6年生の後半は「別の委員会」となり、U先生からは解放されました。

ああ、
よかった・・・

それでも同じ学年である以上、学年総出の運動会その他の行事の時。

そう言う時は、嫌でもそのU先生と多少は、接点があります。

U先生とは、
接触しないように・・・

そのため、出来るだけ目立たぬようにしていました。

U先生は、中学受験生に対しては異常に厳しかったです。

ちょっと、〜君(中学受験生)!
ダメでしょう!

いつも「鬼みたいな形相」をしていたのを、今でも覚えています。

U先生、
怖いね・・・

U先生には、
近づかないようにしよう・・・

こういう先生とは「出来るだけ接触しない」のが、ベストです。

先生・教員の「持つべき節度」

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このU先生には、後日談あります。

それは、内申書(調査書)の話です。

僕の担任の先生は内申書を「期限に合わせて」きちんと用意し、母親に渡してくれました。

ところが、U先生は内申書を「わざと」期限ギリギリに、各受験生の親に渡すという暴挙に出ました。

別の
クラス担任で良かった・・・

と後になって思いました。

「わざと」と書くのは、その先生にとって、

内申書を作成するのは、
とても大変で、すごく時間のかかること・・・

かも知れなかったからです。

わざとかどうかは、「本人しか分からない」です。

一方で、その先生の日頃の様子を見る限り、「わざと」やったとしか思えません。

そもそも、受験生側の親子の立場に立てば、「早めに渡す」のが教員としての責務でしょう。

はい。〜君のお母様。
内申書をどうぞ。

そして、そのクラスの受験生の母親は、ギリギリに渡された内申書をもらって、大慌てです。

もう時間が
ない!

提出期限は
明日!

受験する学校に急いで直接持参するか、速達で郵送したそうです。

疲れた・・・

ただでさえ直前の時期は、子どもも親も神経を尖らせている時期です。

こういう心を乱すようなことをされることは、親にとっては大変なことでしょう。

こういうことは
しないで欲しかった・・・

当時、受験生の母親同士で情報交換するなどして、「なんとか事態を打開した」と後になって聞きました。

僕自身も、自分の受験が終わって一段落した後に聞いた話です。

U先生、
そこまでやるか・・・

「ギリギリ」であっても「期限内であれば良い」のかもしれません。

私は
一生懸命やった!

連日、
徹夜状態だった!

かもしれません。

ところが、これが「故意」であれば「話は全然別」でしょう。

こういうことはないことを願いたいですが、「予期しないこと」にも対処できるようにしたいです。

色々な教育理念を持つ先生方がおり、それぞれの方がしっかり考えていらっしゃいます。

その中、「受験生の親子の立場・考え方」と「個々人の教育理念」の上手いバランスが最も望まれます。

中学受験生の親の姿勢:先生(教師・担任)の「教育に対する信念」

種子島の海(新教育紀行)

今回ご紹介したU先生の話は、僕が小学生の時の「実話」であり、僕の記憶をもとに構築した話です。

こういうエキセントリックな先生・担任は、流石に少ないと考えます。

小学校の担任の先生方、それぞれに「教育に対する信念」があると思います。

その「教育に対する信念」があるからこそ、小学校〜高校の教員になると考えます。

その「教育に対する信念」と「中学受験が合わない」先生が担任になった時、受験生と親は大変でしょう。

そういう時は、「上手く流す」しかないでしょう。

「一線を越えること」がお互いない限り、お互い「流す」しかありません。

そして、先生・担任には「子どもの成績をつけ、内申書を作成する」強権が付与されています。

親でも対抗できないのに、子どもが対抗するのは「100%不可能」です。

そこで、そういう「中学受験反対派の先生」と子どもが接点があったら、

頑張らなくていいので、
適度に上手くね。

うん・・・
「上手く」がいいんだね・・・

あなたが頑張っているのは、
よく分かっているから・・・

と、少なくとも親は「子どもの味方」になってあげるのが良いでしょう。

その上で、

小学校で、楽しく過ごすのは良いから、
あまり騒いだりしないのよ。

くらいな感じで、子どもに話してあげると良いでしょう。

新教育紀行

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