平易ながら奥深い戦前昭和の中学入試国語〜短か過ぎる文章題の文章量・極めて平易な戦前昭和の中学受験算数・簡単過ぎる計算問題〜|昭和初期の中学入試問題2・昔の中学受験

前回は「驚愕するほど易しい戦前昭和の中学入試算数〜「単調難化」している?中学受験の入試問題・平易な計算と基本問題・多彩で広範囲の中学受験算数〜」の話でした。

目次

極めて平易な戦前昭和の中学受験算数:簡単過ぎる計算問題

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1934年度 日立中学校入学試験問題:算数(茨城県下中等学校入学試験問題集、新教育紀行)

前回は、戦前の昭和9年度(1934年度)、茨城県立日立中学校の入試問題の算数をみました。

一見して「小学校のテスト」のような問題であり、全く中学受験の入試問題らしくありません。

この入試問題の面白い点は、算数・国語・理科・社会が混ざって出題された点です。

まずは、算数のみ、続けてみてみましょう。

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1934年度 日立中学校入学試験問題:算数(茨城県下中等学校入学試験問題集、新教育紀行)

また(1)が続きますが、これは「別の大問」という扱いでした。

上の問題は、計算問題が多少難しくなりましたが、それでも現代では考えられないほど易しいです。

近年の中学受験の算数の計算問題の中には、ひたすら複雑で「大人が解いたら大抵間違える」問題もあります。

それらと比較すると、とにかく穏やかな出題です。

この頃は漢字とカタカナの表記で、現代から見ると少し読みにくいですが、上の(3)は、

出題者

ある町の人口は、ある年の初めに
17,520人でした。

出題者

同じ年の年末には、17,958人増えましたが、
何%増加しましたか?

このような問題であり、「何をすれば良いか」は、現代の中学受験生ならば一瞬で分かります。

この年の、日立中学の入試問題(午前)の算数は、前回と今回のみです。

すると、戦前の中学受験の入試問題は、全体的に易しかったのでしょうか?

日立中学のレベルにもよりますが、現代の視点では、流石に易し過ぎて「試験にならない」レベルです。

平易ながら奥深い戦前昭和の中学入試国語:短か過ぎる文章題の文章量

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1934年度 日立中学校入学試験問題:国語(茨城県下中等学校入学試験問題集、新教育紀行)

次に、国語の問題を見てみましょう。

算数・国語・理科・社会が混在する出題で、国語、算数、理科、国語、社会・・・みたいな出題でした。

現代の「科目ごと」の試験とは大きく異なり、面白い出題方法でした。

上の国語の問題もまた、比較的穏やかで、難易度は低いです。

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1934年度 日立中学校入学試験問題:国語(茨城県下中等学校入学試験問題集、新教育紀行)

続いて、漢字の問題が続きます。

漢字は旧字体であるため、現代の新字体よりも、かなり複雑な漢字でした。

そのことを別とすれば、上の漢字問題は難しくはありません。

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1934年度 日立中学校入学試験問題:国語(茨城県下中等学校入学試験問題集、新教育紀行)

応用問題の「文章を読んで答える」問題は、文章が極めて短いです。

中学受験入学試験の国語の文章は、学校によっては、かなり長い場合があります。

それと比較すると、上の問題は「たった四行」の文章を読んで、答える問題です。

出題者

この文をよく読んで
次の問に答えなさい。

文章題というよりも、「きっかけの文章」のような形式です。

上の文章は「朝鮮に対する差別」があり、現代の視点では良くないですが、そのままお見せします。

易しい問題ですが、

出題者

「頭が進む」という意味を
分かりやすく言いなさい。

この問題を正確に、きちんと答えるのは、ある程度の学力が必要です。

上の問題を収録した書籍には解答用紙がなく、解答を上の()か「問題用紙に書く」のかは不明です。

算数など他の問題では解答を書く場所が少ないので、おそらく別に解答用紙がある、と考えます。

現代の中学受験であれば、

出題者

「頭が進む」という意味を
分かりやすく、30字以内で説明して下さい。

「〜文字以内で」という規定がある場合や、ある程度のサイズの解答欄があることが多いです。

最後の問題は、

出題者

なぜ、諸君にも大いに奮発して
頂きたいというのでしょう。

このような問題で、現代の問題としては「ちょっと問題文が曖昧」です。

問題の意図は、

出題者

なぜ、諸君にも大いに奮発して
頂きたいというか、説明して下さい。

このような意味であり、分かりやすいです。

この問題の「想定していた模範解答」は不明ですが、ある意味で奥深いです。

ここの「なぜ?」には、問題文に記載されていること以上のことを書く必要があると考えます。

すると、「問題文を理解」する以上に、「実生活や時代背景の理解」が大事となります。

筆者が中学受験生の頃から現代に至るまで、国語の問題では、

塾講師

国語の問題は、問題文に書かれていないことは、
答えになりません!

「全ての答えは、基本的に問題文にある」ことが前提です。

ここで、「感情の説明」などは、問題文の文章・言葉以外に適切に構成する必要がある場合もあります。

その一方で、「概ね出題の文章に書いてあること」が答えとなる、現代の中学入試国語。

それと比較すると、平易ながら奥深いと感じるのが戦前の中学入試国語でした。

次回から、理科・社会の問題を見てみましょう。

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