中学受験経験した親の適切な子どもへの接し方〜高いテンションをキープ・自分で志望校を最終決定・受験勉強する「本当の目的」・点数では偏差値ではなく合格〜|中学受験の今と昔3

前回は「中学入試した親と現代中学受験生の視点 〜昔の中学受験と今の中学受験の対策の違い・大事な「一題一題をきちんと理解する」姿勢〜」の話でした。

目次

受験勉強する「本当の目的」:点数では偏差値ではなく合格

新教育紀行
公園の桜(新教育紀行)

受験に合格するために最も大事なことは、当然のことですが「学力を高くする」ことです。

この「学力向上」が最優先になりますが、最も大事なことは「合格への強い思いを抱き続ける」ことと考えます。

僕はどうしても
A中学校に合格したいんだ!

私は、絶対に
B中学校に通学したい!

このような「合格への強い思い」を持ちながら、学習を続けるのが良いでしょう。

一方で、試験の点数で「判定を下される」立場の受験生たち。

とにかく、
成績をあげなきゃ!

勉強して
偏差値上げなければ!

勉強する目的は「行きたい学校へ合格するため」ですが、「成績・点数・偏差値を上げること」になってしまいがちです。

それはそれで良い面があるかもしれませんが、点数や偏差値ばかりを追いかけると疲れてしまうことがあります。

なぜ、
算数の点数が上がらないのだろう・・・

また、理科の偏差値が
悪かった・・・

「良ければ嬉しい」点数や偏差値という数字。

一方で、「悪ければ嬉しくない」では済まず、「悪ければ絶望的になる」のが成績や偏差値です。

少年・少女が、成績を上げるために一生懸命勉強をすることは、とても微笑ましいことで大事なことです。

ところが、「点数や偏差値ばかりを追い求める」のは本末転倒であり、精神衛生上良くないでしょう。

受験勉強する「本当の目的」

・自分が行きたい学校に合格する

・成績や点数や偏差値は「合格へのプラセス」の一つに過ぎない

「合格へのプラセス」の一つに過ぎない成績・点数・偏差値とは上手く付き合ってゆきましょう。

「成績・点数・偏差値が良ければ、合格する」のは現実ですが、目的は「合格すること」です。

そして、中学受験生・高校受験生・大学受験生たちは、

A中学校に合格できるように、
もっと算数頑張ろう!

B中学校に行けるように、
少しずつ理科の学力上げよう!

と考えて、一生懸命走り抜けて行けるようにがんばりましょう。

高いテンションをキープ:自分で志望校を最終決定

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

このように、受験生たちは高いテンションを保ち続けて、受験の最後の一年を乗り切りたいです。

そして、着実に学力を高めて行って、試験当日を迎えるのが最も望ましいです。

ところが、この「高いテンションをキープして学力を着実に上げる」ことは、結構難しいことです。

「言うは易く行うは難し」という言葉がありますが、まさにこれに該当します。

ここからは、中学受験を例にして話を進めますが、高校受験・大学受験でも同様です。

小学生といえども、6年生にもなれば男の子も女の子も、それぞれ自我があります。

はあ〜・・・
なんで、勉強しなければならないんだろう・・・

なんか、最近
勉強ばっかりでちょっと疲れた・・・

と考えることがあるのが普通でしょう。

むしろ、こういう感情を持たずに「粛々と勉強し続ける」方が「どうかしている」可能性があります。

人間は、時には「ちょっと疲れて嫌になる」のが普通です。

成績優秀だったら、テストがゲームみたいで楽しく感じられるかもしれません。

よっしゃ!
また算数の成績上がった!

でも、テストの成績が良くないと、

はあ・・・
また、図形問題できなかった・・・

誰しも「嫌になってしまう」ことがあります。

僕も成績が良くなかった時は、

社会は歴史なら、どんどん勉強したいけど、
地理は興味ない・・・

なんか、地理とか勉強したくないし、
もう嫌!

と思った記憶があります。

ファミコンもできず(今ならニンテンドースイッチでしょうか)、友達と遊ぶことも少なくなります。

帰宅したら勉強ばかりで、多くの子どもが週に1日〜3日程度、場合によってはもっと塾へ向かいます。

塾も友達ができると楽しいのですが、6年生の後半になるとだんだんストレスも多くなってきます。

あと半年で
本番だ・・・

私、本当に
合格できるかな・・・

出来るだけ「やる気」を持続させ、高いテンションを保つために大事なこと。

それは、受験生本人が、

僕の行きたい志望校に行きたいから、
勉強するんだ!

私は絶対
あの学校の制服着たいんだ!

と思えるようになるのが一番でしょう。

ただ「テストの点数を上げる」や「偏差値を上げる」が目標となってしまう、先には危険が潜んでいます。

うまくゆけば良いのですが、うまくいかない時にテンションが一気に下がってしまいます。

中学受験経験した親の適切な子どもへの接し方

新教育紀行
種子島(新教育紀行)

この「受験生自身が合格へ強い意欲を持つ」ために、最も大事なことがあります。

それは「子ども自身が志望校を決める」「親がある程度選んで、最後は本人に決めてもらう」のがベストでしょう。

とにかく、
太郎はX中学校に合格するんだ!

X中学校かあ・・・
よく知らないけど、勉強すればいいのかな?

受験生本人が半信半疑のまま、受験の一年を過ごすことになりかねません。

すると、「合格したい」という気持ちはあまり強くないでしょう。

例えば、親の方が中学受験をして、首尾よく第一志望に合格した経験を持っていると、

いいか、算数はこうやって
繰り返しやるんだ!

あるいは、

国語の読解問題は、
ここをこうやってやるんだ!

と子どもに教える場合もあるでしょう。

この「教え方」が上手で効果が高ければ良いですが、

パパは
昔こうやってな・・・

と「親の価値観」を押し付けられると、中学受験生の小学生といえども12歳になっているので、

はあ・・・
またか・・・

子どもは少し負担になるかもしれません。

それよりもむしろ、

パパは、どうしてもY中学校
行きたかったんだ・・・

それで、一生懸命勉強して、
苦手科目も少しずつ出来るようになったんだ!

こういう「良い経験談」を語る方が良いでしょう。

そして、「子ども本人が受験校を決める」のは難しいので、

太郎には
P中学かQ中学が良さそうだけど・・・

P中学はこういう感じで、
Q中学はこんな学校だ・・・

どちらの方が
楽しそうかい?

と聞いてあげるのが良いでしょう。

そして、学園祭・記念祭等の学校の諸行事に一緒に行くと良いでしょう。

僕はQ中学校の
方がいいかも!

僕が選んだ
学校に行きたい!

と受験生本人が主体性持って、テンションがキープされるのが最も望ましいです。

子どもが志望校を選んだら、

どうして
Q中学校がいいんだい?

と聞いてみましょう。

ん〜とね、
なんか学校の雰囲気が楽しそうだよ・・・

あとさ、体育祭とか一生懸命やってるし、
課外活動も楽しそう・・・

じゃ、いいじゃない!
Q中学行けるように頑張ってみな!

本人が好きであれば理由はなんでも良いと思います。

子どもは子どもなりに、塾で成績をつけられて、小学校でも苦労していることがあったりする場合があります。

自身が「中学受験をした」親は、出来るだけ良い面を見てあげて、励ましてあげましょう。

僕の時は、
〜が〜でな・・・

とお話しするのも良いですが、ネガティブな内容は伝えずに、ポジティブになれることを伝えてあげましょう。

模試の成績や合格判定に一喜一憂せずに、「良いところ、できたところ」を褒めてあげましょう。

そして、自信を持ってもらうようにしましょう。

「自信」は根拠があった方が良いのですが、根拠がなくても

僕ならQ中学校に
合格できそう!

私は、頑張れば
R中学校に合格できる!

と思うことは大事です。

そのためには、親は「上手く子どもを鼓舞する」のが良いでしょう。

新教育紀行

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