前回は「状況を上手く考えて旅人算を解くコツ〜「最大・最小」など算数的発想・上手く約分することを考える計算・「AxB」など掛け算は「そのまま」〜」の話でした。
「登場人物が三人」の旅人算
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今回は、1973年に武蔵中学で出題された速さの問題の改題を考えてみましょう。
原題は(1)のみで、筆者が(2)を追加しています。
前回の算数実践は旅人算で、今回も速さ・旅人算の問題です。
速さの典型例の問題で非常に重要なので、全ての中学受験生に取り組んで欲しい問題です。
前回の問題19では、

桜さんは、映画館に向かって
歩いていましたが・・・



途中でチケットを忘れたことに気づいて戻り、
戻っている途中で・・・



チケットを届けにきてくれた
お母さんと出会い、また向かいました。
「忘れ物をして、一度戻って再度向かう」という速さ・旅人算の典型的問題でした。
そして、家・公園などいくつかの場所が登場した問19に比べて、問20は、



三人が駅から
同じ方向に向かいました。
場所は、駅のみが登場するシンプル過ぎる設定です。
さらに、速さ・旅人算で頻出の「戻る」がなく、一方向に移動するのみです。
「登場人物が二人」であることが多いのに対し、「登場人物が三人」であることがポイントです。
算数の根幹である速さの問題:速さの理解と応用力の増強
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速さの問題には、旅人算・通過算・流水算などがあります。
そして、速さの問題は「速さ・時間・距離」が三大要素です。
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「速さ」を「流入量」に読み替えると、ニュートン算になります。
「速さ」を「仕事量」に読み替えると、仕事算になります。
これらの問題では、共通して「比が重要」です。
そのため、速さの問題をきちんと理解すると、算数の学力が大きく増強されます。
色々な文章題が解けるようになるでしょう。
ぜひ、頻出である「速さの問題」は、出来るようになって本番の試験に臨みましょう。
「基本をしっかり理解」して速さの問題を解くコツ
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速さの問題では、「同じ時間」では「速さの比=距離の比」です。
ここで「距離=進む距離」で、簡単にするために単に「距離」と書きます。
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「同じ距離」であれば、「速さの比=時間の逆比」となります。
ここで、これらの式を、「公式や丸暗記しない」姿勢が大事です。
これらの式は、「速さの意味を考えれば当たり前」のことですが、しっかり理解する姿勢が大事です。
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そして、これらの関係式は、逆の視点も重要です。
「同じ距離」であれば、「速さの比→時間の逆比」と同時に「時間の逆比→速さの比」です。
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ここで、速さの「最も基本」を復習しましょう。



これは
もう分かっているよ!
「もう分かっている」という人が多いと思われる、「速さに関する超基本的な式」です。
一方で、どの科目も「基本が最重要」であり、算数・数学はこの傾向が最も強い科目です。
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そして、最後に、速さの関係式で上の関係式をしっかり理解しましょう。



これも言われれば
分かるけど・・・



一つにまとまっているのが
良いね!
「速さ・時間・距離」の三つの関係は、「一まとめで理解」する姿勢も大事です。
それでは、問題20を考えてみましょう。
次回は(1)の解法です。
次回は上記リンクです。