前回は「理科のラストスパート〜豆電球はなぜ光るのか?・フィラメントが光る理由・超基礎を総復習する大事さ〜」の話でした。
学ぶ範囲が広すぎる理科の学習範囲:「応用問題の壁」が高い理科

今回は、中学受験生が理科を学ぶ際の基本姿勢に関する話です。

理科は、勉強する範囲が
広過ぎて・・・



まずは、色々と覚えることが
多くて・・・



さらに電気とか、バネとか
理解することが必要なことが沢山・・・



そういえば、実験問題とか、
対話形式の問題もあるよね・・・
考え方にもよりますが、中学受験の理科は、各科目の中で「最も学ぶ範囲が広い」科目と考えます。
物理分野:電気、バネ、てこなど
化学分野:水溶液の性質、化学反応など
生物分野:人体、生物、植物の成長や性質など
地学分野:天体、地層・岩石の性質など
ざっと考えただけでも、上の物理・化学・生物・地学分野、全て満遍なく学ぶ必要があります。
知識・暗記に加えて、きちんと理解することが必要なのは、各科目共通です。
暗記よりも、理解力が遥かに重要な算数においても、



こういう問題は、
こう考えるのが定石!
定石を理解して、場合によっては「暗記する」姿勢を考慮すると、算数も一定の暗記が必要です。



この公式を
知っていると、解きやすい!
さらに、算数には多数の「公式」もあり、公式を知っていると得点力アップになる傾向があります。
そして、理科は「算数と社会の性質を併せ持った科目」に近い科目です。
理科の化学・生物・地学分野は、ある程度は暗記する必要があります。
例えば、化学分野の水溶液の性質は、ある程度性質を理解・暗記している必要があります。


上の水溶液は、難関校以上を目指す中学受験生は「必須の知識」です。



これは、大体覚えたけど、
応用問題が難しくて・・・
どの科目でも、「基礎問題」と「応用問題」の間に壁がありますが、



一生懸命暗記したのに、
応用問題がなかなか解けない・・・
理科は、特にこの「応用問題の壁」が高く感じられる傾向が強いです。
一つの得意分野をしっかり固める理科の学習:「暗記する質」を重視





とにかく、もっともっと
暗記を増やして、基礎力つけなければ・・・



物理・化学・生物・地学の4つの
分野のうち、3つが暗記中心だからね・・・
物理が理解力中心に対して、化学・生物・地学の3つは「暗記中心」と感じる人が多いです。
確かに、化学・生物・地学は、「一定の基礎知識がないと手も足も出ない」傾向があります。



そうだよね・・・
だから、結局暗記だよね・・・



とにかく、覚えている人が
良い点取る傾向があるよね・・・
知識は多い方が良い面がありますが、ここで「ひたすら暗記」は「しない」ようにしましょう。
理科の根源はサイエンスなので、暗記することも内容を理解することが大事です。


例えば、酸性・アルカリ性・中性の水溶液の性質の場合は、上のようなイメージが大事です。
水溶液の性質に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
これらのイメージがなくて、ひたすら「〜と〜は酸性」と暗記しても、



下記の水溶液から
酸性の水溶液を全て選びなさい・・・
このような「直球の問題」は少数であり、大抵は「性質理解を前提とした応用問題」が多いです。



確かに、何が酸性か、って
尋ねる問題は、少ないかも・・・



でも、結局は、暗記していることが
前提だよね・・・
「暗記していることが前提」に関しては、様々な意見がありますが、「ただ暗記」は効果が低いです。
そして、「とにかく暗記」をすると、基礎問題が出来るようになりますが、



とにかく、水溶液の性質は
全部暗記したけど・・・



応用問題が、あまり
解けない・・・
このように、「理解力を置き去りにした暗記」は、途中から「成績が上がらなくなる」可能性が高いです。
そこで、「暗記する量」よりも「暗記する質」を重視する学びをお勧めします。
・「暗記する量」よりも「暗記する質」を重視
・「ひたすら暗記」ではなく、性質などを「理解しながら暗記」
「暗記する質」を重視する学びは、「遠回り」に感じる人もいるかもしれません。



「暗記する質」を上げるって、
どういうこと?
一方で、この「暗記の質」を高めて、「暗記した知識が活きる」ようにすると応用力がアップします。


化学を学ぶと、必ず知る必要がある水酸化ナトリウムは、上のような「白い粒状の個体」です。



水酸化ナトリウム水溶液が
アルカリ性なのは知っているけど・・・



水酸化ナトリウムが
固まった状態は知らなかった・・・



僕も知らなかったけど、
面白いね!
この「雪のように白い」水酸化ナトリウムは、見た目からして「酸性ではなくアルカリ性」という感じがします。



確かに、この白い感じは
アルカリ性っぽいね・・・



こう感じると
面白いかも・・・
理科は、この「面白いかも」という気持ちが最も大事な科目です。
そして、お勧めなのは「一つの得意分野を固める」ことをお勧めします。



僕は、電気とかバネとか
好きだから、物理が得意かな・・・



私は、天体とか地層のことが
好きだから、地学が得意かも・・・
中学受験〜大学受験では「満遍なく得意」な人が有利な傾向があるのは、事実です。
一方で、物理・化学・生物・地学「全て満遍なく」は、とてもハードルが高いです。
自信持つためにも、まずは「一つの得意分野をしっかり固める」学びをしましょう。
・物理・化学・生物・地学「全て満遍なく」ではなく、一つの得意分野を固める
・その得意分野を得点源にして、自信もって他の分野も学ぶ