前回は「電流とは何か?〜「基本の復習と理解」が大事な直前期・とても身近な電気・思考力を問いやすい電気と電流の問題〜」の話でした。
なぜ「師管」という名称なのか?〜師匠を意味する師〜

今回は、生物の話です。
中学受験の理科の分野は、非常に広く、さらに結構奥深いです。
そして、理科の生物や地学に関する問題は、実験問題や計算問題もありますが、多くは暗記問題です。

図1で〜の
部分の名称を答えなさい。



これらの植物の共通点は
なんですか?
部分の名称や共通点など、色々な知識を覚える必要があり、「知らなければ解けない」問題が多いです。
今回は、生物の勉強の初期に登場する「師管と道管」に関して、考えてみましょう。



これは、随分前に
やったけど、分かるよ!
「師管と道管」はすぐに分かる人もいれば、



師管と道管・・・
最近やってないから、あやふやかも・・・
少しご無沙汰なので「あやふや」な人もいるでしょう。
「師管と道管」は、その形状や役割が大事で、覚える必要があります。
ここで、「道管」は、名称として分かりやすいですが、「師管」は分かりにくいです。
水分が通る「道」の「管」である道管。
対して、栄養分が通る同様に「道」の「管」であるのに師管と言う名称です。





良いか、みんな!
色々な書物を読み・・・



様々な情報を
得ることが重要なのだ!



はいっ!
松蔭先生!
そもそも「師」は師匠などを意味し、例えば、高杉晋作たちにとって吉田松陰が当たります。
松下村塾に関する話を、上記リンクでご紹介しています。
この「師」と言う名前を冠する師管。
漢字には意味があり、漢字によって作られた様々な名称は「漢字による意味」があるはずです。
必ずしも「漢字による意味」があるのではなく、例外は「音・読み方で漢字を当てる」場合もあります。


北海道には、厚岸や積丹など「日本語っぽくない」地域の名称が多数あります。
これらは、ほとんどが「アイヌ語が語源」であり、「アイヌ語の読み方に漢字を当てた」結果です。
これらを「当て字」と呼びます。
それでは、師管と言う名称は「師匠の意味」なのか「当て字」なのか。
師管は「師匠」という意味であるほど、「管の中で強い存在」なのでしょうか?
師管と言う名称には、どんな理由がありますか?
少し考えてみましょう。
師管の「師」の意味:篩(ふるい)のような形状と簡略化


実は、師管の「師」の漢字には、きちんとした意味があります。
師管は、かつての生物学において「篩管」と記載されていました。



この「篩」って字は
知らないけど・・・
この「篩」という字を読んで、すぐに分かる人は大人も含めて、かなり少数です。
この「篩」と言う字は「ふるい」と読みます。
篩(ふるい)は、粒や粉などをふるい落として大きさを調整する機器です。



最近使ってないけど、
お料理で使ったことがある!



でも、なんで「ふるい」が
出てくるんだろうね・・・
ここで、参考書やテキストで「師管と道管」を復習して、図や写真を見てみましょう。



あっ、師管って
「ふるい」みたいな形だね!
元は「篩(ふるい)」に形状が似ているため、「篩管」と名付けられました。
ところが、「篩」の漢字が常用漢字ではないため、「竹冠をとって師」として「師管」になりました。
・形状が篩(ふる違)に似ていることから「篩管」と名付けられたが、簡略な字として篩を師と記載した。
暗記ばかりの生物ですが、こうした「形状の特徴」も大事です。
「丸暗記」も良いですが、ぜひこうした意味も理解して、生物を復習してみましょう。
そして、「師管と道管」の復習の際には、ぜひ絵を描いてみましょう。
図や写真を「ただ見る」よりも、簡単でも大体でも良いので、絵を描くと理解が深まります。