前回は「なぜ「師管」という名称なのか?〜師匠を意味する師・師管の「師」の意味・篩(ふるい)のような形状と簡略化〜」の話でした。
書いて知識を総復習する直前期:「漢字で答える」に万全な姿勢

今回は、理科の性質の話です。
中学受験の理科では、バネ・てこ、電気など理解力を問う問題と、知識を問う問題があります。
そして、実験問題などで、「知識をもとに理解力を問う問題」があります。
計算などによって解く問題以外は、基本的に知識が重要であり、例えば化学の分野だと、
男子小学生リトマス紙と
フェノールフタレインの反応はバッチリ!



でも、時々
BTB液は色を間違えることがある・・・
酸性・アルカリ性・中性などの水溶液の性質に対して、様々な薬品の色を覚える必要があります。
フェノールフタレインに関する話を、上記リンクでご紹介しています。



AからFまでの水溶液に
対して、赤色リトマス紙をつけたら・・・



BとCのみが
青色になりました。



残りの、A,D,E,Fの
臭いをかぐと臭いがしたのは・・・
6〜7種類程度の水溶液が登場し、様々な性質を調べて、それぞれを突き止める問題も多いです。
こうした問題は、ぜひ得点したいので、直前期は基礎知識を総復習しましょう。
Water_N120m_ts
ある程度知識が固まった直前期は、読むだけではなく、書いて暗記力を増強することをお勧めします。
書くと時間がかかりますが、「見るだけ」よりも知識としてしっかり定着する傾向があります。
・形状が篩(ふる違)に似ていることから「篩管」と名付けられたが、簡略な字として篩を師と記載した。
「師管」という言葉は比較的覚えやすいですが、言葉で言っていると、



〜の部分の名称を
漢字で答えなさい。
このような問題の時に、



これは「「し管」だけど、
「し管」って、漢字でなんだっけ?
このように「漢字で答える」時に、答えられないことがあります。
ぜひ、漢字で書いて、知識をそう復習しましょう。
酸素とは何か?:「丸暗記」ではなく「そもそも何か」を理解


今回は、下記のような問題を考えてみましょう。
酸素とは何ですか?簡潔に説明して下さい。
入試問題では、



〜を60字以内で
説明しなさい。
説明する問題では、字数制限があることが多いです。
字数制限は「80%程度の文字数があればOK」であり、内容が大事です。
そこで、字数は別に考えてみましょう。
実際に、「酸素とは何か?」を書いてみましょう。


仮に、この問の配点が3点である場合、解答例をもとに点数をつけてみましょう。
A.空気中にあるもの。(1点)
B.過酸化水素水に二酸化マンガンを加えると発生する気体(1点)
C.地球の大気中に約21%の割合で存在する気体。(2点)
D.地球の大気中の約21%であり、燃えるために必要な気体。(3点)
E.色もにおいもなく、その中で物を燃やすと空気中で燃やすよりもよく燃える気体。(3点)
模範解答例:地球の大気中に約21%の割合で存在し、色もにおいもなく、ものの燃焼を助ける性質を持つ。
Aは、「ほとんど何も説明していない」ので1点か✖️です。
Bは、「酸素がどう出来るか?」を的確に説明していますが「一つの側面」なので1点です。
酸素をつくる方法は、他にも沢山あり、この「過酸化水素水+二酸化マンガン」は一つに過ぎません。
Cは、「酸素という存在」を説明していますが、もう少し理科的視点が欲しいので2点です。
ここで割合は「約」なので、「約20%」でも良いでしょう。
Dは、酸素の存在と性質を的確に書いているので3点です。
Eは、酸素の複数の性質を的確に述べているので3点です。
模範解答例は「一つの例」であり、「人間の生存に必要な気体」も良いでしょう。
理科において、



〜とは
何ですか?
このように尋ねられた場合は、「性質」に触れる姿勢が大事です。
Bの解答を思いついた人は、少し「丸暗記」に走り過ぎと考えます。
暗記も大事ですが、「そもそも何か?理由は?原理は?」を探求するのが理科です。
とても身近な空気に関して、復習しておくと良いでしょう。


