前回は「「読解力」を上げるコツ〜「現代文は日本語」という認識・中学高校で学ぶ古文と漢文・歴史における中国の影響と文章〜」の話でした。
増えつつある記述への対策:選択肢問題と記述問題の違い

中学受験の国語の出題形式は、大きく分けて「3つの型」があります。
出題者〜部の内容に関して、
最も相応しいものを選んで下さい。



〜部の内容に関して、
同様な意味を示す言葉を〜字で抜き出しなさい。



〜部の内容に関して、
どのようなことが理由か、簡潔に書きなさい。
他にも問の形式は様々ですが、概ね上記のタイプに分けられると考えます。
どの科目も、志望校によって「出題形式の傾向」があり、それに合わせた学びが必要になります。
全科目において、最も大きな違いは「答えのみが中心」か「記述が中心」かです。
この違いは、とても大きいため、



僕の志望校は、
結構記述が多いよ!



私の志望校は、
答えのみが基本かな・・・
「記述」か「答えのみ」か、の回答手段に応じた学習が重要です。
筆者は「原則として記述式が好ましい」と考えています。
近年、記述式の問題を増やしている学校があり、「記述が全くない」学校は小数になる傾向があります。
記述には、



〜部の内容に関して、
どのようなことが理由か、簡潔に書きなさい。
このように、ある程度解答者の裁量権に任せる問や、



〜部の内容に関して、どのようなことが理由か、
文中の語句を使って簡潔に書きなさい。
「文中の語句の使用」を条件としている問もあります。
いずれにしても、文章を適切に理解して、簡潔にまとめる力が試されています。



〜部の内容に関して、
最も相応しいものを選んで下さい。
これに対して、「最も相応しいもの」を選ぶ選択肢の問題は、「違うものを消す」が鉄則になります。
ある意味「最も相応しい」は、「主観による部分」もありますが、



イとウの選択肢は
近いが、ウはここが違うように・・・
出題者によって、選択肢は巧妙に作られており、「文章内容に適合する」選択肢は一つになります。
この「選択肢を選ぶ」と「記述を書く・作る」姿勢は、ある程度は「相反する」姿勢とも言えます。



記述も選択肢も
両方出るけど・・・
「選択肢と記述両方」の場合は、満遍なく学習する必要があり、負担が大きい傾向があります。
「両方」の時は、「記述を重視」する姿勢が良いと考えます。
国語と社会の記述力アップ:国語記述と社会記述の類似性の認識と総合力up


今回は、国語の記述力をアップする話です。
特に直前期に意識すると良いのは、「国語記述と社会記述を同一視」する姿勢です。
一般的に、各学校において、「国語と社会の出題形式が似ている」傾向があります。
例えば、「国語で選択肢中心で、社会では記述が多い」ということは少ないです。
あるいは、「国語で記述が多く、社会では選択肢中心」と言う例も少ないです。
大抵の場合は、国語と社会の出題形式で「記述と選択肢のバランスは似ている」傾向が強いです。



確かに、僕の志望校の
国語と社会の出題形式は似ているかも・・・



でも、それって
なぜだろう・・・
国語は国語科の教員が、社会は社会科の教員が問題を作成しています。
そのため、「異なる専門家」が問題を作成していますが、



ここは、記述で
問いたいな・・・
同じ学校に在籍し、共通の教育理念の基に教育を推進しているため、「指向性が似る」と考えます。
hs09MSS1990_03ts
国語も社会も記述中心である武蔵中学の出題は、特徴がかなり強いです。
上の問題を考える話を、上記リンクでご紹介しています。
麻布中なども記述が多いことで有名です。
社会の記述問題は様々なタイプがあり、社会は「歴史背景」などの知識が必要です。



文中で、ネルーが日本の歴史を誤解していると
思われる箇所があります。それはどのような点ですか。
例えば、この「ネルーが日本の歴史を誤解している」に対しては、一定の知識が必要です。
それに対して、国語は「知識ではなく読解力中心」となります。
国語の文章を読む際には、ある程度の語彙力などの知識が前提となります。
・国語:一定の語彙力などの知識が前提
・社会:一定の歴史背景や地理などの知識が前提
このように「一定の知識を前提」としている点では、国語と社会には類似性があります。
社会の選択肢問題は「完全に知識前提」であることが多いです。
それに対して、記述では「一定の知識」を前提として、「文章を読んで答える」ことが多いです。
この点で、社会の「文章読んで記述で答える」問題は国語の「文章読んで記述で答える」と似ています。
様々な学力がついてきた直前期は、「国語記述と社会記述の類似性」を認識して学ぶと良いでしょう。
そして、「国語記述と社会記述を同一視」するくらいの姿勢で学ぶと視野が開けると考えます。
その結果、国語と社会の両方の総合力がアップし、選択肢に対する力もアップするでしょう。


