前回は「河川の流域面積とは何か?〜「川の長さ」不動のトップの信濃川の真実・信濃川と千曲川・急傾斜の日本の河川の断面図〜」の話でした。
地理は「地形を理解」して総合力アップ

中学受験から大学受験の地理は、「ひたすら暗記」の雰囲気があります。
男子小学生歴史も「ひたすら暗記」
じゃないの?
人によっては、歴史も「ひたすら暗記」に感じるかも知れません。
筆者は、歴史は「ひたすら暗記」ではなく、「人が生み出したストーリーを学ぶ」ことと考えます。
歴史を「ひたすら暗記」ではなく、流れを楽しんで学ぶ話を上記リンクでご紹介しています。
筆者は小学生・中学受験生の頃、歴史は大好きでしたが、地理は苦手でした。
「人と人が生み出す物語」である歴史に対して、地理は「地形や河川」などを「ただ覚える」ように感じました。
ここで、受験期後半から直前期は「ただ暗記」よりも「理解を深める」姿勢をお勧めします。


上のような「川の長さ上位」や「河川流域面積上位」は、暗記必須と思われます。
ここで、河川名を「単語としてひたすら暗記」すると楽しくなくなる可能性があります。
今回は、入試問題の出題例として、「少し変化球の問題」を考えてみましょう。
北海道における最も長い川を4つ挙げ、それぞれの川が流れる先の海の名称ごとに分けて下さい。
このように、地理の問題で「川の流れの出口」を問う問題は、興味深いです。
現代の中学受験などにおける具体的な例を筆者は知りませんが、今回はこの問題を考えてみましょう。
上の、「川の長さベスト5」において、北海道の石狩川と天塩川がランクインしています。


広大な土地を持つ北海道は、やはり川の長さも広いです。
北海道は、上の地図の通り、日本海・オホーツク海・太平洋の三つの海に囲まれています。
北海道の川は、これらの三つの海のいずれかに入って(流れて)ゆきます。
「暗記科目」の地理ですが、地理は「地理を理解する」ような学びが望ましいです。
地理の語源の由来は諸説あり、ギリシャ語の「土地(Geo)」と「記述(graphy)」が有力です。
これが事実ならば、日本語では「地理」ではなく「地記」になりそうです。
最後の総まとめの直前期では、地理は「地形を理解」して総合力を上げましょう。
北海道の川の長さベスト4は?:川の流れる先の海はどこ?


早速、具体的な答えを見てゆきましょう。
日本の川の長さNo.3の石狩川は、上の図のような川です。


川の長さNo.4の天塩川は、上の図です。


十勝川は、川の長さ156kmで、上の図です。


釧路川は、川の長さ154kmで、上の図です。
図を見ると、十勝川の方が釧路川より大分長いように感じますが、公式の長さは同等です。
石狩川と天塩川:日本海
十勝川と釧路川:太平洋
答えは上のようになります。
この問題が「記述(文章)で答えて下さい」ならば、下記が解答例になります。
模範解答例A:北海道における四つの長い川は、石狩川、天塩川、十勝川、釧路川であり、石狩川と天塩
川は日本海に、十勝川と釧路川は太平洋に流れる。
模範解答例B:北海道における四大河川は、石狩、天塩、十勝、釧路であり、石狩川と天塩川は日本
海に、十勝川と釧路川は太平洋に注ぐ。
模範解答例のAとBは、ほとんど同じですが、Bの方が少し大人びた書き方です。
「河川は」と記載しているので、「石狩、天塩、十勝、釧路」と「川」を略しています。
そして、流れる海に関して「流れる」が普通の書き方で、「注ぐ」と主体を川にしています。
北海道の北東側・オホーツク海に流れる川は、川の長さが比較的短い傾向があることが分かります。
このように、地理は「ただ暗記」ではなく、地形の傾向を自分なりに理解すると良いでしょう。
地理は「地形・場所の理解」が重要なので、地形と場所を総復習すると良いでしょう。


