前回は「社会の知識+理解増強1〜岩倉使節団正使と副使の名前と出身・知識から見えてくること・「ただ暗記」ではなく「暗記して理解」〜」の話でした。
社会の知識+理解増強2:米国から急遽帰国した岩倉使節団大幹部は誰か

前回は、上の岩倉使節団大幹部の人名と出身をまとめました。
A.岩倉具視:5.公家
B.木戸孝允:2.長州藩
C.大久保利通:1.薩摩藩
D.山口尚芳:4.肥前藩
E.伊藤博文:2.長州藩
明治新政府の大幹部の多数が、世界一周を成し遂げた岩倉使節団。
今回は、この岩倉使節団に関する問2を考えてみましょう。
岩倉使節団は、最初に米国を訪問して大歓迎を受けました。
ところが、ワシントンで米国の国務長官(外務大臣)から「全権委任状がない」と指摘されました。
この事態に対し、上の写真の五名から二名が急遽帰国し、明治天皇から全権委任状を受け取りました。
その二名を漢字で答えて下さい。
この「急遽帰国」は、少し細かい知識です。
最難関校志望の受験生向けで、少し考えてみましょう。
稚拙な政府だった明治新政府:外交の常識「全権委任状」不備

C.大久保利通とE.伊藤博文
岩倉使節団の大幹部が「急遽帰国せざるを得なかった」という大事態には、理由がありました。
米国政府Japan(日本)のみなさん、
我がUnitede States(米国)へようこそ!



これは、これは・・・
よろしくお願いします!



あの人たちが、
Japanの政府の人たちだって!



髪の色や顔つきが
全然私たちと違うわ!



東洋人って初めて見たけど、
なかなか立派じゃないか!



Japanese(日本人)って、
なかなか良いじゃない!
「思わぬほどの大歓迎」を受け、テンションが上がった岩倉たち。





こんなに
大歓迎されるとは・・・



この大歓迎っぷりだと、
交渉も良い感じになりそうだ・・・
そして、意気揚々と交渉に臨みました。



それでは、交渉に
入らせて頂こうと思います。



まずはJapanのEmperor(天皇)の
全権委任状をお見せ下さい。



ぜ、全権委任状
ですと?



そんなものは
持ってきておりませんが・・・



それでは、あなた方が
正式な「Japanの政府の権限」を持つか不明ですが・・・



全権委任状はありませんが、
我らは確かに日本国の正式な使節です!



全権委任状があって、
初めて外交交渉は始まるのです。



私たち西洋社会では
常識ですが・・・



・・・・・
こうピシャリと言われてしまった岩倉たち。
最優先課題であった外交交渉が「始まらない」事態になってしまいました。



困ったな・・・
全権委任状か・・・



そんなに大事な書類を忘れて
しまったか・・・



なんと・・・
なんということだ・・・



岩倉様、
やむを得ません!



私と伊藤が、すぐに帰国して、
取ってきましょう!
全権委任状がなければ「始まらない」事態に対し、大久保と伊藤は急遽帰国して取得しました。



よしっ!
この全権委任状を持って、またワシントンへ!
その上で、再び米国に向かいました。
この「全権委任状を忘れた」事実は、明治新政府が「非常に稚拙な政府」であったことを示しています。
この点は歴史の知識としては細かいですが、当時の「世界における日本」の状況を如実に示しています。
ぜひ、知っておくと良いでしょう。
岩倉使節団に関して、上記リンクも参考にして下さい。


