水素・酸素・二酸化炭素にろうそくを入れたら、炎はどうなるか?〜小学校の理科で最も大事な「ものの性質」・アルコールランプと炎・燃える水素・燃えない酸素の助燃性〜|2025理科応用力増強8・中学受験

前回は「雲はどのように出来るか?〜「身近な理科の現象」をしっかり理解・水蒸気と湯気と雲・「分からない」時は身近な現象と比較〜」の話でした。

目次

小学校の理科で最も大事な「ものの性質」:アルコールランプと炎

アルコール・ランプ(Wikipedia)

小学校の理科の授業では、理科実験が楽しいです。

そして、理科実験では、上のアルコール・ランプを使用して色々なものを熱する実験があります。

筆者が小学生の頃は、「石綿式金網」という白い石綿が敷かれた金網を使用しました。

石綿は別名アスベストであり、その後「使用禁止」となり「石綿式金網」は消滅しました。

現在の小学校5〜6年生の理科実験で、アルコール・ランプがどの程度使用されているか。

筆者は知りませんが、小学生の理科実験では、アルコール・ランプで実験する事は大変良い学びと考えます。

ひょっとしたら、最近はガスバーナーを使用することが多いかも知れません。

アルコール・ランプ、ガスバーナーは共に取り扱いが危険なため、最近は実験が少ないかも知れません。

New Educational Voyage
豆電球のキット(新教育紀行)

理科実験では、豆電球を使用した実験も楽しいです。

上のキットは、筆者の子どもが小学4年生の頃に学校の理科実験で使用したキットです。

これらの理科実験は、理科の好奇心を育て、理科の本質を理解するためには最も良いと考えます。

理科は知識や暗記も大事な面がありますが、最も大事なことは「様々なもの」の性質です。

2025理科直前期の問8

水素、酸素、二酸化炭素をそれぞれ満たし、蓋をした3つのビンがあります。

それぞれの瓶に、火を灯した蝋燭(ろうそく)を入れた時、起こる変化を説明して下さい。

今回は、このような問題を考えてみましょう。

水素・酸素・二酸化炭素にろうそくを入れたら、炎はどうなるか?

ガスバーナーの使い方(日本理科教育振興協会)

小学校・中学受験の理科において、「炎の問題」は上のガスバーナーの使用方法が多いです。

空気調整ネジとガス調整ネジの「開け閉めの順序」には、理由があります。

丸暗記ではなく、「理由を理解して覚える」ようにすると良いです。

2025理科直前期の問8:「水素・酸素・二酸化炭素にろうそくを入れたら、炎はどうなるか?」解答例

A.ろうそくの炎を水素のビンに入れたら消え、酸素のビンに入れたらよく燃えて、二酸化炭素のビンに入れたら消える。(1〜2点)

B.ろうそくの炎を水素に入れたら消えて水素が燃え、酸素のビンに入れたら盛んに燃えて、二酸化炭素のビンに入れた直ちに消える。(2〜3点)

C.ろうそくの炎を水素のビンに入れたら消えて、水素が燃えるがビンから取り出すと再度点火し、酸素のビンに入れたら盛んに燃えて、二酸化炭素のビンに入れた直ちに消える。(3点)

模範解答例:ろうそくの炎を水素のビンに入れたら消えて、水素は無色透明に近い色で燃えてビンから取り出すと水素の炎から点火して再び燃え、酸素のビンに入れたら赤く盛んに燃えて、二酸化炭素のビンに入れた直ちに消える。

この問題をきちんと答えるのは、一定レベルの大学生・社会人でも難しい点があります。

そのため、中学受験レベルでは、上のA(1点)が2点(3点満点)になると考えます。

Aでは、事実を記載していますが、水素が燃える点があると良いです。

小学校のテスト・中学受験では、Aの答えでほぼ良いように思います。

ここで、二酸化炭素で「直ちに」消える点があると良いので、Aはやや減点で1〜2点です。

Bでは、水素が燃えること、二酸化炭素に入れると「直ちに消える」点を書いているのが良いので2〜3点。

小学生〜中学生ならば、ここまで書ければ良いでしょう。

Cは、模範解答例に近く、水素のビンから取り出す際に「再度点火」することを書いているのが良いです。

模範解答例は「模範」であり、高校生ならば、ここまで書けることを目指すと良いでしょう。

小学生・中学受験生は、Bで十分と考えます。

燃える水素:燃えない酸素の助燃性

新教育紀行
空と雲(新教育紀行)

この問題では、

出題者

ろうそくを水素・酸素・二酸化炭素に
入れたら、どうなりますか?

ろうそくの炎が「これらの気体に入れたら、どうなりますか?」と入れた時を聞いています。

そのため、「出した時を答える必要はない」問題でもあります。

水素は可燃性があり猛烈な勢いで燃えるため、とても危険ですが、「助燃性がない」点が重要です。

水素の性質

・水素は可燃性で、火や炎は無色透明で高い温度で強く燃える

・水素には助燃性はない

水素は非常に軽い気体で、空気中に「ほんのわずか」に存在します。

酸素の性質

・酸素自体は燃えない

・酸素には助燃性がある

酸素は燃える印象がありますが、酸素自体は燃えません。

酸素には、物が燃えるのを促進する「強い助燃性」があります。

二酸化炭素は火や炎を消す効果があり、消化器などに使用されます。

水素・酸素・二酸化炭素に関しては、これらの理解を押さえておきましょう。

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