前回は「実験をしている気持ちで学ぶ理科〜「立体でリアル」で楽しい実験・電気や性質の一覧表とパターン分け・解けない応用問題〜」の話でした。
リトマス紙と色の変化:「一覧表丸暗記」ではなく「性質のイメージ」

今回は、理科の「暗記項目」と考えられることが多い、水溶液の性質に関する話です。
「水溶液の性質」というと、まずは「酸性・アルカリ性・中性」の分類が筆頭に上がります。

水溶液A,B,C,Dがあり、
全てに青色リトマス紙をつけると・・・
このように複数の水溶液が登場して、リトマス紙をつけたり、



それぞれの水溶液を
蒸発させたら、固体が残ったのは・・・
「蒸発させたら固体が残った」など、いくつかの「特有の性質」を題材にする問題が多数あります。



こういう問題は、知らないと
解けないから・・・



とにかく暗記するのが
大事だよね・・・
理科は、水溶液の性質や生物・地学分野の暗記項目が多数あり、「知らないと解けない」問題が多いです。
これらの水溶液の性質は、参考書などで「一覧表にまとめられている」ことが多いです。



とりあえず、あの一覧表を
丸暗記するように、塾で言われたよ・・・



大体は暗記出来たけど、
ちょっと不安なところがある・・・
「一覧表を丸暗記」の人や、語呂合わせの人もいると思います。
筆者は個人的に語呂合わせは、あまり好きではないのでお勧めしませんが、好きな人は良いと思います。
水溶液の性質の一覧表を丸暗記することは、大事かもしれませんが、



一覧表は丸暗記したはずなのに、
水溶液の問題が解けないことがある・・・



色々な性質が多すぎて、
覚えたはずなのに、間違えることがある・・・
このように、「一覧表丸暗記」しても「解けない」ことがあります。



水溶液A,B,C,Dの中で
酸性の水溶液を選びなさい。
問題のレベルによりますが、応用問題では「酸性はどれですか」という直球の問題は少数です。
色々な性質が登場して、「推理するように解く」ことが多いのが応用問題です。
これらの問題を解けるようになるためには、基礎的な知識を習得・暗記することは大事です。
ここで、「ただ暗記」ではなく、しっかりと理解する姿勢が良いです。
「ただ暗記」や「ひたすら暗記」は、苦痛に感じる人が多いと思います。
水溶液の性質は「一覧表丸暗記」ではなく、「性質のイメージ」を理解しましょう。
酸性・アルカリ性とリトマス紙の色の変化を、「丸暗記」ではなく、しっかり理解することが大事です。
危険な酸性と優しいアルカリ性:赤信号と青信号
Water_N101m_ts
中学受験で登場する、代表的な水溶液を酸性・アルカリ性・中性に分けたのが上のメモです。
これらの性質が、きれいに一覧表にまとめられた参考書や問題集を見て、



この一覧表を
丸暗記するんだ!
このように考える人が多いですが、「見るだけで頭に入れる」のは、かなりハイレベルです。
「学びの姿勢」が固まってきた高校生以上ならば、「見て頭に入れる」が出来る人も一定数います。
まだ「学びの姿勢」が確立していない小学生は、「見るだけで頭に入れる」のは大変難しいです。
そこで、上のメモのように、ノートに自分なりに書いてみることをお勧めします。
歴史を「自分なりに書いて理解」する話を、上記リンクでご紹介しました。
今回も、罫線がない自由なノートで、水溶液の性質を簡単にまとめてみましょう
まずは、酸性・アルカリ性・中性のまとめを、ノートに表現してみましょう。
Water_N102m_ts
まず、ただ「酸性・アルカリ性」に分けて暗記するのではなく、酸性とアルカリ性のイメージが大事です。
酸性は、強い酸は「色々なものを溶かす」性質もあるので、「危険なイメージ」です。
対して、アルカリ性にも危険な水溶液がありますが、概ね「優しいイメージ」です。
そして、「酸性=危険な赤、アルカリ性=優しい青」のイメージを頭に入れましょう。



酸性は危険な赤、
アルカリ性は優しい青、だね
ここで、「ただイメージする」だけではなく、上のように赤と青の色鉛筆かマーカーで書くと良いです。


赤は「赤信号のイメージ」で、赤は危険・緊急などのイメージが強いです。



消防車は真っ赤だし、
赤は色々見かけるね!


青は「青信号のイメージ」で、上の写真では「緑」ですが、青信号は「進んで良い」です。



空も海も青だから、
自然の温かみがあるね!


青は、優しいイメージがあり、清々しい印象があります。
Water_N103m_ts
続いて、これらの性質全てに「赤色」と「青色」を下線を引いたり、塗ってみましょう。
すると、「赤色リトマス紙」に対しては、「赤の酸性」は「そのままの赤」です。
対して、「青のアルカリ性」は「赤色リトマス紙を青くする」ことになります。
Water_N105m_ts
そして、「青色リトマス紙」に対しては、「赤の酸性」は「青色リトマス紙を赤くする」です。
「青のアルカリ性」は「そのままの青」です。
Water_N106m_ts
つまり、リトマス紙に対しては、「酸性は、ずっと赤」で「アルカリ性は、ずっと青」です。
中性は「どちらでもない」です。



「酸性は、ずっと赤」で
「アルカリ性は、ずっと青」は分かりやすいね!
このような「酸性とアルカリ性に対するイメージ」は一例です。
・酸性=危険な赤、アルカリ性=優しい青
・リトマス紙:酸性は、ずっと赤+アルカリ性は、ずっと青
「イメージ」は、個性に合わせて「自分なりに感じたこと」で良いと考えます。
そのため、「イメージ」には、「正しい」「正しくない」はないと考えます。
このように、自分なりに手で書いてまとめて理解してみましょう。
すると、頭の中にしっかり残って、結果的に暗記がはかどるでしょう。
次回は、BTB液のまとめです。
次回は上記リンクです。