前回は「「賊の一味」西郷従道の説得と浩の回答〜靖国神社に祀られぬ西郷隆盛・賊西郷隆盛たち西郷家四兄弟の肖像:西南戦争と戊辰戦争で戦死〜」の話でした。

参議・農商務卿西郷従道の説得に応じた浩

西郷従道いかがごわすか・・・
咲子さんにお伝え頂けませんか・・・



まずは、咲子さんが
(大山)巌を、どう考えるか・・・
戊辰戦争以来の「歴戦の士」であり、「西郷隆盛の弟」であり、当時、参議・農商務卿であった西郷従道。



は、はぁ・・・
ま、まずは・・・



まずは
咲子に聞いてみましょう・・・
西郷従道に説得された山川浩は、こう答えました。



西郷従道 参議・農商務卿に
ここまで低姿勢に出られて・・・



「ダメです」なんて、
言えるか・・・
形式は「説得」でしたが、ある意味では、実態としては「脅迫」に近い状況でした。



有難う
ごわす・・・
「参議・陸軍卿の大山巌と妹・咲子の結婚話」に対して「参議・農商務卿 西郷従道」が出てきました。
二人の超大物相手に、「歩兵陸軍大佐」の山川浩は「説得されざるを得ない」状況でした。



まずは、西郷参議の
要望には応じなければ・・・
顔が厳しく引きつったままの状況の山川浩に対して、



山川どん・・・
本当に有難うごわす・・・



おいどんの話を
聞いてくれ・・・



おいどんは、山川どんに
心底感謝し申す・・・
写真の通り、温厚な人物だった西郷従道は、こう言って深くお辞儀しました。



さ、西郷参議、
そのように為されないで下さい。
浩は、必死に「頭を下げる」西郷従道に対して、こう言いますが、



山川どんのお気持ちを
考えると・・・



おいどんは、何度でも
お辞儀をしたい気持ちになるごわす・・・
こう言った西郷従道は、



本当に、
よくぞ・・・



よくぞ、おいどんの
言い分を聞いてくれ申した・・・
今度は、山川浩に対して、最敬礼のお辞儀をしました。
現代の「皇族に近い」明治時代の「参議」:譲歩に譲歩重ねた浩


現代なくなってしまった「参議」という職。
そのため、現代では「参議にお辞儀される」という感覚が分かりません。
明治時代は、太政官の各大臣と参議は別の職制であり、共に「天皇の臣下」でした。
そして、各大臣は「各省のトップ」でしたが、参議は「別格」であり「皇族に近い存在」でした。
つまり、現代の感覚では、「皇族の方にお辞儀された」ような状況でした。
普通の人ならば、「恐縮してしまう」のが当然であり、



咲子には、すぐに
お伝えします・・・
「咲子に話を通す」だけでも、浩にとっては「極めて大きな譲歩」でしたが、「すぐ」と言いました。



本当に有難い
ごわす・・・
参議・西郷従道にここまで低姿勢で来られては、「譲歩に譲歩」せざるを得ませんでした。



それでは、山川どん、
ご機嫌よう・・・



は、はい・・・
西郷参議も・・・
そして、西郷従道は席を立って、帰る準備を始めました。



西郷参議、
お見送り致します・・・



山川大佐は、
そのままで・・・
気遣った同僚が、西郷参議をお見送りし、山川浩は部屋に残りました。
「参議が帰ってゆく」ことに対して、



それでは、参議さん
バイバイ・・・
このように「それでは」というわけには行かず、玄関先まで「お見送り」する必要があります。
なんと言っても「現職の大臣」であり、「皇族に近い」参議であった西郷に対しては「必須の礼」でした。
普通は、この「必須の礼」は「訪問を受けた」浩がやるべきことでした。
ところが、この「必須の礼」を浩がやってしまうと、「一線を越える」ことになってしまいました。
それは「譲歩に譲歩」を超えて、形式的には浩が「降伏」のようになってしまいます。



西郷参議、
こちらへ・・・



有難う
ごわす・・・
このあたりの「機微」は、西郷従道も周囲の陸軍士官も当然わきまえており、



それでは、
山川どん・・・



はっ・・・
最後は引きつりながらも「最大の笑顔」で、西郷従道を部屋にて見送った山川浩。
西郷従道が出て行った後は、



ふぅ〜・・・
疲労困憊して、椅子に座り込んでしまう浩でした。
西郷従道に譲歩して、「咲子に大山巌参議・陸軍卿との結婚話」を通す約束をした浩。
口頭での約束であり、書面を交わしたわけではないので、「反故にする」ことは可能です。
ところが、「参議・農商務卿 西郷従道との約束」を「反故にする」ことは考えられません。
そして、若い頃から「信義を最重視した人生」を送ってきた山川浩。



西郷参議と「すぐに咲子に伝える」と
約束した以上・・・



今日にでも、
咲子の元に説明に行かねば・・・



しかし、どう、咲子に
話をするのか・・・
西郷従道参議に「説得された」ものの、今度は「咲子への説明」に苦しむ浩でした。



そもそも、
この話は・・・
そもそも、自分自身が「全く納得していない」浩でした。
次回は上記リンクです。


