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山口多聞 9〜強き意思と高い意識〜|威人紀行

前回は「山口多聞 8〜日米の意識の差〜」の話でした。

山口多聞 司令官(Wikipedia)
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真珠湾奇襲攻撃の実態

日本海軍の大勝利で終わったかのように見えた「真珠湾奇襲攻撃」。

真珠湾攻撃で損傷を受けた米国艦船(歴史街道2021年12月号 PHP研究所)

しかし、外務省の失態により「宣戦布告後の奇襲攻撃」となりました。

攻撃が「宣戦布告の後」だっただと・・・・・

・・・・・

これでは、「奇襲」ではなく、
ただの「騙し討ち」ではないか・・・

そんな馬鹿な話があるか!

これも「米国の策略の一つ」という見方も多い中、真珠湾奇襲攻撃の実態を米軍が調査します。

Chester Nimitz 新米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

十分に調査した。

「沈没」した一部の戦艦は、
引き上げて修理したから、大丈夫!

引き上げることが出来たのは、
真珠湾の水深が浅いからだ。

真珠湾攻撃(歴史人2021 年8月号 ABCアーク)

しかし、なぜ、日本軍は石油タンク・工廠を
攻撃しなかったのか?

これでは、まるで不完全な攻撃ではないか。

日本の指揮官は、
一体何を考えていたのだ?

まあいい。
我が米軍にとっては、幸いだった。

大破した艦船も含めて、迅速に修理して
反撃できる。

空母は不在だった・・・

工廠・石油タンクも叩いていない・・・

挙句の果てに、
攻撃は「宣戦布告後」・・・

戦勝でも、
なんでもないわ!

「大きな戦勝」に沸く日本海軍と山口

米海軍からの視点では、「不徹底極まりない・中途半端・杜撰な」奇襲攻撃。

しかし、日本海軍内部では、

大戦果だ!

大勝利だ!

もはや、米国に勝ったも同然!

という声で満ち溢れていました。

一体、なんなんだ?

馬鹿げている!

大戦果を納めた我らは、
二階級特進だ!

大いに気持ちが逸る者まで出てきます。

「二階級特進」とは、少将・大佐などの階級のことです。

この時の山口多聞の階級は、少将でした。

「二階級特進」は、日本軍では「戦死しない限り、あり得ない」事態。

何が「二階級特進」だ!

馬鹿め!

怒り心頭の山口司令官。

沸いている司令部に乗り込んで、連合艦隊幹部を前に、こう伝えます。

二航戦(にこうせん・第二航空戦隊)は、
勲章・階級のために戦っているのではない!

日本のために、命をかけているのだ!

我が二航戦は、
二階級特進など一切不要!

はぁ・・・・・

シーンとしてしまった司令部。

これ以後、「二階級特進」を主張する者は出ませんでした。

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