前回は「「まずは過去問」で自分の学びの方向確定〜何をどう学ぶか?・学びの目標をハッキリ認識・「自分を最も知る」のは自分〜」の話でした。
過去問を「ざっと見て少し解いてみる」:「出来る」問題と難問

受験生の最終学年の方は、早い段階で志望校、特に第一志望校の全ての過去問をやってみましょう。
今回は中学受験生の小学校六年生の話ですが、高校受験・大学受験も同様です。
中学受験生=小学校六年生は、今年の第一志望校の過去問を見てみましょう。

過去問を「やる」のではなくて、
「見る」で良いの?
過去問を「やってみる」のが望ましいですが、「やってもあまり出来ない」可能性が高いです。
例えば、小学校六年生の五月に、第一志望校の過去問をやってみると、



少し出来たけど、
全然合格点に届いてない・・・
おそらく「合格点に全然届かない」でしょう。



これじゃ、全然
ダメかな・・・
ここで、「自信をなくしてしまう」人もいるかもしれませんが、自信をなくす必要はありません。



ちゃんと勉強すれば、
大丈夫なの?
例えば、小学校六年生の五月〜七月頃に、志望校の過去問で合格点を取れる人は、かなり少数派です。
「本番で合格する」人の大部分は、この頃は「合格点に全く届かない」はずです。
そこで、試験当日に「合格点確保」を目指しましょう。
ここで、過去問を「見る」で良いですが、大事なことは「全科目見る」ことです。



算数だけ、とかは
ダメなの?
例えば、第一志望校が算数・国語・理科・社会の試験があるならば、全科目見てみましょう。
「時間を測る」などはしなくて良いので、「ざっと見て、少し解いてみる」姿勢が良いでしょう。
第一志望校の過去問は、少し難しく感じられる可能性が高いですが、



あっ、この問題は
分かるかも・・・
意外と「分かる・出来る」問題もあるでしょう。
志望校のランクや出題傾向にもよりますが、「すべて難問」であることは稀です。
大抵の学校の試験では、



ちょっと基礎的な問題で、
我が校の志望者なら出来そうだが・・・



こういう問題を
きちんと解けますか?
基礎的な問題が出題されることが多いです。
例えば、難関校である駒場東邦中・海城中などの算数には、比較的易しい問題が前半にあります。



この問題なら、
解けそう・・・
第一志望校の問題を見て、「この問題なら解けそう」と感じることも大事です。
「出来る」問題と、自分にとって「難しい」難問があることを具体的に理解しましょう。
「とにかく過去問」で「来年本番の僕・私」をイメージ


学校の校風や出題傾向にもよりますが、過去問には非常に良い問題があります。
上の「二つの正三角形」に関する問題は、非常に本質的で「学びに良い」問題です。
この問題の解き方を、上記リンクでご紹介しています。
例えば、この問題を見て、



なんだか
難しそう・・・



どうやって
解くのかな・・・
「全然解けない」時は、解答を読んで「しっかり理解」するようにしましょう。
この図形問題の場合は、「AHとBCが平行」である事実が重要です。



あっ、ここが
平行なんだ・・・
問題集や参考書の解答の表現の仕方にもよりますが、ここで、



どうやったら、
ここが平行って分かるのかな・・・
「どう考えたら、算数の解く鍵」が分かるか、を考えてみると良いでしょう。



ここを、こう考えたら、
「解く鍵」が分かるかも・・・
・第一志望校の直近の入試問題に取り組んでみる
・「出来なくて当然」という姿勢でやってみる
このように「解けなくても良いので、少し理解」する姿勢で、早期に過去問をやってみましょう。
今年2025年に小学校六年生の受験生の方は、直近の今年の過去問を全て見てみて、



このあたりの問題は
難しそうだけど・・・



ここの問題なら、
解けそうだね・・・
「出来そうな問題」と「出来ない問題」を、明確に把握すると良いでしょう。
例えば、算数の出題に関しては、学校によって出題傾向の大きな違いがハッキリ出ます。



我が校の算数の問題は、
全て答えのみを解答欄に書いて頂く・・・



答えのみで、学力は
十分に測れる。
学校によっては、「答えのみ」を解答欄に書く場合があります。



我が校の受験生には、
答えのみではなく、考え方をハッキリ書いて頂く・・・



そして、答えが正しいか、だけでなく
考え方をしっかり採点します。
あるいは、「考え方も含めて記述」で解答欄に書く場合があります。
または、「前半は答えのみで、後半は考え方も含めて記述」の出題もあります。
筆者は、基本的に「試験は、記述問題の方が望ましい」と考えています。
この「算数の答え方に対する傾向」は、学校によってハッキリ分かれています。
出題傾向は変わることがあっても、この「求める答え方」は、あまり変わらない傾向があります。



僕の第一志望校は、
結構記述で書くことが求められるね・・・



私の第一志望校では、
答えのみだね・・・
自分の志望校で「何が求められるか」を理解することも大事です。
・第一志望校で「何が求められるか」を理解:記述と答えのみ
・「どんな問題が、どのように出題されるか」を理解
「とにかく過去問」で、「来年の僕」「来年の私」をイメージすることが合格の決め手になります。
「解ける」「解けない」とは別に、早めに過去問を見て、色々と理解して感じてみましょう。