「とにかく少しでも書く」記述の学び〜「少しの記述」評価する採点者・きちんと答える姿勢への採点者の姿勢・キエフ公国は「キエフの公国」〜|記述式の未来3・中学受験・高校受験・大学受験

前回は「記述を苦手に感じない学び〜「何か書いてみる」姿勢・望ましい「自ら答える」出題・選択肢問題と答えを書く問題の相違〜」の話でした。

目次

きちんと答える答案への採点者の姿勢:キエフ公国は「キエフの公国」

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昔の小学校の机と椅子:旧開智学校(新教育紀行)

前回は、筆者が武蔵中学三年生の時の、世界史M先生の試験の採点に関する話でした。

M先生

下記のAからEの単語から
3つ選び、それぞれ説明して下さい。

定期試験では、すべて記述問題だったM先生の試験。

その中に、5つほどの戦争名・国名・人名などがあり、その中から3つ選んで答える問題がありました。

試験出題の3つのタイプ

A.選択肢を選ぶ問題

B.人名や事件名など名称や単語を答える問題

C.記述で答える問題

M先生の試験では、すべて記述で上のA,Bである選択肢や単語のみの問題はありませんでした。

もともと記述が好きな筆者は、M先生の試験では一生懸命いろいろ書いたのを覚えています。

筆者のように、日本史が好きな人は大抵は世界史も好きです。

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左上から反時計回りに、一ノ谷の戦い、島原の乱、御前会議、西南戦争(Wikipedia)

「日本史と世界史を分ける必要性」に関する議論もあります。

「日本史と世界史は密接に繋がっている」こともあり、「分ける必要性はない」の意見も分かります。

その一方で、筆者は「自国の歴史優先で学ぶ」ことは大事な視点と考えます。

当時、同級生だったK君は、日本史は好きでしたが世界史はあまり性に合わなかったようでした。

武蔵同級生Kくん

俺さ、「キエフ公国」を
選んで・・・

武蔵同級生Kくん

「キエフの公国」って書いたら、
1点もらえた!

「キエフ公国」を選択肢から選んで、「キエフの公国」と書いたら、M先生は、

M先生

ほぼ何も答えていないが、
確かに「キエフの公国」ではある。

M先生

間違ってなく、書いている姿勢に対して
1点与えよう!

この話は入学試験ではなく、定期試験の話です。

入学試験では「1点が運命を左右する」場合がありますが、定期試験では「1点は重要ではない」です。

大まかに、中間試験と定期試験の2回、または1回の試験とレポートなどで評価される成績。

そのため、定期試験において1点増えても「大して」というよりも「ほとんど」成績には影響がありません。

K君のスタンスは「1点でも多く獲得したい」ではなく、

武蔵同級生Kくん

5つあって、2つは大体書けたけど、
1つは全然分からない・・・

武蔵同級生Kくん

まあいいや、キエフ公国選んで、
「キエフの公国」とでも書いておこう!

こんな感じで、半ば「投げ槍的姿勢」で「キエフの公国」と書いたと思われます。

M先生

きちんと答えようとする
姿勢は良い・・・

M先生

そして、端的過ぎるが、
「正しい」ことである・・・

きちんと答える答案に対して、採点者=出題者だったM先生は「0点ではなく、1点で応えた」のでした。

「とにかく少しでも書く」記述の学び:「少しの記述」評価する採点者

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左上から時計回りにDonald Trump米大統領、Volodymyr Zelenskyウクライナ大統領、Emmanuel Macron仏大統領、Vladimir Putin露大統領(Wikipedia)

キエフ公国は、現在のウクライナ周辺にかつてあった国家です。

ウクライナ戦争まで、日本では、現在のウクライナ首都を「キエフ」と呼ぶことが多かったです。

ウクライナ戦争後は、「西側=ウクライナ支援側」の一員として、

日本人A

「キエフ」ではなく、ウクライナ語の
読み方の「キーウ」にした方が良い・・・

ウクライナを支援する姿勢から、「ウクライナ語の語感に近い」キーウに変化した歴史があります。

どの国家にとっても、首都の名称は「その国の言葉の語感に近い」方が望ましいです。

日本人にとって東京の読み方は「トウキョウ」か「トーキョウ」であり、

欧米人S

Tokyoの読み方は
トキョー?トッキョー?

「トッキョー」とか「トキョー」と呼ばれるのは、大抵の日本人は嫌なのです。

ウクライナ戦争と日露戦争に関する話を、上記リンクでご紹介しています。

実は、キーウ(キエフ)は、現在のロシア連邦にとって「母なる都市」と言っても良い都市です。

プーチン大統領がウクライナ戦争開始した理由は、「NATO拡大阻止」が最大の理由です。

そして、キーウに対する「ロシア人の特別な思い」も背景にあることは間違いないでしょう。

M先生

もう少し書いて欲しいが、
時間がなかったのかもしれない・・・

レポート作成などと異なり、試験では「時間が限られている」点が最大のポイントです。

そのため、どんな試験でも「残り3分でいかに頑張るか」は大事な視点です。

キエフ公国を「キエフの公国」と答える姿勢に対して、

中学教師T

これでは意味がないから、
0点だな。

「0点と評価する」教員もいると思われます。

その一方で、「キエフを首都とした公国であるから、キエフ公国」は本質的に正しいことです。

筆者は、中学三年生の時に同級生のK君から、

武蔵同級生Kくん

「キエフの公国」って書いたら、
1点もらえた!

武蔵中高生の筆者

そっかぁ、
それは良かったね!

武蔵同級生Kくん

まぁな!
はははっ!

K君としては、「1点もらったこと」を喜ぶよりも、半分「笑い話」として話していました。

確かに、同級生の話のネタとしては、これはなかなか興味深いです。

採点者の視点にもよりますが、記述では「何かを書くこと」が基本的姿勢です。

この点では、「端的でも、少しでも書く」姿勢に対して、何らかの評価をする教員は一定いるはずです。

定期試験でも、入学試験でも、

男子小学生

あっ、この記述の問題、
少ししか分からないけど・・・

男子小学生

もう時間が、ほとんど
残っていない・・・

「少し分かる」けど、「時間がほとんど残っていない」場合、「分かるだけ書く」のが最善です。

ここで、諦めずに、

男子小学生

よし、時間ギリギリまで
書けるだけ、書こう!

このように「分かる範囲で書けるだけ書く」姿勢が大切です。

出題者

この答えは
一部だが・・・

出題者

1点かな、いや2点
あげても良いかな・・・

それに対して、採点者は適切な点数評価をしてくれるでしょう。

入試でも定期試験でも、記述問題に対しては「とにかく書く」姿勢が大事です。

そのためには、日頃から「とにかく書く」姿勢で学びましょう。

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