授業中に起きた武蔵中「刃渡り1cmのミニカッター」の事件〜武蔵らしい「自由でのびのび」の良い点と悪い点・中高生をどう管理するか？〜｜中学高校生の教育と人生2

前回は「武蔵中学「中学一年生・校内切りつけ」事件の衝撃〜求められる他の中高の教育対策・学校教育と中学生の気持ち〜」の話でした。

授業中に起きた武蔵中「刃渡り1cmのミニカッター」の事件

2025年11月28日の昼、武蔵中学校・高校内で「中学一年生の切りつけ」事件が発生しました。

武蔵中学・高校卒業生の筆者は、絶句するほどの大きな衝撃を受けました。

血気盛んな男子が大勢集まる男子校では、「男子同士のケンカ」は「よくあること」です。

ただし、そのケンカもまた、「ケガに至るほど」にはならず、大抵は小規模で終わります。

その一方で、今回は「刃物が登場」した前代未聞の事件でした。

上の「判明事実」の内、黒文字が事件直後の翌日、赤文字が2025年12月4日時点の「事実」です。

テレビでもネットでも大きく報じられた、この事件に関しては続報が少ない状況です。

「ミニ・カッターであった」ことは、ある意味では「事件の重大性を軽減する」ことです。

その一方で、「刃渡り1cm」であろうと、大の大人でも「攻撃される」のは絶対避けたいことです。

中学一年生ならば、「刃物で相手を攻撃する」ことの重大性は分かるはずです。

そして、事件の状況が「休み時間」ではなく、「授業中」であったこともまた、重大な事実です。

義務教育の中学生の「授業中」は、教員が「管理する立場」です。

現代では、事実上「ほぼ義務教育」の高校生の「授業中」もまた、教員が「管理する立場」です。

「学生が自由にして良く、自己責任」は大学生以降、と考えるのが常識的です。

突発的な事件であり、教員が未然に防ぐのは難しい面があります。

そのことを加味しても、「学校側・教員の責任は重い」と言わざるを得ません。

武蔵らしい「自由でのびのび」の良い点と悪い点：中高生をどう管理するか？

筆者は1996年に武蔵高校を卒業し、その後も武蔵中学・高校にはよく行っています。

「筆者の頃の武蔵中学高校」と「現在の武蔵中学高校」では、「同じこと」と「変化したこと」があります。

30年ほどの時間が経過すると、学校や組織は少なからず変化することが多いです。

武蔵中学・高校に関して、卒業生である筆者の視点での話が、上記リンクです。

かつては、「自由でのびのび」中学高校の「総本山的存在」であった武蔵中学・高校。

「自由でのびのび」は、他の学校の人々と接すると、感じられます。

高校一年生から新宿にある塾に、当時大好きだった数学の授業に週に一回通い始めた筆者。

最高位クラスだったため、周囲は開成・麻布・筑駒・桜蔭、そして武蔵が多いクラスでした。

特に、女子は「桜蔭が圧倒的存在感」を示しており、授業では「最前線横一列桜蔭生」でした。

そして、開成と筑駒が多かった印象が強く、次いで、麻布、武蔵、駒東、女子学院などでした。

周りの人々は「制服でビシッとした感じ」が多く、私服は武蔵以外は、筑駒と女子学院くらいでした。

「かなり少数派」の「私服」だけでも目立つ中、「自由過ぎる雰囲気」が武蔵生でした。

今回の事件は、「武蔵らしい自由でのびのび」の中、「たまたま起きてしまった」ことと考えます。

とは言っても、学校の責任は重大であり、明確できちんとした「対応策の発表と迅速な執行」が重要です。

物事には全て「良い点と悪い点」があるように、「自由でのびのび」にも「良い点と悪い点」があります。

ぜひ、「自由でのびのび」の悪い点を、きちんと教育の力で変えて欲しい。

こういう事件が起きると、「なんとなく有耶無耶になる傾向がある」日本。

日本の未来を左右する子どもたちが、思春期を過ごす中学・高校の時期だからこそ、重大です。

中学受験超直前期であり、事件に関わった人たちのことを考えると、学校側は慎重にならざるを得ません。

「筆者ならば、このような対応策を推進する」という考えはあります。

おそらく、武蔵中高および学校運営組織幹部には、様々な思いがあると思われます。

ここで、歴史的に見て「日本という国家の良い点でもあるが超弱点」が「合議制であること」です。

「みんなが色々言う」ので、「基本方針すら、なかなか決まらない」のが日本という国家と日本人です。

この中、武蔵中高関係者の皆様には、「超緊急事態」であることを強く意識して欲しい。

おそらく、「今後の武蔵中高関係者の対応」を、日本中の学校・教育関係者が注視しているでしょう。

その中で、「明確で迅速な対応を武蔵中高が執行すること」は、武蔵中高にとって必須です。

そして、この事件への対応は、日本の中高教育の未来にも影響するかもしれません。