前回は「数式の変形をしっかり理解して学力アップ〜分数と掛け算・算数と理科の横断的学び・「逆比」の理解と式変形〜」の話でした。
分数の割り算を理解して学力アップ:小数と分数が登場する計算
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今回は、上の計算を考えてみます。

この計算なら、
僕は出来るよ!
小学生・中学受験生は、上の計算はサラッと出来る人もいるでしょう。
今回は、この「簡単な分数の計算」を、しっかり理解する話です。
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このように「小数と分数が混ざっている計算問題」が、中学受験では頻繁に登場します。
「小数と分数が混ざっている」時は「どちらかに合わせる」必要があります。
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「小数か分数に合わせて計算」しますが、今回は「割り切れない数」があるので、両方分数にします。
0.375など、「0.125の倍数」は中学受験でよく見かけます。



これは、「◯/8」になるって
覚えたよ!
「0.125の倍数=◯/8」と暗記しても良いですが、「理解して、覚えてしまう」のが良いです。
「0.25=1/4」なので、「0.125は0.25の半分だから1/8」と理解しておきましょう。



そう理解すると、
0.625とかも、すぐに分数に出来るね!
すると、「分数同士の割り算」となり、これを計算することになります。
この「分数で割る」場合は、



掛け算にして、
「分母と分子が逆」だよね!
「割り算から掛け算に直して、分母と分子が逆」で計算します。
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そして、計算が出来ます。
もっと複雑な計算問題も多数ありますが、「分数の割り算」は、この方法が最も良いです。



これは公式
だよね!
なぜ、「割り算から掛け算に直して、分母と分子が逆」で良いのでしょうか?



なぜ?って言われても、
そうするように習ったよ・・・
今回は、この分数の割り算を少し考えてみます。
「割り算から掛け算に直して分母と分子が逆」の理由
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今回は、「割られる数」をCとして、単純にします。
Cと記載しましたが、これは整数に限定せず、小数でも分数でも良いです。
ここで、「B/Aで割る=A/Bを掛ける」と同じになります。
「割り算から掛け算に変更して、分母分子が上下逆」となります。
この計算方法は、ある意味で「公式」と言えるかもしれません。
また「計算の決まり事」と考えることも可能であり、その場合は「そういうもの」となります。
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ここで、この計算方法を「しっかり理解」して応用力アップしましょう。
そこで、元の「割り算の計算」から考えてみます。
上の「B/Aで割る計算」は「B/Aが分母となる計算」であり、これは割り算の定義(ていぎ)です。
定義という言葉は、少し難しいですが、「決まり事」を指します。
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ここで、分母分子のそれぞれに、「同じA/Bを掛ける」ことを考えてみます。
分数において、「分母分子に同じ数字を掛けても同じ」です。
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すると、分母は掛け算の結果、「1」となります。
これは「分母が1になるように、A/Bを掛けた」からです。
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すると、「割り算から掛け算に変更して、分母分子が上下逆」の式になりました。



この流れを見ると
「当たり前」だけど・・・



分数の割り算を掛け算にして
「分母分子が上下逆」は、これだったんだ・・・



「割り算から掛け算に変える」ことを
ちゃんと理解出来たから・・・



これからは、自信もって
計算出来るね!
算数の基本的な考え方で、「分数の割り算を掛け算に直す」ことが理解出来ました。
上の流れは、「数式の変形の基本」でもあります。
数式は「自分の都合の良い様に、適切に式変形することが可能」です。
・適切に加減乗除して、式変形が可能
・目標(答え)を見据えて、自分の都合の良いように式変形
「数式の変形」は数学的発想ですが、算数でも大きな力を発揮します。
問題を解く際に、「目標(答え)を見据えて、式変形」することを意識すると学力が上がります。
「消去算」などでも、式変形を意識するようにすると良いでしょう。